【タイトル】 すぐやる!すぐやめる!技術
【著者】 平本あきお
【ページ数】 215
【読むきっかけ】 平本さんの本を探していて、目に留まってレビューもよさそうだったため。
【何を得ようと思ったか】 何か結果を出すためには継続的に行動に移すことが必要。心理的なテクニックで、そのアシストができればと思い。
【概要】
なかなか行動が始められない、長く続けられない、飽きっぽい。そんな人でも、やりたいことはすぐ行動でき、やめたいことはすぐ辞められるための技術。
【対象】 先延ばしを解消したい人
【評価:★5段階で】
難易度:★
分かりやすさ:★★★★★
ユニークさ:★★
お勧め度:★★★
【要約】
ルール
①ちゃんとやらない
②最後までやらない
③効果を気にしない
④わざわざ時間を取らない
やりたい行動の障害
①望む結末を実感できていない
②行動自体が苦痛
やめたい行動の障害
①嫌な結末を実感できない
②行動自体が快
対処は、
①結末をありありと実感
道具的(オペラント)条件付け:これをやれば欲しい結果が手に入る
②やりたい行動と快、やめたい行動と苦を同時進行で結びつける
古典的(レスポンデント)条件付け:これをやることそのものが楽しい
ステップ
0. 根こそぎリストアップ
1. それは本当に必要なこと
a. 本当に必要なことか
b. 優先順位が上位
c. ゼロベース思考
もし、今まだ何も始めていないとしたら、それでもこれをやりたいか
d. 時間対価値
自分じゃなくてもいい、人に頼めるもの
e. 期限や量が明確で適度なこと
2. 心理的な抵抗は?
a. 苦痛の中身が分かれば苦痛を避ける形の解決策を考えらえる
b. 完璧主義をやめる。目標のレベルを低くすること。
c. できたらラッキーぐらいの軽い気持ちでスタート
3. 機械的に時間を決めて即実行
a. タイマーで時間管理
時間ができたらやる、ではなく、あらかじめ時間を確保
その時間が来たらJust Do it!ただやるだけ。
決めた時間で終わらせる。もう少しやりたいのに、となったら快と結びつき始めている。
b. 範囲や量を決める
設定した時間の中で、最も影響度の高い範囲や量を決める
c. 気合を入れる
心の状態を一瞬にして変えるためには、体を動かすこと
d. 習慣化したパターンを始めない
よくない習慣が始まるところを断ち切る。初めから手を付けないような状況設定が効果的。
4. 行動を習慣化する
a. 快適な心の状態と環境
気持ちのいい状態の時にやる
行動を気持ちよくできる環境設定。好きな音楽をかけるなど。
b. 先延ばしと苦痛を結びつける
過去にそれをやらなかったがために、失敗したり、痛い思いをしたことを思い出す。ありありと思い出すことで、その悔しさや後悔を実感してみる。そして未来どんなにつらいことになるかという苦痛を思い浮かべる。
c. 悪習慣を断ち切る強烈な苦痛
行動そのものを苦痛と結びつける。
ex. 特定の菓子に手が伸びる→絶対口に入れたくないものを、その菓子を見ながら身体・感情レベルでイメージ
d. 行動すると快を結びつける
やってよかったという過去を思い出す
未来の完成のイメージを思い浮かべる
やっているときと快を結びつける
ご褒美=快は、結果に対して与えられるがこれは逆効果
例)エクササイズ後のご褒美→エクササイズ中は何の快も与えられない。運動の後=運動していないときと快が結びつく。それなら運動中だけ同時進行で好きなお菓子を食べる。
できていないことを快と結びつける際の注意点
無理にやろうとするとかえって苦痛が増す。最初は時間がかかったとしても、いったんニュートラルにしてから一気に快に変えていく方が、結果的には短時間で効果的な成果が出る。
e. 達成度が見える物差しを作る目盛りが上がる行動をする
結果がはっきり目に見えないものの場合は、行動自体に注目して数値で測れるようにする
5. 切ることの優先順位を上げる
a. やる、やらないを分ける
一旦TODOリストから外す。本当に必要なときに必要なことが訪れる。
b. 優先順位の低いものを切り捨てる
c. エネルギーの無駄遣いをやめる
とりあえず保留にするのではなく、リストから切り捨てる
【感想】
この手のテクニックを学んでいる人にとってはありきたりのもので、NLPの本でもよくテーマとして取り上げられるが、先延ばしの癖は、ほぼ万人共通の悩みではないかと思う。そんなときに、本書に書いてあるようなテクニックを1つでも2つでも適用すると、少しずつ改善できる。
嗜癖と苦痛を結びつけるのは、行動療法では嫌悪療法と呼ばれている。