【タイトル】 成功するのに目標はいらない!
【著者】 平本相武
【ページ数】 231
【読むきっかけ】 宮越大樹さんの『「コーチング脳」のつくり方』の本の中で、宮越さんの師匠として平本さんの名前が出てきて、著書を調べた時に目に留まったため。
【何を得ようと思ったか】 目的やビジョンを明確にする風潮に疑問があり、自分も価値観重視型であるため、この二つの対比の中で、どうとらえるのが望ましいかを学ぶため。
【概要】
アメリカでは、当たり前のように「ビジョンは何か?」と聞かれるのに対して、日本ではコーチングや企業研修では、思い浮かべない人が多かった。ビジョンを明確にする方がやる気が出る人と、ビジョンではない「何か別のもの」に動機づけられている人がいることを著者は発見。目指すべき目標がないと成功できない、成果を上げられないかというとそうではない。
【対象】 自分の目標・ビジョンを探しながらもなかなか見つからない人
【評価:★5段階で】
難易度:★
分かりやすさ:★★★★★
ユニークさ:★★
お勧め度:★★★
【要約】
行先=ビジョン=ありたい姿=本当はどうありたい?
理由=価値観=自分らしさ=自分にとって何が大事?
自分軸
自分らしさ、ありたい姿
自分軸があると、やる気、能力、やり方、が引き出される。
頭で考えるものではなく、身体・感情に刻みつけられたもの。
探し方:
過去の具体的なエピソード(充実体験・至福体験・成功体験・人生を変えた出来事/出会い)に対して主観的にいいか・嫌か、自分なりの意味付け=「自分にとって何が大事か」「本当はどうなりたい」。
現在の充実・不満の裏返し・3週間後の死
未来:何の制約もなかったら○年後、何を実現させたい。
自分軸ではないもの:
・人に言われたこと
・人に要求・期待されたこと
・みんながやっているからやること
・やらないと不安だからやること
・気晴らしや現実逃避でやること
・過去からの思い込み
・中毒で「はまっている」こと
何の制約もなかったらどんな人生を送りたいか聞くと、「ハワイでのんびり暮らしたい」という話。その人にとって真の喜びにつながるビジョンの可能性はあるが、往々にして、現在あくせく働いて、のんびりできる南の島に行きたいという象徴でハワイが出てくることがある。これは現実逃避の可能性。
「怒りや憎しみ、復讐心からくること」は自分軸になるとも言えるし、ならないともいえる。
ビジョン型
目標に近づいている感
価値観型
満たされ感
人生の8つの分野
生活環境
健康
仕事/他者への貢献
お金
友人/対人関係
大事な人/家族
自己成長/学び
楽しみ/娯楽
自分軸が明確になると往々にして起こるのが、周りの人との摩擦、軋轢、すれ違い。大事なのは人とのコミュニケーション。関わる人との立場に立つ。自分が役に立てることはないか申し出る。そのうえで自分の思いを伝え、協力を得る。
【感想】
自分探しのための様々なフレームワークが載せられている。いずれも、これまで色々なセミナーで取り上げられたものばかりなので珍しいものはないものの、新たに、あるいは改めて取り組むというときには役に立つ。
著者が述べていたように、自分の人生の目標、ビジョンがはっきりしない人というのは多い。これが自分の使命、天命だと明確に分かっている人というのは少ない。それが分かっている人は、こういうセミナーで自分探しをしたりせず、すでに成功を手に入れているか、それに向かって邁進している。セミナーの手法で、これだと分かりました、という人はあまり見たことはない。
一方、価値観だと、自分が大切にしているものや、すでに列挙されているものの中から、優先順位をつけて並べると探しやすい。