【タイトル】 ザ・マインドマップ
【著者】 トニー・プザン、バリー・プザン
【読むきっかけ】
フォトリーディングでマインドマップにまとめる部分があり、このブログでもレビューにマインドマップを使ってみた。が、単なるツリー構造にしたまとめで、ブランチには単語のみ使うという原則からも外れ、マインドマップとは言えなくなった。
そこでマインドマップとはそもそも何ぞや、効果的なマインドマップの作り方を学ぼうと手に取ったもの。
【何を得ようと思ったか】
マインドマップの本はいろいろあるが、これは開発者によるものなので、その源流から学ぶことができる。
【評価:★5段階で】
難易度:★★
分かりやすさ:★★
ユニークさ:★★
お勧め度:★
【要約】
拡散思考
連想によってアイデアを広げていく。
ポイントは
・ブランチは単語で
・絵を用いる
・カラーや下線など装飾
基本的にツリー構造に過ぎないが、
中央にテーマを持ってくることで直線型、線形思考を緩和している。
フラットになるのを防ぐために、装飾で重要度など強調を表現。
言葉を使いつつも、左脳の限界を超え、右脳を活用するような工夫がなされている。
→これゆえに、著者は、マインドマップである条件を限定しているのだろう。
→連想でやっていくと収束はできないし、紙に書くとどうしても表示できる限界がある。あとから重要度に応じて、もう一度整理するというフェーズがあってもよさそうだが、それには言及されていない。
【批判点】
9割方、いろんな分野へ適応した場合のマインドマップの利点をずらずらと述べるだけの退屈な本。エッセンスは1/10で十分。
マインドマップの例が多くあるが、ここから学べることは全くない。マインドマップの書き方の参考にはなるが、これを見て、スゲーとは思わないし、他人の作ったマインドマップは全体として何を言いたいのかよくわからないし、これらのマインドマップを作ったところで、学習や教育や経営に大きな成果をもたらしたとは全く信じがたい。
脳との関連の説明に4章も使っているが、脳自体の構造とマインドマップは関係ない。さも脳科学と密接な関係があるかのように書かれているが、結局単に右脳を使って、放射思考しましょう、というだけの話。
脳のニューロンとマインドマップは、形は似ているが、ニューロンには中心はない。
またツリー構造はよいが表構造はどうなる?
別のsiblings(従兄弟関係)との関係性はどう表現する?
この辺の答えはない。
【感想】
20年前ぐらいにFreeMindで結構やっていたが、その後しばらく使わなくなった。
思考を整理するためにはいいし、全部書き出すと、全体像が見えていい。
しかもツリー構造で構造化されている。
構造的には、ロジックツリーや特性要因図と変わらないが、中心テーマの周りを連想によって発散していくところが違う。
しかし、各階層のレベルを合わせておかないと、まとまりのないものになるが、連想でやっているとそうなってしまう。
マインドマップの効果は誇大広告にすぎないことがよくわかった本である。
ツールは本人がどう使うか次第で、ツール自体が効果を出してくれるわけではない。