【タイトル】 成功はどこからやってくるのか? 「成功法則」の取扱説明書
【著者】 岡本吏郎
【ページ数】 251

 

 

【読むきっかけ】  ビジネスNLPのページにあったおススメ本で興味が出たこと
【何を得ようと思ったか】 成功法則で成功できない本当の理由で興味がわいて、では成功の秘訣は何と言っているのか興味があって。

【概要】
世の中には多くの成功本の本があり、どれを読んでも内容は一緒。
短期的な成功ではなく、長期的な成功をするには。

【対象】 仕事向け。
【評価:★5段階で】
 難易度:★
 分かりやすさ:★★★★
 ユニークさ:★★
 お勧め度:★★

【要約】


「楽して儲かる」を検証
資本主義:「得にくい」ものの価値は高まり、「得やすい」ものの価値は下がる。
「楽して儲かる」ならば、その「儲かる」の価値は限りなくゼロに近づく。

成功法則のひとつに、「毎日、目標を紙に書く」というものがある。
これに限らず、たいていの成功法則を成功者は実行していません。それが現実です。
それどころか、そういった成功ノウハウを笑っています。

マイナス思考気味の人が「プラス思考」を無理してやっても、かえって「マイナス思考」になる
脳はあまのじゃくで、無理やりを嫌う。
プラス思考は結果論に過ぎない。

「その話を利用して儲けようとする人がいる」ということ。それが資本主義。
世の中に流布する考え方の中には、「たくらみ」がある。特に「極論」には注意。
→「おまえ、それは極論過ぎないか?」という言葉を頭に置く。

プラスとかマイナスという二元的にものを考えないこと。成功者の共通点は、「遊ぶ」という感覚。

ノウハウを求める底の浅さ
プラス思考はパーツの一つでしかない。

・好きなことで稼ぐというテーマ
好きなことを仕事に選んで苦労している人はたくさん。好きなことが嫌いになってしまう人も。自分の満足とお客様の満足が完全に一致することなんてあり得ない

創発
上位のレベルに上がらないと解決できない。
ある日を境にスイッチが入ったと感じる瞬間
「あいつ」:自分がやっている気がしない。彼の存在を意識し、「あいつ」が来るように仕事をしていると彼はやってくる。

好きなこととは絶対的ではない。
かなり相対的なもの。本当に好きなことなら職業にしなくたって、あなたのことをサポートしてくれる。

火消し人生では、どんな強力なノウハウも役には立たない
Unfinished Business 未完結のわだかまり
逃げても再び同じような事件が起きる。
火消し人生をある程度クリアすればノウハウは役立つ。

心の弱さ
奇跡を求める願望、近道を求める願望、楽な方法を求める願望、
「願望」ではなく「好奇心」ならば悪いことではない。
主体的に行動し選択に責任を持つ態度を取れない人の心の穴には、多くの極論が入っている。好奇心をもって笑いながら消費するのであればよいが、多くの人は極論に洗脳。

創発
エジソンの「99%の努力と1%のひらめき」
真意は、ひらめきを得るためにこそ努力が必要

偶然を待つ力
必然的な方法に頼っていたら、偶然を待つのは辛い。世の中が偶然の織物からできていることとさえ理解してしまえば難しくはない。

エジソンは「リトルピープル」と呼んで無意識に人格を与えていた。

無意識くんの性格
信用しないとテコでも動かない
 無理に信用は意味がない。次のように無意識くんに語り掛ける。「いつもありがとう。いつも信じてるよ」
そういう割には優しい
あまのじゃく
恥ずかしがり屋
ささやきを聞いている
頼られると嫌と言えない
冒険が大好き
 あなた自身が本当にやりたいか。冒険を手伝ってくれるのはしっかりと準備をした場合
案外、ギリギリにならないと何も手伝ってくれない
 ギリギリの連続を人生の中で計画的に作っていくギリギリのマネジメント。これを身につけると偶然の連続も加速。人生は流れだということと体感。
質問されるのが好き
本人がボーッとしているときの方が元気
 よいアイデアが浮かぶ方法:ただ目の焦点を外してボーッとするだけ

同質化=大衆化
すでに成功法則も大衆に受けれられた時点で終わっているものが多い。
どんな世でも、成功者は個性的。

こうするなら..という条件付きの思考回路。予測可能性のあるものは、リターンが少ない。

言葉になる前の言葉のようなものを大事に。

 

【感想】

 

よくある「成功法則」を批判した痛快な本。

成功法則マニアになって、頑張ってポジティブ思考をして、でも結局大した成果が上がっていない(あ、自分のことかもw)

 

よく「好きなことを仕事にしろ」と言われる。

それに対して、私は非常に疑問であったが、そのこともきちんと言語化してくれている。


では、どうすればいいのか、

著者は、

・願望よりも好奇心

・無意識の活用

・偶然を待つ

・ひらめき、「あいつ」が来るのを待つ。

 

などを述べる。

単に、目標を立て、ビジュアライゼーションを行い、潜在意識に埋め込み、行動する、

といった一般の成功法則よりも興味深い。

が、魔法はない。楽な方法はないよ、と半ばあきらめさせてもくれる。

 

結局は、これも含めて、「夢を売る商人」に搾取されていただけなのだろうか。