第33話 「擁壁から雨水が染み出してきた」

 

大雨が降ると、急傾斜の土留め擁壁の一か所から水が染み出してきました。

 

その水が母屋の方にどんどん流れてくるのです。

 

放置しておくと水の量が増え、どうなるかわかりません。

 

自宅がピンチ! SOS です。

 

応急処置として

 

納屋まわりのものを片付け

 

屋根にブルーシートをはり、降った雨水の排水を別の所に逃がすようにしました。

 

また、擁壁から沁みだした水を掬い取り、掃除をしました。

 

原因は

屋根に降った雨水の排水の不具合によるものと推測しました。

 

山側の屋根に降った雨は一か所に集まり、排水パイプにつながっています。

 

その一か所に集まる受け部分と排水パイプの不具合だと思われます。

 

・排水パイプの勾配が十分とれていないため

 排水の流れが悪い

 

落ち葉やごみなどが受け部分と排水パイプにつまり、

 あふれる

 

・冬は排水が凍結して、水の行き場がなくなり、

 あふれる

 

 

信頼できる業者に来てもらい、対策を協議しました。

 

私の希望は以下の2点。

 

「排水の流れがスムーズになること」

 

「管理がしやすいこと」

 

業者の設備屋さんは研究熱心な方で、いろいろ調べ、試行錯誤して

 

以下のような方向を提示してくれました。

 

・落ち葉やごみ、土などをキャッチするマンホール

 擁壁の下に移動する(現在は擁壁の上)

 

・マンホールのふたにメッシュ板を設置し

 落ち葉やごみをそこでキャッチする

 

・落ち葉やごみがマンホールまで通過するように

 パイプの径を大きいものにする

 

・水が飛び散らないようにマンホールの上に

 筒状のカバーをつける

 

・マンホールの中に穴開きバケツを設置し

 泥をキャッチする

 

・勾配を十分とり、流れをよくするために

 排水ルートを変える (今までは迂回ルート)

 

・屋根からの雨水を受ける部分(雨水受け)

 大きいものに変える

 

 ▲マンホールのふた(メッシュ)と筒状カバー 

 太いパイプの先には屋根に降った雨が集まる「雨水受け」を設置

 「雨水受け」には落ち葉が直接入らないようにふたを付ける

 屋根に降った雨が太いパイプから落ちてくる 

 勾配があるのでよく流れる 凍結もしない

 落ち葉やごみをここでキャッチしマンホール内には落ちない 

 さらに、ふたの下に目の細かいネットを入れてあることで

 蚊が卵を産まないようにする効果もある 

       

 ▲マンホールの中に入っている穴開きバケツ

 小さい穴から水は抜け、泥は残るようになっている

 冬は(凍結はしないが)念のためこのバケツを撤去する

 

 

設備屋さんは工事を終えて

 

「こういう工事は初めてやりました」

 

「すごく勉強になりました」

 

「あれこれ考えてとてもおもしろかったです」

 

改修工事以来、擁壁から水が染み出してくることもなく

 

きちんと水がマンホールに入ります。

 

メッシュのふたの所で落ち葉やごみがキャッチされています。

 

土はバケツの底にたまります。

 

冬、排水は凍結しません。マンホールの中も凍結しません。

 

管理は、時々、落ち葉やごみ、泥を捨てる程度です。

 

私は「さすがプロ」「研究熱心」「とても謙虚」な方だと感心しました。

 

これから先、こういう人に仕事を依頼しようと思いました。

 

その後、アパートの不具合箇所の工事をお願いしました。

⇒ 期待通りでした。

 

仕事に対する姿勢 

本当に考えさせられました。