第31話 土砂崩れ発生!
今から十数年前の夏、私の住む地域は大雨が続き、大きな災害が起きました。
近隣の市では土石流が発生し、死者が出ました。
私の家は、山のふもとの急傾斜地の下にあります。
大雨が続き、その急傾斜の裏山が崩れたのです。
消防の方々が駆け付け、崩れたところに大きなブルーシートをはってくれましたが、
このままではさらに崩れ、家もろとも私たちに命の危険が迫っていたので
自宅を離れ避難することになりました。
数日して雨がやみ、自宅に戻ってみると
「驚きの光景」に腰を抜かす思いでした。
「驚きの光景」というは、別の新たな問題ですので
⇒第32話 「自宅がピンチ!その2」で掲載します。
雨がやみ、ブルーシートで応急処置をしてもらったことで、
さらなる土砂崩れは起きず助かりました。家も何とか無事でした。
しかし、私有地部分での土砂崩れだったため、役所と区から「改善要請」が来ました。
「擁壁をつくる」「斜面をなだらかにする」などして
「これから先、土砂崩れが起きないようにしてください」という内容でした。
役所へ工事について相談に行ったのですが
「崩れたところが私有地なので・・・」と
どうにもなりません。さあ、大変です。
業者に相談すると、
技術的には擁壁とフェンス設置は可能
しかし、斜面をなだらかにするには
<方法1> 家の上の山を削ってなだらかにする
<方法2> 家を壊して盛り土をしてなだらかにする
二者択一しか方法がありません。
どちらも不可能です。
莫大な出費と難工事で自宅がピンチ SOS です。
自宅に住み続けるための苦肉の策として
斜面に鉄骨を入れた上で
そこに根のはる木を相当数植えることでした。
斜面に植えるふさわしい木はどんな木か、いろいろな人にヒアリングしてみました。
「アカシア」「ケヤキ」・・・・
トゲがあったり、大木であったりして
自宅が下にある急傾斜地にはふさわしくありません。
後々の管理も大変です。
背丈が低く、根が張る木で、後々管理がしやすい木がベストです。
なかなか条件に合う木が見つかりません。
最終的に植木屋に現場を見てもらい、相談して決めたのが
「ユキヤナギ」という木です。
高さは1.5m~2mくらいで、春に白い花が咲きます。
根が深く張るそうです。
それにあまり高価ではなく、条件に合うので
急傾斜の斜面に相当数の苗木を植えていただきました。
▲傾斜地に植えたユキヤナギ 根がしっかりはっています
管理は伸びて飛び出た枝を剪定します。数年に一度強剪定をします。
植えてからは、ありがたいことに
大雨が降っても土砂崩れは現在まで起きていません。
ネットで調べて「アジサイ」も低木で斜面に植えるのに適した植物であるとわかり
物置小屋のすぐ上(斜面の比較的下の位置)に自分で数本植えました。
▲大きくなったアジサイとユキヤナギ
これで絶対安全・安心とは断言できませんが、
ひとつピンチを切り抜けたかと思います。
問題が起きたら、その時、また対応です。