<第17話>共通設備の見直し 
インターネット回線

 

 

「入居者に人気の設備ランキング2023 【付加価値編】によると「単身者向け物件」「ファミリー向け物件」ともに第1位「インターネット無料」物件だったそうです。
 そういうアパートはインターネット代金込みで家賃設定していると推測しますが、全戸インターネット利用が前提になっているという時代の変化に驚かされます。

  

 WIFI環境整備が急務かと思われました。
 

 うちのアパートはケーブルテレビに強制加入させられていた関係で、ケーブルテレビインターネットの使用実態は、オーナーには一切知らされていませんでしたし、「教えてください」とケーブルテレビ会社に問い合わせても、相手にされませんでした。
 

  ケーブルテレビ名義をオーナーに変更後、初めて各戸のインターネット利用実態を調べてみると、
 

・ケーブルテレビ会社の光回線を利用している
 

・大手スマホ会社と同じ光回線(光コラボ)を利用している 
  

・(工事不要の)ホームルーター利用している
  

・スマホだけで、光回線は使っていない(WIFI環境なし)
 

 などと、どの家庭もバラバラでした。

  その実態を踏まえ、WIFI環境をどう整備するのがよいか、いくつかの光回線業者から条件面の聞き取りを始めました。
 
   聞き取りした4社は、およそ同じような条件で以下のようでした。

 

現在、うちのアパートの共有部分には光回線が引かれておらず、各戸が必要に応じて個別契約で回線を引いている状態です。

それを、各戸すべてで光回線を使えるようにするためには、共有部分まで光回線を引いて、そこから各戸へ回線を引くような形にします。そうすると

 

・「団体契約」という形態になる。
 

・団体契約の料金は個別契約より安価になる。

 

・光回線の利用の有無にかかわらず全戸分が課金対象となる
  

・工事代は、数年の継続利用を条件に実質「0」円 
 

  アパートの実態を踏まえ、各戸への光回線導入条件を精査してみると、

以下の3つの大きな課題見えてきました。
 

1  どれか一つの光回線に一本化できるか?
  
⇒好みがあるから むずかしそう 無理でしょう

 

2 インターネット利用しない家庭から代金請求できるか?

  ⇒大反対 確実!

  利用していない家庭にネット利用してもらいますか? 

  ⇒家賃アップすれば理解を得られないでしょう

 

3 将来、入居率が低下してきた場合でも、持続可能か?
 ⇒満室に近い状態を維持できないと持続は不可能

 

入居募集時であれば、条件に納得して入居してもらえますが、

 

入居者が既に利用しているサービスの途中変更はきわめてハードルが高いです

 

 ⇒現状変更は極めて困難

 

インターネットを利用する場合、入居者が選んだWIFI環境を尊重し、それを継続するのがベストだろう

という結論に達し、アパート全体にかかわる「インターネット回線」には手を付けないことにしました。