<第9話>管理会社Bによる契約不履行 その3
~文書管理・金銭管理~



 

1 間違いだらけの契約書や収支報告書 

 管理委託契約書が古い法律のもので、間違いだらけだったことは既に第2話に掲載しました。また、収支報告書では実際より少ない管理戸数、実際より多い空室戸数データのためオーナー側の家賃収入が大幅に減少したことについては第7話に掲載した通りです。修正されるまで3か月かかりました。それもオーナーが指摘し続けてです。
 入居者と交わす「賃貸借契約書」でも、氏名の間違い、契約期間の間違い、契約内容(他の人の契約と取り違えていた)の間違い、隣の人の文書がポスト(郵送ではなく直接ポストイン)に入っていた、家賃保証会社引き継ぎ手続き放置など致命的なミス・間違いが見つかり、修正と改善を求めました。
 一人でやる仕事は、人間ですから間違いが発生することはあります。しかし、複数でのチャック体制ができていれば、それはある程度防げるのではと思います

2 契約更新時の書類が送付されない 更新の連絡もない

 サブリース契約は、アパートを一括借上げし、管理会社が貸主になり、たとえ空室があっても一定の家賃保証をしてくれます。一方、管理委託契約はアパートの管理を管理会社に委託しているだけで、貸主はオーナーです。もちろん空室があっても家賃保証はしてくれません。

 従って、管理委託契約では、オーナーの代理で管理や様々な手続きをしているわけですから、更新があれば、連絡があってしかるべきなのです。しかし、一切ありませんでした。更新が完了後の書類も一切届きませんでした。どうも、管理会社は、うちのアパートをサブリース感覚で管理しているように感じます。オーナーは「蚊帳の外」になってしまいました。 

 

3 入居者からの連絡・クレームとその対応に関する定期報告なし

 入居者から管理会社への連絡やクレーム内容、その対処について、定期的にオーナーに報告することが義務付けられています。そうした報告も、しかるべきところから指導を受けるまで、オーナーに届きませんでした。そもそも古い法律で契約させられているわけですから、完全に抜けていますよね。新しい法律が施行されていますから法律違反です。

 

4 管理委託契約終了後、指摘されるまで保管している契約書や個人情報、鍵を返却しない

 管理委託契約を解除したら速やかに管理会社が保管している契約書や個人情報、鍵をオーナーに返却することが管理委託契約書に明記されています。3週間経過しても返却されないので、オーナーが指摘するまで、管理会社Bの誰も気づかず、放置されていました。指摘後、ようやく返却されました。しかし、返却されたのはオーナーが管理会社に提出した文書すべてではありませんでした。どこへいってしまったのでしょうか?鍵も1部屋分が不足している一方で、うちのアパートのものではない鍵が1本混じっていました。他のアパートの鍵と入れ替わってしまっているのでしょうか?不安ですので、その部屋の鍵は新しいものと交換しました。パソコン及びサーバーからのデータ消去も依頼しましたが、これは確かめようがありません。この管理会社には泣かされっぱなしです。 

 

5 文書管理(含手続き)ができないと金銭管理もできない

 そもそも基本となるアパートの管理戸数、空室戸数が誤っていて、それを社内の誰もチェック、指摘しないのですから正確な家賃管理ができるわけがありません。また、家賃保証会社の引き継ぎを怠っているわけですから、当然家賃滞納が生じます。家賃滞納が発生しても、督促をしないのですからそのまま放置され、膨れ上がります。入居者からすると請求が来ない、オーナーからすると家賃が入らない。何がどうなっているのか訳が分からないのです。オーナーが声をあげるまで、管理会社に本社、経理課という部署があっても、全く機能しておらず、これが異状であると誰も認識していないのです。呆れるばかりです。

 

 文書管理やお金の管理がきちんとできないのに、賃貸住宅の建物管理がまともにできるわけないですよね。


<チェックポイント>
①契約書や収支報告書をはじめとした管理会社から発行される文書は正確なものですか?もし、間違いが見つかり、指摘したら迅速に修正してくれますか
②管理委託契約なのにサブリース契約のような管理をされていませんか

②家賃、敷金、修理・リフォーム費用などの金銭管理が正しく処理されていますか

 

私が思うに、賃貸住宅の管理会社は、5つの管理をしなければいけないと思います

①「建物管理」②「文書管理」③「金銭管理」④「人的管理」⑤「危機管理」です。

次回は「人的管理」「危機管理」です。