うちの息子（5歳）の通う幼稚園は、毎週木曜が母親の手作りのお弁当の日である。
だから私も、5時に起きてお弁当を作らなければならない。
いつもお弁当にはウィンナーを入れる。
ウィンナーはタコやカニの細工がポピュラーであるが、息子にはウィンナーをカブトムシとクワガタの形に細工する。
頭部のツノはもちろん羽まで包丁で切れ目を入れて表現するという、包丁人（私）のこだわりが垣間見えるなかなかの一品である。
息子も気に入ってくれ、私も自分の作品に十分満足していた。
ところがそのカブトムシとクワガタ、他の人には何なのか判別不可能であるらしいのだ。
実家の母が遊びに来たとき、母はお弁当に入りきらなかったウィンナークワガタを見て
「ウサギみたいな形のウィンナーね。」
と言っていた。
「それはクワガタだよ。で、こっちがカブトムシ。」
私は母に教えてあげた。
すると母は、
「そうだったの。」
とは言ってくれたものの、、顔はまだ「？」のままだった。
頼むから納得してくれよー。
その件以来、私はあのウィンナーがカブトムシやクワガタに見えるのは我々親子だけなのでは？という不安にかられた。
母親以外の人にはまだ確認してないので、真相は今だ闇の中なのだが…。
もしかして息子のウィンナー、幼稚園の先生やお友達から
「なんのかたちだろう？」
と思われているかもしれない。
万が一、カブトムシとクワガタだとわかったとしても、いくらウィンナーとはいえ、カブトムシやクワガタをおいしそうにほおばる息子って？
まるで原住民。
……もっと良い例えはないのか。
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