私がよく行くスーパーの一角に、あるパン屋さんが出店している。
一見なんの変哲もない普通のパン屋さんであるが、私はそのパン屋さんで、あっと驚くほどヘンなパンを見つけたのである。
そのパンは、「しゅうまいロール」。
普通のパンの上にしゅうまいがのっかっており、マヨネーズのトッピングもされている。
私はそのパンを見て心から感激した。
私の尊敬する大作家、中村うさぎ先生がエッセイで、「しゅうまいパンを買って食べた」エピソードを語っていたからである。
あの中村うさぎ先生が食べたのと酷似するパンを、こうして目にすることができるとは…。
もう即買い…としたいところであるが、中村うさぎ先生、
「しゅうまいパンはまずかった。」
という感想を述べている。
中村うさぎ先生が、「しゅうまいパンはまずい。」という事実を、体を張って私に教えてくれたのに、その警告を無視して、しゅうまいロール、どうして食べることができよう?
それに、実際に中村うさぎ先生が食べたしゅうまいパンは、パンの中に見えないようにしゅうまいが入っていたらしいが、このしゅうまいロールは、パンの上にデンとしゅうまいがのっかってるだけ。
どう考えても、パンとしゅうまいの絶妙なハーモニーは期待できそうにない。
結局、私はしゅうまいロールを買わずに店を後にしたのだが、今だにちょっと気になる。
あの日以来、そのパン屋でしゅうまいロールを見かけなくなったのも気になる要因のひとつである。
もしそのしゅうまいロールを買って食べた人がいるなら、どんな味だったか教えてほしい。
多分パンとしゅうまいを同時に口に入れたときの味そのままなのであろうが…。
いる?食べた人。
実はそのパン屋、しゅうまいロールをはるかにしのぐパンを置いていたことがある。
もう思い出すだけでめまいが…。
それは、その名もズバリ「そばめしドッグ」。
誰もが1度は口にしたことがあるであろうやきそばパン、そのやきそばの部分がそばめしになっているというまさに驚愕のパンである。
このそばめしドッグ、店側としてはかなりの自信作であるらしく、1番目立つところに並べられていた。
確かにその当時、そばめしは大ブレイク中であり、そばめしを使うという着眼点はさすがと言いたいところである。
でも、パンに米である。
誰がどう考えてもミスマッチであることは明らかなのに、なぜ気付かないのか?
私はもともとやきそばパンが好きではない。
やきそばはやきそばで、パンはパンとして食べた方がうまいじゃねーか、と思ってしまうのである。
そんな私であるがゆえか、このそばめしドッグ、どんな味なのだろうと想像するだけで、なんだか気持ち悪くなってくる。
いったい誰が買うのだろうとしばらく売り場を観察していたが、誰1人としてそばめしドッグをトレーにのせる人は現れなかった。
そして、そばめしドッグ、この日1日で売り場から姿を消してしまったのである。
そんなに売れなかったのだろうか?
というより買った人、果たしているのか?
どんな味だったのだろう?そばめしドッグ。
そんなに気になるんなら、買って食えばよかったじゃねーか。
じゃあいっそ自分で作るか?
そこまでして食べようとは思わない。
そうじゃなくて、食べたくないんだってばー!
ああ、もう記憶から消え去ってくれー、そばめしドッグよー。
もうなんとかして……。
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