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今回は、ある知人が独白していたことを書き記していこうと思います。

 

 

 

 20代の後半、私は分譲マンションのモデルルームの受付をしていた。忙しいのは発売後1、2週間で、あとは閑古鳥が鳴くモデルルーム。誰も来ないモデルルームに一人で待機すること数年間、お陰ですっかり独り上手になってしまったのはよかったのだが、暇はどうしても持て余す。
 そこで秘書検定を受けようと、受付に座りながら勉強を始めた。これは結構楽しかった。一般常識なんてまるで知らなかったし、勉強の全てが新鮮に感じられた。

 検定試験に限らず、目標を決めて着々と何かに向かうのは気持ちがいい。学生時代の義務感はなく、まさに自己の意思で始めたのだという誇らしさが、後押しをしてくれる。
 そうこうしているうちに小説を書こうと意を決し、試験勉強には縁がなくなってしまったが、勉強をしている時間はかなり充実していた。

 生きている間に、無駄な時間なんてない。どんな使い方をしても、きっとその人にとっては必要があるのだと思う。1日12時間寝てしまったとしても、その人にとっては睡眠が必要だったのだ。酒に溺れて肝臓を壊し治療に時間をとられても、やはりその人には必要な時間なのだ。時間の過ごし方に、間違いなんてありえない(と、私は思っている)。

 どうせ同じ時間を過ごすなら、自分が満足して納得のできる過ごし方をしようと、自分に言い聞かせたりする。しかしあとになって振り返ると、後悔なんてひとつもない。44年間の全てが、自分にとって必要だったのだと思えるからだ。悔いのない人生を、なんてよく耳にするけど、たとえどんな過ごし方をしようと、結果的に後悔などしないと決まっている。日々の積み重ねは、全てその人の歴史なのだから。
 

 

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