いつでもどこにいても、「あーあ、なんかいいことないかな」と口ずさんでいる ヒトがいる。人生がつまらないのだそうだ。私は、44年間一度もその台詞を口にしたことがない。別に楽しい訳ではないが、忙しいから「いいこと」が転がり込んでくるのを待っている暇がない。待っているくらいなら自分がどんどん動いてしまう。

 まず、やりたいことや好きなことがないヒトは、その体質は変わらない。今まで好きなことがなかったんだから、今後何歳になっても見つかる訳がない。と思って諦めましょう。と言い切りたいところだが、

 

ある婦人は私にこう言った。「私が初めて海外に行ったのは60歳になったとき。しかも、ネパールに行ったの」目も頬も輝かせて、婦人は喋り続けた。「山登りをするのよ。それが苦しくてね、でも止められないの。だって、目標を達成したときのあの感覚が忘れられないんだもの」

 それから婦人は毎年ネパールに出かけている。毎年のように、苦しくて苦しくて自分は死んでしまうのではないか、もう日本には帰れないのではないかと思うと言う。それでも止められない。60歳になってやっと見つけたライフワーク、それがあるから日本での大変な生活にも耐えられると笑う。夫は開業医、苦労は人一倍だったことだろう。
 人生には法則はない。何歳で好きなものに出会えるかは本人の運次第だ。60歳だから遅いのではない。もしもそれが50歳なら、彼女はとても悩み苦しんだはずだ。60歳になり、家族の理解を得られてこその旅立ちだった。

 最後に彼女は、「本当に苦しくなったら、若いときに死に別れた両親が私の背中を押してくれるの。いつでも両親が守ってくれている気がするから出かけられるんだわ」と教えてくれた。親のいない人はいない。親は偉大だ。死んでなお子供を守る。
 

 

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