メガソーラー用地・系統用蓄電池・再生可能エネルギー・不動産収益情報 株式会社ESRホールディングス

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いわき市50MW級系統用蓄電所の生活環境対策

いわき市で計画している
52.5MW/170.688MWh級の系統用蓄電所。

近隣の皆様にとって、

「夜、音が気にならないの?」
「低周波音は大丈夫?」
「景観は変わらない?」
「工事車両が住宅地を通るの?」

といった点は、毎日の生活に直接関係する大切な問題です。

私たちは、こうしたご心配に対して、

「基準を守るから問題ありません」

という説明だけで終わらせるのではなく、

予測する → 対策する → 確認する → 必要に応じて追加対応する

というプロセスが重要だと考えています。


■ 蓄電所は「無音」ではありません

系統用蓄電池は、エンジンやタービンを回して発電する設備ではありません。

一方で、

「蓄電池だから音は出ない」

という説明も正確ではありません。

蓄電所には、

・PCS(電力変換設備)
・変圧器
・冷却・空調設備
・その他の電気設備

などが設置されます。

これらが音源となる可能性があります。

そのため、設備仕様が具体化した段階で、

どの設備から、どの程度の音が発生するのか

を確認することが重要です。


■ 特に夜間の生活環境を考えます

騒音は、単純に住宅との距離だけで判断できません。

音源の大きさ、設備台数、配置、住宅との距離、高低差、地形、遮蔽物、周辺の環境などによって伝わり方が変わります。

また、昼間は自動車や人の活動などさまざまな音がありますが、夜間は周囲が静かになります。

そのため、

昼間だけではなく、夜間の生活環境も考慮して確認すること

が重要だと考えています。


■ 「低周波音」はどう考える?

住民の皆様が心配されるテーマの一つが、

低周波音

です。

ここで重要なのは、

「大型蓄電池だから必ず低周波音による被害が発生する」

と決めつけないことです。

反対に、

「低周波音の心配はまったくありません」

と最初から断定することも適切ではありません。

実際の影響は、

・採用するメーカー・設備
・PCSや変圧器の仕様
・冷却設備
・設備台数
・配置
・住宅との距離
・高低差や地形
・運転状態

などによって変わります。

だからこそ、

今回実際に採用する設備と現地条件に基づいて確認する

ことが大切です。


■ インターネットの情報を見るときに大切なこと

インターネットやSNSでは、

「大型蓄電池の近くでは生活できない」

「低周波音で健康被害が起きる」

といった情報を見ることがあります。

他地域で起きた事例を参考にすること自体は重要です。

しかし、

別のメーカー・別の設備・別の立地条件で起きたことが、そのまま今回の計画でも起きるとは限りません。

設備容量、メーカー、PCS、変圧器、空調方式、住宅までの距離、地形、防音対策などが違えば条件も変わります。

一方で、

「他の施設の話だから関係ない」

として無視することも適切ではありません。

大切なのは、

事例を参考にしながら、今回の設備条件に当てはめて客観的に確認すること

だと考えています。


■ 騒音はどう確認していくの?

基本的には、次のような流れで確認していくことが重要です。

① 現在の周辺環境を確認する

設備ができる前の周辺環境について、必要に応じて状況を把握します。

② 設備の音響データを確認する

PCS、変圧器、冷却・空調設備などについて、メーカーの仕様や音響データを確認します。

③ 周辺住宅への影響を予測する

設備配置、音響データ、住宅との距離や地形などを踏まえて、周辺への影響を確認します。

④ 必要な対策を検討する

必要に応じて、

・設備配置の調整
・低騒音型設備の検討
・防音・遮音対策
・住宅側への音の伝わり方を考慮した配置

などを検討します。

⑤ 稼働後も必要に応じて確認する

計画段階の予測だけで終わらせず、具体的なご相談があった場合には、設備の運転状況などとの関係を確認することが重要です。

必要があれば測定等を行い、設備との関連が確認された場合には、合理的な追加対策を検討します。

つまり、

予測 → 対策 → 確認 → 必要に応じた追加対応

という考え方です。


■ 「不安」と「確認された事実」は分けて考えます

これは非常に大切な点です。

住民の方から、

「低周波音が心配です」

という声があることは、きちんと受け止める必要があります。

しかし、

心配があることと、今回の設備による被害が確認されたことは同じではありません。

設備がまだ完成していない段階で、

「必ず健康被害が起きる」
「夜眠れなくなる」
「住宅に住めなくなる」

と断定することはできません。

反対に事業者側も、

「絶対に聞こえません」
「影響はゼロです」

とは断定しません。

だからこそ、

推測やイメージではなく、設備仕様・現地条件・予測・測定などの客観的な情報から判断する

ことが重要なのです。


■ 景観についても確認します

大型蓄電所では、蓄電池設備だけでなく、

・PCS
・変圧器
・受変電設備
・フェンス
・その他の工作物

などが設置されます。

そのため、

「周辺からまったく見えません」

と事前に断定することはしません。

設備の高さ、住宅との位置関係、高低差、フェンス、色彩、既存樹木などを確認し、周辺環境との調和を考えていきます。

必要となる行政手続きについても、最終的な施設計画に基づいて確認します。


■ 工事車両と交通安全について

工事期間中は、

🚚 資材搬入車両
🚚 工事関係車両
🚚 重機運搬車両
🚚 設備搬入車両

などが出入りする可能性があります。

大型設備の搬入では、大型車両を使用する場合もあります。

そこで重要になるのが、

・車両台数
・搬入ルート
・搬入時間帯
・通勤、通学時間との関係
・歩行者の安全
・交差点などの安全性

です。

必要に応じて、

搬入時間の調整、車両ルートの指定、誘導員の配置などの安全対策

を検討します。


■ 工事中と完成後では交通状況が異なります

ここも誤解されやすい部分です。

工事期間中には一定数の工事車両が発生します。

しかし完成後の蓄電所は、毎日大量の商品を搬入する物流施設とは性格が異なります。

通常運用時には、点検・保守などに伴う車両が中心になると考えられます。

具体的な頻度については、今後の運用・保守体制が確定した段階で確認します。


■ 「問題ありません」ではなく「どう確認するか」

私たちが大切にしたいのは、

「問題ありません」と言い切ることではありません。

重要なのは、

予測する

↓

設計で対策する

↓

工事中の影響を管理する

↓

完成後の状態を確認する

↓

具体的な問題があれば原因を確認する

↓

必要に応じて追加対策を検討する

という流れです。


■ 現時点での基本方針と今後の確認事項

【基本方針】

・PCS、変圧器、冷却設備等を騒音源として確認する
・夜間を含む生活環境への影響を考慮する
・設備配置の段階から騒音対策を検討する
・景観への影響を確認する
・工事車両の交通安全対策を検討する
・関係する法令・行政手続きを確認する

【今後、詳細設計とともに確認すること】

・最終採用するPCS等の音響仕様
・変圧器・冷却設備等の具体的な騒音特性
・周辺住宅側への騒音予測
・必要な防音対策
・低周波音について確認が必要となる設備・条件
・具体的な設備配置、高さ、色彩
・工事車両台数
・搬入ルート、搬入時間
・完成後の点検・保守車両の頻度

まだ決まっていないことを「問題ありません」と先に結論づけることはしません。


■ 地域と長く共存する設備を目指して

52.5MW/170.688MWh級の系統用蓄電所は、長期間にわたって地域の中で運営される電力インフラです。

だからこそ、

🔊 騒音・低周波音
🌳 景観
🚚 工事車両・交通安全
🔥 防災
🌧️ 排水
🔧 維持管理

など、近隣の生活に関係する問題を一つずつ確認する必要があります。

私たちは、

「絶対に影響はありません」

とも、

「心配する必要はありません」

とも説明しません。

一方で、根拠を確認しないまま、

「必ず健康被害が起きる」
「住めなくなる」
「大型蓄電池だから低周波音被害が発生する」

と断定することも適切ではありません。

大切なのは、正確な情報と実際の設備条件に基づいて確認することです。

予測する。
対策する。
確認する。
必要なら追加対応する。

今後も、

「確認できたこと」
「検討していること」
「これから確認すること」

を分けながら、地域の皆様にできるだけ分かりやすく情報をお伝えしていきます。

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いわき市50MW級系統用蓄電所の安全対策

いわき市で計画している
52.5MW/170.688MWh級の系統用蓄電所。

近隣の皆様から特に多くいただくご心配の一つが、

「大型蓄電池で火災は起きないの?」

「熱暴走が起きた場合はどうするの?」

という問題です。

大型のリチウムイオン蓄電池を計画する以上、避けて通ることのできない重要なテーマです。

私たちは、

「絶対に火災は起きません」

「100%安全です」

とは説明しません。

国内外では、蓄電池に関連する火災事故が実際に報告されています。

だからこそ重要なのは、

事故の可能性をゼロと決めつけるのではなく、異常を起こしにくくし、早期に発見し、停止し、万一の場合にも影響を広げにくくすること

だと考えています。


■ 「熱暴走」とは?

リチウムイオン蓄電池についてニュースなどで聞くことがあるのが、

「熱暴走」

という言葉です。

簡単に説明すると、電池内部で異常が発生し、温度上昇が連鎖的に進んでしまう現象です。

一般的には、

・内部短絡
・過充電
・異常な高温
・外部からの強い衝撃
・電気的な異常
・製造上の不具合

など、さまざまな要因が考えられます。

そのため、

「火が出たら対応する」だけではなく、その前の異常をできるだけ早く見つける

ことが重要になります。


■ LFPだから「絶対に燃えない」とは説明しません

本計画では、現時点では

LFP(リン酸鉄リチウム)系蓄電池

を前提として検討しています。

LFPは定置用の大型蓄電池にも採用されている方式の一つです。

ただし、

「LFPだから火災は起きない」

「LFPなら熱暴走しない」

と説明することは適切ではありません。

安全性は電池材料だけで決まるものではないからです。

セル・モジュール・ラックだけでなく、

BMS、PCS、設備構造、温度管理、異常検知、停止・遮断、設備配置、監視、施工品質、保守管理、消防対応など、

システム全体で安全性を考える必要があります。


■ 大切なのは「多重防護」です

大型蓄電池の安全対策は、

「消火設備があるから大丈夫」

という単純なものではありません。

重要なのは、

① 異常を起こしにくくする

↓

② 異常の兆候を監視する

↓

③ できるだけ早く異常を検知する

↓

④ 必要に応じて停止・遮断する

↓

⑤ 万一の火災時に影響を広げにくくする

↓

⑥ 消防・メーカー・保守会社等が対応する

という、複数の安全対策を重ねることです。


■ BMSで蓄電池の状態を監視

大型蓄電池では、

BMS(Battery Management System)

が重要な役割を持ちます。

一般的にBMSでは、

🌡️ 温度
⚡ 電圧
🔌 電流
🔋 充電状態
🚨 各種異常

などを監視・管理します。

人間で例えれば、

蓄電池の状態を継続して確認する健康管理システム

のような役割です。

火災が発生してから対応するだけではなく、

その前段階の異常を把握し、必要な制御につなげる

ことが重要です。


■ 異常が確認されたら「止める」

異常が確認された場合、そのまま充放電を続けるのではなく、

設備を安全側へ移行させる仕組み

が必要になります。

設備仕様に応じて、

・充放電の停止
・PCSの停止
・電気的な遮断
・異常設備の切り離し
・警報の発報
・監視担当者への通知

などを組み合わせることになります。

今回の計画でも、異常時の停止・遮断機能を含めて設備仕様を確認していく方針です。


■ 24時間の監視体制

大型蓄電所は、

「夜間や休日は誰も設備の状態を確認していない」

という運用ではなく、遠隔監視を含めた監視体制が重要です。

本計画では、

24時間監視を前提とした運用を検討しています。

重要なのは監視することだけではありません。

異常が発生した場合、

「誰が確認するのか」

「メーカーや保守会社へどう連絡するのか」

「設備をどう停止するのか」

「消防への通報が必要な場合はどうするのか」

まで含めた対応体制を整える必要があります。


■ 「一つの異常を施設全体へ広げない」

52.5MW/170.688MWh級の蓄電所では、多数の蓄電池設備を配置することになります。

そこで重要になるのが、

一つの設備で異常が発生した場合に、周囲へ影響を広げにくくする

という考え方です。

そのため、

・設備間の離隔
・設備の構造
・防火・耐火性能
・配置計画
・消防活動スペース
・緊急車両の進入経路

などを総合的に検討する必要があります。

単純に、

「敷地の中へできるだけ多くの蓄電池を置けばよい」

というものではありません。


■ 消防との事前協議・情報共有

大型蓄電池の防災は、事業者だけで考えて完結する問題ではありません。

消防との連携も重要です。

例えば、

🚒 使用する蓄電池の種類
🚒 設備配置
🚒 蓄電容量
🚒 異常時の停止方法
🚒 電気設備の遮断方法
🚒 消火・冷却方法
🚒 消防車両の進入経路
🚒 消防活動スペース
🚒 緊急時の連絡体制

などについて、採用する設備の仕様を踏まえて必要な情報を整理していきます。

完成してから初めて説明するのではなく、計画・設計段階から必要な協議や情報共有を行うこと

が重要だと考えています。


■ 「水をかければ大丈夫」とも「水は使えない」とも一律には説明しません

蓄電池火災についてインターネットを見ると、

「水をかければいい」

「リチウム電池には水を使ってはいけない」

など、さまざまな情報があります。

しかし大型蓄電池では、採用する電池・設備構造・メーカーの緊急対応手順などを確認せず、

一律に説明することは適切ではありません。

最終的に採用する設備仕様やメーカーの対応手順を確認し、消防とも必要な協議を行ったうえで、

実際の設備に適した対応方法を整理する

ことが重要です。


■ 過去の蓄電池火災も隠しません

国内外で蓄電池に関連する火災事故が発生していることは事実です。

私たちは、

「別の設備の事故だから関係ありません」

として終わらせるべきではないと考えています。

重要なのは、

なぜ事故が発生したのか。

どのような設備だったのか。

今回の設備に反映すべき対策はないのか。

を確認することです。

一方で、他地域や海外で起きた事故について、

メーカー、電池方式、設備構造、容量、設置環境、消防設備、運用方法などを確認せず、

「他の蓄電池で火災が起きたから、いわき市でも同じ事故が起きる」

と単純に結びつけることも適切ではありません。

事故は隠さず、

しかし条件の違いも確認し、

今回の設備の安全対策へ何を反映するべきか

という視点で考えていきます。


■ 「決まっていること」と「これから確認すること」

住民の皆様に誤解を与えないため、現時点での基本方針と今後の確認事項を分けてお伝えします。

【現在の基本方針】

🔋 LFP系蓄電池を前提とした検討

📊 BMS等による電池状態の監視

⚡ 異常時の停止・遮断機能の確認

📡 24時間監視を前提とした運用検討

🚒 火災・異常時を考慮した設備配置

🤝 消防等との必要な協議・情報共有

【今後、設備仕様とあわせて詳細確認する事項】

・最終的なメーカー・型式
・具体的な異常検知方式
・セル、モジュール等の安全試験・認証状況
・消火・冷却方式
・設備間の具体的な離隔
・異常時の自動制御内容
・監視センターの運用方法
・メーカー・EPC・保守会社の緊急対応体制
・具体的な消防活動方法
・緊急時の地域への情報提供方法

決まっていないことまで「対策済み」と説明することはしません。

確認できた事項は、順次分かりやすくお伝えしていきます。


■ 地域にとって大切なのは「長期間きちんと管理されること」

蓄電所の地域メリットというと、

「地域にいくらお金が落ちるのか」

「雇用は増えるのか」

という話が注目されます。

もちろん、条件が合えば、造成・電気工事・警備・維持管理・除草・点検などに地域企業が参加できる可能性があります。

しかし近隣の皆様にとって、もっと直接的に重要なのは、

地域に設置される設備が長期間にわたり適切に管理されること

だと考えています。

そのため、

・24時間監視
・定期的な点検・保守
・消防との情報共有
・緊急連絡体制
・消防活動を考えた進入経路
・異常時の対応手順
・必要な地域への情報提供

などを整えていくことが重要です。


■ 「絶対安全」と言うのではなく、リスクを一つずつ減らす

私たちが目指しているのは、

「火災は絶対に起きません」と言い切ることではありません。

大型蓄電池である以上、リスクを正面から確認し、

発生させにくくする

   ↓

早く見つける

   ↓

停止・遮断する

   ↓

影響を広げにくくする

   ↓

消防・メーカー・保守会社等が対応する

という仕組みを重ねることです。


■ 最後に

いわき市で計画しているのは、

52.5MW/170.688MWh級という大型の系統用蓄電所です。

規模が大きいからこそ、安全対策について曖昧な説明をするべきではないと考えています。

「LFPだから大丈夫」

「最新設備だから安全」

「事故は起きない」

ではなく、

どのように監視するのか。

異常をどう見つけるのか。

どう停止するのか。

どう影響を広げにくくするのか。

消防とどう連携するのか。

誰が長期間管理するのか。

こうした具体的な内容を一つずつ確認していきます。

そして、

「確認済み」
「採用予定」
「検討中」

を明確に分けながら、地域の皆様へ情報をお伝えしていきます。

大型の電力インフラだからこそ、

安全・防災 × 監視 × 保守管理 × 消防との連携 × 地域との情報共有

を重ねる。

いわき市で長く地域と共存できる蓄電所を目指すうえで、これが非常に重要だと考えています。

いわき市50MW級系統用蓄電所をわかりやすく解説

いわき市で計画している
52.5MW/170.688MWh級の系統用蓄電所。

「なぜ今、これほど大きな蓄電池が必要なの?」

そんな疑問を持たれる方もいらっしゃると思います。

その理由を理解するうえで重要なのが、太陽光・風力などの再生可能エネルギーと、電力の需給バランスです。

今回は専門用語をできるだけ使わず、分かりやすくご説明します。


■ 太陽光や風力は発電量が変化します

太陽光発電の場合、

☀️ 晴れた昼間
→ 発電量が増える

☁️ 曇りや雨
→ 発電量が変化する

🌙 夜
→ 発電できない

という特徴があります。

風力発電も、風の強さなどによって発電量が変化します。

これは「再生可能エネルギーが悪い」ということではありません。

大切なのは、それぞれの電源の特徴に合わせて電力システム全体を運用することです。


■ 電気は「つくれば終わり」ではありません

電力システムでは、

「つくる電気」と「使う電気」のバランス

を保つことが重要です。

ところが、私たちが使う電気の量も一定ではありません。

朝・昼・夕方・夜。

季節や気温。

工場や商業施設の稼働状況。

さまざまな要因で変化します。

つまり、

発電する側も変化する。
使う側も変化する。

この両方を調整しながら、電力システムは運用されています。


■ 太陽光を増やすだけでは十分ではありません

晴れた日の昼間に、太陽光発電から多くの電気がつくられたとします。

しかし、その時間帯に使われる電気より供給が多くなった場合、発電できる電気を無制限に電力系統へ流せるわけではありません。

電力系統には、

・需要と供給のバランス
・送電線の容量
・変電設備の状況
・発電設備の状況
・系統運用上の制約

などがあります。

そのため、必要に応じて発電量を抑える**「出力制御」**が行われる場合があります。


■ そこで「電気を貯める」という考え方

ここで重要になる設備の一つが蓄電池です。

イメージとしては、

☀️ 電気が多い時間
  ↓
🔋 充電する
  ↓
🕒 電気を貯める
  ↓
🌆 電気が必要となる時間
  ↓
⚡ 放電する

という使い方です。

つまり蓄電池には、

「電気を時間的に移動させる」

という大切な役割があります。


■ 蓄電池があれば出力制御がなくなる?

ここは誤解のないようにしたいところです。

蓄電池を設置すれば、出力制御がすべてなくなるわけではありません。

送電線や変電所など、電力系統にはさまざまな条件があるからです。

蓄電池は電力システムの課題をすべて解決する「万能設備」ではありません。

しかし、

再生可能エネルギーをより有効に活用しながら、電力の需給を調整するための重要な選択肢の一つ

と考えられています。


■ いわき市で計画している系統用蓄電所

今回、いわき市で計画しているのは、

52.5MW/170.688MWh級の系統用蓄電所です。

基本的には電力系統につながり、

🔋 充電する
⚡ 放電する
⚖️ 条件に応じて需給調整などに活用する

ことを目的とした設備です。

ただし、

「福島県で余った太陽光の電気を全部ここへ貯める」

という設備ではありません。

また、

「この蓄電所ができれば出力制御がなくなる」

というものでもありません。

実際の運用は、系統連系条件や設備仕様、市場での運用、電力系統の状況などによって決まります。


■ 地域にとってどんな意味があるの?

地域の皆様にとって重要なのは、

「必要性は分かったけれど、いわき市にはどんな意味があるの?」

という部分だと思います。

再生可能エネルギーが増えていく社会では、

「電気をつくる設備」だけではなく、

「電気を貯める・調整する設備」

も必要になります。

系統用蓄電池は、これからの電力システムを構成するインフラの一つです。

いわき市にこうした設備が整備されることは、広い意味で、これからの電力インフラの一部を地域が担うことにつながります。


■ 地域企業が関われる可能性も

大型蓄電所では、

・造成・土木工事
・電気工事
・警備
・維持管理
・除草
・点検

など、さまざまな業務が必要になります。

条件が合えば、地域企業が工事や維持管理などに参画できる可能性もあります。

ただし、

「必ず○人雇用します」

「地域に○億円の経済効果があります」

など、まだ決まっていないことを先に約束するのではなく、

実際に地域へ還元できることを一つずつ具体化していくことが大切

だと考えています。


■ 「電気料金が安くなる」「停電しなくなる」とは説明しません

地域メリットについて、必要以上に大きく説明することも適切ではないと考えています。

今回の蓄電所が完成したからといって、

いわき市民の電気料金が直接安くなる

と決まっているわけではありません。

また、

周辺地域が停電しなくなる

という設備でもありません。

できることと、できないことを分けてお伝えすることが重要です。


■ 社会的に必要な設備でも、安全・地域への配慮は別問題です

系統用蓄電池に社会的な役割があるからといって、

「必要な設備だから理解してください」

だけで進めることは適切ではありません。

大型設備だからこそ、

🔥 火災・防災
🔊 騒音・低周波音
🌧️ 雨水排水
⛰️ 地盤・造成
🚚 工事車両・交通安全
🔐 サイバーセキュリティ
🔧 維持管理

などについて、一つずつ確認していく必要があります。


■ 「つくる」だけから「貯める・調整する」時代へ

これからの電力システムは、

☀️ つくる

  ↓

⚡ 送る

  ↓

🔋 貯める

  ↓

⚖️ 調整する

  ↓

🏠🏭 使う

という全体の仕組みで考える必要があります。

系統用蓄電池は、その中で**「貯める・調整する」役割を担う設備の一つ**です。


■ 最後に

いわき市で計画している52.5MW/170.688MWh級の系統用蓄電所について、

私たちは、

電力インフラとしての役割

だけではなく、

安全・防災

周辺環境への配慮

地域との共生

を同時に考えていくことが重要だと考えています。

「必要な設備だから安心してください」ではなく、

なぜ必要なのか。

何ができるのか。

何ができないのか。

地域にどのような影響が考えられるのか。

これからも、確認できた事実と今後確認する事項を分けながら、できるだけ分かりやすく情報をお伝えしていきます。

#いわき市 #福島県 #系統用蓄電池 #蓄電池 #大型蓄電池 #再生可能エネルギー #太陽光発電 #風力発電 #出力制御 #電力インフラ #電力安定供給 #地域共生 #地域安全 #防災 #エネルギー #脱炭素

いわき市で計画している52.5MW/170.688MWh級の系統用蓄電所。

これだけ大きな蓄電池と聞くと、

「災害時には地域の非常用電源になるの?」

「この蓄電所があれば停電しなくなるの?」

「170MWh以上の電気を周辺住宅へ送れるの?」

と疑問を持たれる方もいらっしゃると思います。

今回は、系統用蓄電池と停電・災害対策の関係について、**「できること」「現時点で約束していないこと」「今後確認すること」**を分けてご説明します。


■ 最初にお伝えしたいこと

今回計画している設備は、基本的に**電力系統につながって充電・放電を行う「系統用蓄電池」**です。

そのため、

「この蓄電所ができれば周辺地域が停電しなくなる」

という意味ではありません。

また、170.688MWh級の蓄電容量があるからといって、その電気を停電時にそのまま周辺住宅へ直接供給できるわけでもありません。

住宅や避難所などへ直接電力を供給するには、配電設備、系統構成、制御・保護設備、運用方法など、別の条件が必要になります。

できないことまで「できます」と説明しない。

これは地域の皆様へ計画を説明するうえで大切なことだと考えています。


■ では、系統用蓄電池は何をする設備?

基本的な仕組みはシンプルです。

🔋 電気を充電する

  ↓

🔋 電気を貯める

  ↓

⚡ 必要なタイミングで放電する

電力システムでは、電気を「つくる量」と「使う量」のバランスを維持する必要があります。

しかし、私たちが使う電気の量は常に変化します。

太陽光や風力などの再生可能エネルギーも、天候や時間帯によって発電量が変化します。

系統用蓄電池は、こうした電力システムの中で**「貯める・放電する」という機能を提供する設備**です。


■ 蓄電池には「比較的速く動ける」という特徴があります

大型蓄電池の価値は、たくさんの電気を貯められることだけではありません。

もう一つの特徴が、

比較的速く充電・放電を制御できること

です。

電力の需要と供給のバランスが変化した場合、一定の要件を満たした蓄電池は、その特性を生かして電力需給の調整などに活用されることがあります。

つまり系統用蓄電池は、

「電気の巨大な倉庫」だけではなく、電力システムを調整する機能を持つ設備

と考えると分かりやすいかもしれません。


■ 再生可能エネルギーとの関係

太陽光発電は、晴れた昼間には多く発電できますが、夜には発電しません。

風力発電も、風の状況によって発電量が変化します。

そのため、再生可能エネルギーの導入が進むほど、

「電気をつくる設備」だけではなく「電気を貯めたり放電したりできる設備」

も重要になります。

系統用蓄電池は、そのための選択肢の一つです。


■ 「停電への備え」と「地域への直接給電」は分けて考えます

ここは特に重要です。

系統用蓄電池として一般的に期待される役割には、

・電気の充電・放電
・電力需給の調整
・再生可能エネルギーの変動への対応
・電力系統の安定的・効率的な運用への貢献

などがあります。

一方、

🏠 停電した住宅へ直接電気を送る

🏫 避難所へ非常用電力を供給する

🏥 医療施設へ直接給電する

⚡ 大規模停電から地域の電力系統を復旧させる

といった機能は、大型蓄電池があるだけで自動的に実現するものではありません。

そのため、本計画についても、

「蓄電所ができれば地域は停電しません」

とは説明していません。


■ 「ブラックスタート」も自動的にできるわけではありません

大型蓄電池について調べると「ブラックスタート」という言葉が出てくることがあります。

これは、大規模停電などによって停止した電力系統を復旧していく際に関係する機能です。

しかし、

蓄電池であれば、どの設備でもブラックスタートができるわけではありません。

PCSや制御システムの仕様、系統側設備、運用方法など、さまざまな条件があります。

そのため現時点で、

「今回の蓄電所から、停電したいわき市の電力系統を立ち上げられる」

という説明はしていません。


■ 災害時には「蓄電所そのものの安全」も重要

防災を考えるうえでは、

「蓄電池が災害時に何をしてくれるか」

だけでなく、

「災害が起きた時、蓄電所そのものをどう安全に管理するか」

も重要です。

例えば、

🌧️ 豪雨・雨水排水

⛰️ 地盤・造成

🔥 火災・異常発熱

🧯 消防対応

📡 監視・通信

🔌 緊急停止

🚒 緊急車両の進入

🔧 災害後の点検・復旧

などについて、設備仕様や現地条件に応じて確認していく必要があります。

「蓄電池は防災に役立つから安全」なのではありません。

大型設備だからこそ、設備そのものの防災対策を具体的に確認していくことが重要です。


■ 今回の計画で「できること・できないこと」を整理

【系統用蓄電池として想定していること】

✅ 電力系統につながって充電・放電する

✅ 電気を貯め、必要となるタイミングで放電する

✅ 条件を満たす場合、電力需給の調整などに活用する

✅ 電力システムの安定的・効率的な運用に貢献する

【現時点で約束していないこと】

△ 周辺住宅への直接的な非常用電力供給

△ 「この蓄電所があるから地域は停電しない」という保証

△ 本設備単独での大規模停電からの系統復旧

【今後確認・検討していくこと】

🔎 設備の詳細な制御機能

🔎 災害時の監視・運用体制

🔎 消防・行政との連携

🔎 地域防災について協力できる具体的な事項

決まっていないことを先に約束するのではなく、実現可能性を確認してからお伝えすることが重要だと考えています。


■ 地域にとってどのようなメリットがあるの?

系統用蓄電所は、周辺住宅専用の非常用電源ではありません。

だからといって、

「地域とは関係のない設備」

というわけでもないと考えています。

いわき市で長期間運営される電力インフラである以上、

・電力システムの安定的な運用への貢献
・再生可能エネルギーを活用しやすい電力システムへの貢献
・行政、消防等との防災・安全面での連携
・条件が合う場合の地域企業による建設・維持管理等への参画
・事業実施に伴い制度上発生する税等

など、地域との関係を考えながら事業を進めることが重要です。

ただし、

「必ず大勢の雇用が生まれる」

「災害時には必ず地域へ電力を供給できる」

といった、確定していないメリットを先に約束することはいたしません。

実際にできる地域貢献を一つずつ具体化する。

それが長期的な地域共生につながると考えています。


■ 電力インフラの強さは、一つの設備だけではつくれません

災害に強い電力システムは、

発電所、送電線、変電所、配電設備、蓄電池、通信・制御設備、そして復旧に携わる人たちなど、

さまざまな設備と仕組みの組み合わせ

によって支えられています。

52.5MW/170.688MWh級の蓄電所一つで、いわき市全体の停電問題を解決できるわけではありません。

しかし、

電気を貯め、必要なタイミングで充放電できる大型設備を電力システムの中に持つことには意味があります。


■ 「安心してください」だけで終わらせない

私たちが大切にしたいのは、

「大型蓄電池だから安心してください」

という説明ではありません。

何ができるのか。

何ができないのか。

災害時にはどのようなリスクがあるのか。

そのリスクにどう備えるのか。

これを一つずつ分かりやすくお伝えすることです。

確認できたことは、確認できたこととして。

確認中のことは、確認中として。

まだ決まっていないことは、決定事項のように説明しない。

いわき市で長期間運営される電力インフラだからこそ、

電力システムへの貢献 × 災害への備え × 設備の安全性 × 地域との共生

を大切にしながら、必要な確認と情報発信を続けていきたいと考えています。


■いわき市平上荒川後沢系統用蓄電所計画への問合せ先
本事業に関するご質問、ご意見、ご懸念等がございましたら、下記窓口までお寄せください。お電話でもお問い合わせを受け付けております。なお、安全対策、設備仕様、工事計画、工程、数値、行政・消防・電力会社との協議状況など、確認を要する事項については、正確な回答を行うため、その場での回答ではなく、内容を確認したうえで後日回答させていただく場合があります。また、重要なご質問や詳細な回答をご希望の場合は、可能な範囲でFAX、E-mail又は書面でお問い合わせいただけますと、内容を確認のうえ回答いたします。今後も、本事業について確認できた内容を可能な範囲で分かりやすくお伝えしてまいります。

株式会社ESRホールディングス所在地:〒153-0051 東京都目黒区上目黒1-23-1 中目黒アリーナ405TEL:フリーダイヤル:0120-596-121 / 03-6451-2248FAX:03-6451-2249
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いわき市で計画している50MW級の系統用蓄電所。

計画規模は、

52.5MW/170.688MWh級

です。

数字だけを見ると、

「50MWってどのくらい?」

「170MWhって何?」

「そんな大きな蓄電池で何をするの?」

「住宅地の近くに大きな設備ができて大丈夫?」

と疑問や不安を感じる方もいらっしゃると思います。

そこで今回は、52.5MW/170.688MWhとはどのくらいの設備なのか、そして何のために使われるのかを、できるだけ専門用語を使わずにご説明します。


■ 「MW」と「MWh」は意味が違います

まず、よく出てくる「MW」と「MWh」。

似ていますが、意味は違います。

MW(メガワット)

簡単に言えば、

ある瞬間にどのくらいの大きさの電力を扱えるか

を表します。

水に例えるなら、

「蛇口から一度にどのくらいの勢いで水を出せるか」

というイメージです。

MWh(メガワットアワー)

こちらは、

どのくらいの電力量を蓄えられるか

を表します。

水でいえば、

「タンクにどのくらいの水を貯められるか」

というイメージです。

つまり、

MW=出入口の大きさ

MWh=タンクの大きさ

と考えると分かりやすくなります。


■ 今回は52.5MW/170.688MWh級

今回いわき市で計画している系統用蓄電所は、

出力規模:52.5MW級

蓄電容量:170.688MWh級

を想定しています。

170.688MWhを52.5MWで単純に割ると、

約3.25時間

となります。

ただし、これは設備規模を理解するための単純計算です。

実際に「52.5MWで必ず3.25時間放電する」という意味ではありません。

実際の充放電は、

・PCSなどの設備仕様
・充電時、放電時の出力
・電池の使用範囲
・変換時の損失
・電力系統との接続条件
・電力市場での運用方法

などによって変わります。

数字だけを切り取らず、実際の設備仕様や運用条件まで含めて考えることが重要です。


■ そもそも、何のために電気を貯めるの?

系統用蓄電池の大きな特徴は、

電気を「時間をずらして」利用できること

です。

例えば、電力の状況や市場からの指令等に応じて、

☀️ 電気が多い時間

  ↓

🔋 充電する

  ↓

🌆 電気が必要とされる時間

  ↓

⚡ 放電する

という使い方ができます。

ただし、

「いわき市で余った電気を全部ここへ貯める」

という単純な仕組みではありません。

実際には電力系統や電力市場のルール、設備条件などに基づいて運用されます。


■ 大きな「電気の貯金箱」

もっと身近なものに例えるなら、スマートフォンのモバイルバッテリーに似た部分があります。

モバイルバッテリーも、

充電する → 貯める → 必要な時に使う

という仕組みです。

系統用蓄電池も基本的な考え方は同じですが、目的は大きく異なります。

家庭やスマートフォンではなく、

電力系統につながって充放電する、大規模な電力設備

です。

そのため、「大きな電気の貯金箱」と考えると役割をイメージしやすいかもしれません。


■ 太陽光や風力が増えるとなぜ蓄電池が必要?

日本では太陽光や風力など、再生可能エネルギーの導入が進んでいます。

一方で、

☀️ 太陽光は天候や時間帯によって発電量が変わる

🌬️ 風力は風の状況によって発電量が変わる

という特徴があります。

電力システムでは、電気を「つくる量」と「使う量」のバランスを保つ必要があります。

そこで、

電気をつくる設備だけではなく、貯めたり放電したりできる設備

の重要性も高まっています。

系統用蓄電池は、その役割を担う設備の一つです。


■ 蓄電池は「電気を貯める」だけではありません

もう一つ重要なのが、

比較的速く充電・放電を切り替えられる

という蓄電池の特徴です。

電気の需要も発電量も常に変化しています。

その変化に対応し、電力の需要と供給のバランスを維持するためには「調整力」が必要になります。

一定の要件を満たした系統用蓄電池は、その特性を生かして、こうした電力需給の調整に活用されることがあります。

つまり、

「大量の電気をずっと保管しておく設備」だけではない

ということです。


■ 「50MWだから危険」なのでしょうか?

52.5MWという数字だけを見ると、

「こんな大きな設備が近くにできて大丈夫なの?」

と思われる方もいらっしゃると思います。

しかし、

設備の規模だけで、安全・危険を判断することはできません。

重要なのは、

🔥 どのような電池を使用するのか

🧯 火災や異常にどう備えるのか

📡 どのように監視するのか

🔊 騒音にどう対応するのか

🌧️ 雨水排水をどう設計するのか

⛰️ 地盤・造成をどう確認するのか

🚚 工事中の交通安全をどう確保するのか

🔐 サイバーセキュリティをどう確保するのか

🔧 誰が長期間保守するのか

といった具体的な内容です。


■ 反対に「最新設備だから絶対安全」とも説明しません

ここも大切なところです。

私たちは、

「最新設備だから絶対に事故は起きません」

「大型設備だから十分な対策がされているので心配ありません」

という説明は適切ではないと考えています。

重要なのは、

考えられるリスクを確認し、それに対して必要な設計・設備・運用・保守対策を積み重ねること

です。

そして、

「確認できたこと」

「現在確認していること」

「まだ決まっていないこと」

を分けて地域の皆様へお伝えしていくことが重要だと考えています。


■ 「170MWhあれば災害時に地域へ電気を送れる?」

このように思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、

系統用蓄電池と、地域の住宅へ直接給電する非常用電源は同じものではありません。

周辺住宅へ直接電気を供給するためには、配電設備や運用方法、契約・制度など別の条件が関係します。

そのため本計画について、

「蓄電所ができれば、停電時に平成ニュータウンなど周辺住宅へ直接電気を供給できます」

とは説明していません。

できることと、できないことを正確にお伝えすることも大切だと考えています。


■ では、地域にとってどんな意味があるの?

系統用蓄電所の第一の役割は、

電力系統の中で充放電機能を提供すること

です。

地域の家庭へ直接電気を配る設備ではありません。

一方で、日本の電力システムを支える設備を地域で長期間運営する以上、

地域との共生も重要なテーマ

だと考えています。

建設、造成、電気工事、維持管理などについて、条件が合えば地域企業が関わる機会が生まれる可能性があります。

また、事業の実施に伴って制度上発生する税等もあります。

ただし、

「必ず大勢の雇用が生まれる」

「必ず地域経済に○億円の効果がある」

など、まだ確定していない経済効果をお約束することはいたしません。

実際に地域へ還元できることを具体化し、実行すること。

それが重要だと考えています。


■ 数字だけでなく「何をする設備なのか」を知っていただきたい

最後に簡単に整理します。

52.5MWとは?

➡️ 設備が扱う電力の大きさを示す数字

170.688MWhとは?

➡️ 蓄えることができる電力量の規模を示す数字

何をする設備?

➡️ 電力系統につながり、充電・放電する設備

何のため?

➡️ 電力需給の調整や再生可能エネルギーの活用など、電力システムの安定的・効率的な運用に役立てるため

50MWなら危険?

➡️ 規模だけでは判断できません。設備仕様、配置、消防、防災、造成、騒音、監視、保守などを具体的に確認する必要があります。


■ 「大きくて怖い設備」から「役割の分かる設備」へ

知らない設備が近くに計画されれば、不安を感じる方がいらっしゃるのは自然なことだと思います。

だからこそ、

「安全ですから安心してください」と言うだけではなく、設備の仕組みや数字を分かりやすく説明すること

が重要だと考えています。

確認できたことは、確認できたこととして。

確認中のことは、確認中として。

まだ決まっていないことは、決定事項のように説明しない。

そして、地域の皆様からいただいた合理的なご質問については、事実や資料を確認しながら回答する。

いわき市で長期間にわたる電力インフラ事業を計画する以上、この姿勢を大切にしていきます。

電気を「つくる」だけでなく、「貯めて、必要な時に使う」。

系統用蓄電池の役割を知っていただくことが、地域の皆様に本計画について考えていただく第一歩になればと思います。

今後も、火災・防災・騒音・造成・排水・交通・サイバーセキュリティなどについて、分かりやすく情報をお伝えしていきます。

いわき市で計画している50MW級の系統用蓄電所について、

「なぜ、いわき市なの?」

「なぜ、この場所なの?」

「住宅地に近い場所でなくてもいいのでは?」

「土地さえ確保すれば、事業者が自由に建設できるの?」

こうした疑問やご心配を持たれる方もいらっしゃると思います。

今回は、なぜこの場所で50MW級の系統用蓄電所を計画しているのかについて、できるだけ分かりやすくご説明します。


■ 大型蓄電所は「土地があれば造れる」設備ではありません

まず知っていただきたいのは、

50MW級の系統用蓄電所は、広い土地が見つかったからといって、どこにでも計画できる設備ではない

ということです。

系統用蓄電池は、その名前のとおり、電力会社の送配電ネットワークである「電力系統」につないで運用します。

そのため、事業化を検討するには、

・電力系統への接続条件
・必要な土地の確保
・設備を配置できる面積や形状
・大型機器の搬入や工事条件
・地盤や造成条件
・雨水排水
・消防、防災
・騒音など周辺環境への配慮
・行政上必要となる手続き
・長期間の維持管理

など、さまざまな条件を確認する必要があります。

「空いている土地だから、ここに蓄電池を置こう」

というだけで成立する事業ではありません。


■ 特に重要なのが「電力系統への接続」

50MW級の蓄電所は、家庭用蓄電池とは規模も接続方法も大きく異なります。

本計画では、特別高圧で電力系統へ接続することを前提として、東北電力ネットワークとの系統連系に関する手続きを進めています。

ここで重要なのは、

近くに送電線や電柱があるから、自由につなげられるわけではない

ということです。

大型の電力設備を系統へ接続する場合には、電力会社による技術的な検討や所定の手続きが必要になります。

接続する設備の規模や特性、必要となる系統対策、工事内容、工期、工事費負担金など、さまざまな条件が関係します。

つまり、

事業者だけで「ここにつなぎます」と決めて進められるものではありません。


■ 今回の計画は50MW級・170MWh級

いわき市で進めている本計画では、

出力52.5MW級、蓄電容量170MWh級

の系統用蓄電所を想定しています。

非常に大きな数字なので、

「そんな大きな設備を住宅地の近くに造って大丈夫なの?」

と思われる方もいらっしゃると思います。

その疑問を持たれること自体は自然なことです。

一方で、

「大きいから危険」

とも、

「電力会社との手続きが進んでいるから安全」

とも、単純に判断できるものではありません。

重要なのは、実際の設備仕様、配置、地盤、造成、排水、消防、防災、騒音などについて、それぞれ必要な確認を行うことです。


■ なぜ、この場所なのか?

今回の計画地は、いわき市平上荒川後沢周辺です。

この場所で事業化を検討している理由は、一つだけではありません。

大型の系統用蓄電所として、

電力系統への接続条件

だけでなく、

必要な土地を確保できるか

設備を配置できるか

工事や維持管理が可能か

など、複数の条件を総合的に確認しながら検討してきた場所です。

したがって、

「住宅地の近くに造りたかったから、この場所を選んだ」というものではありません。

一方で、近隣に住宅地があることについては、当然ながら配慮すべき重要な事項だと考えています。


■ 住宅地が近いことを軽視しているわけではありません

周辺にお住まいの皆様にとって重要なのは、電力制度の難しい話より、

「火災は大丈夫?」

「音は聞こえない?」

「大雨の時は?」

「工事車両が増えない?」

「事故が起きたらどうするの?」

といった、日常生活に直接関係することだと思います。

だからこそ、本計画では、

🔥 火災・熱暴走への対策

🔊 騒音・低周波音

🌧️ 雨水排水

⛰️ 地盤・造成

🚚 工事車両・交通安全

🏘️ 景観・周辺環境

🔐 サイバーセキュリティ

🧯 消防・防災

🔧 維持管理

などについて、必要な確認を進めていくことが重要だと考えています。


■ 「行政と話をしている=すべて安全が確認された」ではありません

ここについても、誤解のないようにお伝えしておきたいと思います。

大型の設備を計画する場合、電力会社、行政、消防など、それぞれの関係機関との確認や手続きが必要になる場合があります。

しかし、一つの行政部署への相談や一つの手続きが終わったことだけで、

「行政が事業全体の安全性を保証した」

という意味にはなりません。

電力系統は電力会社。

消防・防災は消防関係機関。

土地利用や開発等は、その内容に応じた行政上の確認。

設備についてはメーカーや設計・施工会社。

地盤、造成、排水、騒音などについては必要に応じて専門的な調査・設計。

それぞれの確認を積み重ねながら、計画を具体化していくことが重要です。


■ 「もう全部決まっている」の?

本計画は、事業化に向けた具体的な手続きを進めています。

一方で、今後の設計や協議等によって具体化していく事項もあります。

そのため私たちは、

決まっていないことを「決定済み」として説明しない

ことを大切にしています。

反対に、確認できたことについては、できる限り分かりやすくお伝えしていきたいと考えています。


■ インターネット上の情報についても注意が必要です

最近では、系統用蓄電池についてSNSやインターネット上でもさまざまな情報を見ることができます。

他地域で発生した事故や海外での事例などをご覧になり、不安を感じる方もいらっしゃると思います。

こうした情報を確認すること自体は大切です。

ただし、

他地域の蓄電所や、異なるメーカー・設備で発生した事例が、そのまま本計画に当てはまるとは限りません。

電池の種類、メーカー、設備方式、設置方法、規模、配置、地形、消防対策、運用方法など、それぞれ条件が異なるためです。

だからこそ、本計画については、

本計画について確認された事実を基に考えること

が重要だと考えています。


■ 不安を否定するのではなく「事実を確認する」

地域の皆様から、

「火災が心配」

「騒音が心配」

「災害が心配」

という声があれば、その不安を否定する必要はないと考えています。

一方で、

「不安を感じること」と「実際に危険であることが確認されていること」は同じではありません。

だからこそ、

何が心配なのか。

実際の設備はどうなっているのか。

どのような基準があるのか。

どのような対策が必要なのか。

一つずつ事実を確認していくことが大切です。


■ 私たちは「絶対に安全です」とは説明しません

大型の電力設備について、

「絶対に事故は起きません」

「100%安全です」

と断定することは適切ではないと考えています。

大切なのは、

どのようなリスクが考えられ、それに対してどのような調査・設計・対策・維持管理を行うのか

を確認することです。

私たちは、

「安心してください」

という言葉だけではなく、

「何を確認したのか」

を具体的にお伝えすることを大切にしたいと考えています。


■ 「なぜ、この場所なのか?」への回答

改めてまとめます。

いわき市で50MW級の系統用蓄電所を計画している理由は、

単に「土地が空いていたから」ではありません。

大型の系統用蓄電所として、

⚡ 電力系統への接続条件
🏗️ 土地・設備配置
🚚 工事・維持管理条件
⛰️ 地盤・造成
🌧️ 排水
🔥 消防・防災
🔊 周辺環境への配慮

など、複数の条件を確認しながら事業化を検討してきた場所です。

そして、本計画では東北電力ネットワークとの系統連系に関する手続きも進めています。

ただし、

系統連系の手続きが進んでいる=事業に関するすべての確認が終了した

という意味ではありません。

これから確認・具体化していく事項については、引き続き必要な調査・設計・協議を進めていきます。


■ この地域で計画するからこそ

系統用蓄電池は、再生可能エネルギーの導入拡大や電力の需給バランスを支える設備として、重要性が高まっています。

しかし、

社会的に意味のある設備だから、地域への配慮が必要ないということではありません。

私たちは、

確認済みのことは、確認済みとして。

確認中のことは、確認中として。

決まっていないことは、決まっていないこととして。

できる限り正確にお伝えしていきたいと考えています。

地域の皆様に一方的に「理解してください」とお願いするのではなく、

まず、この事業が何のための設備なのか、なぜこの場所で計画しているのかを知っていただくこと。

そこから始めることが大切だと考えています。

今後も、火災、防災、騒音、造成、排水、交通、サイバーセキュリティなどについて、確認できた情報を一つずつ分かりやすくお伝えしていきます。

― 電気を「つくる」だけでなく、「貯めて、必要な時に使う」時代へ ―

私たちが毎日当たり前のように使っている電気。

照明、エアコン、冷蔵庫、工場、病院、鉄道、通信設備、そして近年急速に増えているデータセンターまで、私たちの暮らしや産業は電気によって支えられています。

では、その電気は、

「使う量」と「つくる量」のバランスを取り続ける必要がある

ことをご存じでしょうか。

そして今、日本では太陽光発電や風力発電などの導入が進み、電力システムも大きく変化しています。

そこで重要性が高まっている設備の一つが、

「系統用蓄電池」

です。

いわき市で計画している50MW級系統用蓄電所について、

「そもそも、なぜこんな設備が必要なの?」

という疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。

今回は、できるだけ専門用語を使わずにご説明します。


まず知っていただきたい「電気の特徴」

電気には、少し難しい特徴があります。

電力システムでは基本的に、

「電気をつくる量」と「電気を使う量」を、その時々でバランスさせる必要があります。

ところが、電気を使う量は一日中同じではありません。

朝、昼、夜で変わります。

季節によっても変わります。

猛暑の日にはエアコンの使用が増え、電力需要が大きくなることもあります。

つまり電力システムでは、常に変化する需要に合わせながら、供給とのバランスを調整しています。


太陽光や風力には大きなメリットがあります

日本では、太陽光や風力などの再生可能エネルギーの導入が進んでいます。

燃料を燃やさずに発電できる再生可能エネルギーは、脱炭素化を進めていくうえで重要な電源です。

一方で、一つ特徴があります。

天候や時間帯によって発電量が変化することです。

太陽光なら、

☀️ 晴れた昼間 → 多く発電する
☁️ 曇り・雨 → 発電量が低下する
🌙 夜 → 発電しない

風力も、風の状況によって発電量が変化します。

これは太陽光や風力が「悪い」という意味ではありません。

それぞれの電源の特徴に合わせて、電力システム全体を調整する仕組みが必要になるということです。


電気が余る時間がある?

少し意外かもしれませんが、

電気は「足りない」ことだけが問題なのではありません。

発電量が需要を上回る場合には、電力の需給バランスを維持するため、発電量を抑える「出力制御」が必要になることがあります。

そこで考え方はシンプルです。

電気が多い時間に「貯める」

そして、

必要とされる時間に「放電する」

その役割を担う設備の一つが、

系統用蓄電池です。


系統用蓄電池は「電気の大きな貯金箱」

難しく考える必要はありません。

系統用蓄電池を分かりやすく表現すると、

電力系統につながった、大きな電気の貯金箱

のようなものです。

電力の状況や市場からの指令などに応じて充電・放電を行います。

例えば、

電気が多い時間
 ↓
🔋 充電する

必要性が高まる時間
 ↓
⚡ 放電する

という使い方ができます。

もちろん、実際の運用は電力市場や系統運用のルールなどに基づいて行われるため、単純に「余った電気を全部貯める」というものではありません。

しかし、

電気を時間をずらして利用できる

という蓄電池の特徴は、これからの電力システムにとって大きな意味を持ちます。


国も系統用蓄電池の重要性を示しています

これは、特定の蓄電池事業者だけが主張している話ではありません。

資源エネルギー庁は、再生可能エネルギーの導入拡大や電力の安定供給に向けて、発電量の変動に応じて柔軟に充放電できる蓄電池の重要性が高まっているとしています。

また、太陽光や風力は天候や時間帯によって発電量が変動するため、その導入拡大にあたって系統用蓄電池が重要であることも国の審議会資料で示されています。

実際に国は、制度整備や長期脱炭素電源オークションなどを通じて、蓄電池を電力システムの中で活用する環境整備を進めています。

つまり系統用蓄電池は、

これからの日本の電力システムを支える選択肢の一つとして、国レベルでも導入・活用が進められている設備

なのです。


系統用蓄電池には、もう一つ大切な仕事があります

系統用蓄電池の役割は、

「電気を貯めること」

だけではありません。

蓄電池は比較的素早く充電・放電を切り替えられるという特徴があります。

そのため、電力の需要と供給の変化に対応する**「調整力」**として活用することも期待されています。

例えば、発電量や需要が予想から変化した場合。

その変化に応じて充放電することで、電力系統全体のバランスを調整する役割を担うことができます。

資源エネルギー庁も、系統用蓄電池について、こうした調整力の提供などを通じて再生可能エネルギーの活用に資する設備として位置付けています。


「蓄電池を建てれば、すべて解決」ではありません

ここは、私たちが特に正確にお伝えしたいところです。

系統用蓄電池を増やせば、日本の電力問題がすべて解決するわけではありません。

発電所。

送電線。

変電所。

蓄電池。

需要側の調整。

電力市場。

さまざまな設備や仕組みを組み合わせて、日本の電力システムは成り立っています。

系統用蓄電池は、その中の重要な選択肢の一つです。

だからこそ、

「蓄電池だから何でも良い」

「たくさん造れば良い」

とも考えていません。


大切なのは「必要性」と「地域への配慮」を両立させること

社会的に意味のある設備であっても、

地域の皆様の生活への配慮を軽視してよい理由にはなりません。

大型の蓄電所を計画する以上、

🔥 火災・熱暴走への対策
🔊 騒音・低周波音
🌧️ 雨水排水・造成
🚚 工事車両・交通安全
🏘️ 景観や周辺環境
🔐 サイバーセキュリティ
🧯 消防・防災対策
🔧 長期的な維持管理

など、一つずつ確認していく必要があります。

私たちは、

「日本に必要な設備だから理解してください」

という一方的な進め方が適切だとは考えていません。

一方で、

「大型設備だから何となく怖い」

というだけで判断するのでもなく、

何のための設備なのか。

どのようなリスクがあるのか。

そのリスクに対して何を確認し、どのような対策を講じるのか。

これらを具体的に確認しながら判断していくことが大切だと考えています。


いわき市で計画している50MW級系統用蓄電所

私たちがいわき市で計画しているのは、大規模な系統用蓄電所です。

その目的は、蓄電池の充放電機能を電力システムの中で活用することです。

一方で、

「50MW級だから安全」でもなければ、「50MW級だから危険」というものでもありません。

重要なのは規模だけで判断することではなく、

設備の仕様、配置、消防・防災、騒音、造成、排水、通信、保守管理などについて、それぞれ必要な確認を行うことです。

本計画についても、電力会社との系統連系協議をはじめ、関係する手続きや技術的な検討を進めています。

未確定の事項については、決定したかのように説明するのではなく、確認できた段階で情報を整理してお伝えしていきます。


いわき市から、日本のこれからの電力を考える

福島県は、東日本大震災と原子力災害を経験し、エネルギーについてさまざまな議論が行われてきた地域です。

だからこそ、新しいエネルギー設備を進める際には、

事業者が「必要だから造る」と説明するだけでは十分ではない

と私たちは考えています。

必要性を説明する。

リスクも説明する。

確認中のことは「確認中」と伝える。

対策できることは対策する。

そして、地域の皆様からいただいた合理的なご質問には、できる限り事実に基づいて回答する。

その積み重ねが重要だと考えています。


電気を「つくる」から、「上手に使う」時代へ

これまでの日本は、

「必要な電気をどうやって発電するか」

を中心に電力設備を整備してきました。

これからは、それに加えて、

「つくった電気を、どう貯め、どう必要な時に使うか」

という視点が、さらに重要になっていきます。

太陽光。

風力。

火力。

原子力。

水力。

送電網。

そして蓄電池。

それぞれに役割があります。

系統用蓄電池も、その一つです。

私たちは、いわき市で計画している50MW級系統用蓄電所について、

「造ること」そのものを目的にするのではなく、電力システムの中でどのような役割を果たす設備なのかを地域の皆様に知っていただくことも大切

だと考えています。

そして、安全、防災、騒音、環境、サイバーセキュリティなどについても、確認できた情報を継続してお伝えしていきます。

この連載では次回、

「なぜ、いわき市で50MW級の系統用蓄電所を計画するのか?」

について、もう少し具体的にご説明します。

電力設備は、普段の生活ではなかなか意識する機会がありません。

この記事をきっかけに、

「系統用蓄電池って、そういう役割の設備なんだ」

と少しでも知っていただければ幸いです。

■いわき市50MW系統用蓄電所計画への問合せ先
所在地:〒153-0051 東京都目黒区上目黒1-23-1 中目黒アリーナ405
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― 系統接続から測量・地盤調査まで。現在地と、これから確認すべきこと ―

福島県南相馬市原町区上北高平で、31.2784MW級の系統用蓄電所プロジェクトを進めています。

これまでこのマガジンでは、

「なぜ大型の系統用蓄電池が必要なのか」

「火災や安全対策をどう考えるのか」

「騒音など生活環境への影響をどう確認するのか」

といったテーマを取り上げてきました。

今回は少し視点を変えて、

「南相馬31MW蓄電所は、実際にどこまで進んでいるのか?」

について、2026年9月時点で確認できる開発状況を整理します。

最初にお伝えしておきたいのは、本案件はまだ完成した蓄電所ではなく、現在も開発・設計・調査を進めている段階にあるということです。

確定していることと、これから確認することを分けてご説明します。


■ 南相馬31MW蓄電所とは

計画地は、福島県南相馬市原町区上北高平です。

現在の計画では、

出力規模:31.2784MW級
蓄電容量:約125.3MWh級
接続区分:特別高圧
用途:系統用蓄電所

として開発を進めています。

対象となる土地についても、山林、ため池、用悪水路などを含む複数筆について整理を進めています。

ただし、設備仕様や配置などについては、今後の設計・協議等によって変更される可能性があります。


■ STEP1 2024年6月、電力系統への接続検討を開始

このプロジェクトの一つの出発点となったのが、2024年6月7日の接続検討申込みです。

大型系統用蓄電所は、土地を確保して蓄電池を置けば事業を開始できるわけではありません。

大量の電気を充放電するため、送配電ネットワークに接続する必要があります。

そこで東北電力ネットワークに対し、

「この場所で、この規模の蓄電所を系統へ接続できるのか」

という技術検討を依頼しました。

2024年10月には、最大受電電力31,278.4kWを前提とする最初の接続検討回答を受けています。

これは事業化に向けた重要な一歩でした。

ただし、接続検討回答を受けたこと=建設許可を取得したことではありません。

ここは地域の皆様にも誤解のないようにしたい部分です。


■ STEP2 2024年10月、地域への説明と行政確認を実施

系統だけではなく、地域・行政に関する確認も開始しています。

資料上では、

2024年10月21日 住民説明・個別訪問
2024年10月24日 南相馬市役所への行政確認

を実施した経緯が記録されています。

大型設備をつくる以上、

「電力会社が接続を認めるか」

だけを確認すればよいわけではありません。

土地利用、造成、消防、防災、景観、騒音など、地域で長期間運用する設備として確認しなければならない事項があります。

地域への説明も開発工程の一部

と考えています。


■ STEP3 土地についても事業化に向けた手続きを進める

大型蓄電所では、系統と同じくらい重要なのが土地です。

本案件では、南相馬市原町区上北高平字入道廹の複数筆を対象として土地の整理を進めています。

資料では合計5筆・9,320㎡が整理され、2025年1月23日に土地権利に関する契約を行った経緯が記録されています。

ただし、

土地の契約がある=そのまますべての土地を造成してよい

ということではありません。

実際の造成範囲、設備配置、境界、排水等については測量や設計、必要な行政手続きを踏まえて確定していきます。


■ STEP4 2025年、本申請・再接続検討へ

2025年には系統手続きをさらに進めました。

資料上では、

2025年6月23日 本申請に向け設計会社へ依頼
2025年7月11日 再接続申請
2025年11月14日 再々接続申請

という経緯が確認できます。

大型系統用蓄電所では、当初計画から設備条件などが変われば、改めて技術的な確認が必要になる場合があります。

そのため、最初の回答だけで開発を固定するのではなく、変更された条件について再度確認しながら進めています。


■ STEP5 2026年2月、再々接続検討の回答

そして2026年2月17日、再々接続検討について回答を受けました。

資料上では、

工事費負担金:約1億9,340万円(税込)
系統工事の所要工期:工事費負担金入金後4年

という内容が整理されています。

ここで重要なのは、4年という数字を、

「4年後には必ず完成する」

という意味で受け取らないことです。

系統工事の期間は、詳細設計、資材調達、施工体制、用地・占用協議などによって変動する可能性があります。

そのため現段階では、約4年という回答上の工期を一つの基準として開発計画を組み立てているという表現が正確です。


■ STEP6 2026年3月、保証金を支払い

2026年3月6日には、系統接続手続に関連する保証金967万円を支払っています。

これは単に「検討してみたい」という初期段階から、具体的な系統手続きを進めていることを示す一つの事実です。

一方で、保証金を支払ったこと自体が、

建設許可、

運転開始、

事業収益

を保証するものではありません。

系統手続と、土地・許認可・建設・事業採算性は、それぞれ確認していく必要があります。


■ STEP7 充電側について新たな系統条件も判明

開発を進める中では、当初想定していなかった条件が判明することもあります。

2026年3月24日には、東北電力ネットワークから、充電側について19.9MWへの縮小が必要となる可能性がある旨の連絡を受けたことが資料に記録されています。

当社は、その条件を踏まえて手続きを継続する判断をしています。

ここは投資家にとっても重要です。

31.2784MWという放電側の規模だけを見て事業価値を判断するのではなく、

充電条件を含めた実際の系統制約を事業収支へ反映する必要があります。

なお、19.9MWについては、資料上も「必要がありそう」とされている段階であり、この記事では最終確定条件とは表現しません。


■ STEP8 2026年8月、専用線オンライン化について技術検討結果

さらに2026年8月5日には、専用線オンライン化工事申込みに関する技術検討結果を受けています。

資料上では、

工事費負担金:約2,860万円
所要工期:工事費負担金入金から約1年10か月

という検討結果が整理されています。

これも蓄電所全体の系統工事とは別に整理すべき項目です。

31MW級の設備では、蓄電池本体だけではなく、系統連系、通信、制御など複数のインフラを整備する必要があります。


■ STEP9 そして2026年9月、現地調査の段階へ

現在の開発状況で大きな進展の一つがここです。

2026年9月4日から、地盤調査・測量を開始しました。

これまでの、

「電力系統につながるのか」

「土地を確保できるのか」

という検討から、

「この土地に実際にどのように設備を配置し、どのように建設するのか」

を具体化していく段階に入っています。

測量では土地の境界や形状などを確認します。

地盤調査では、設備を安全に支持するために必要な地盤条件を確認します。

調査結果によっては、基礎設計や造成方法などを変更する必要が生じる可能性もあります。

したがって、

調査を始めた=建設内容がすべて決まった

という意味ではありません。

むしろ、これから詳細設計を行うための重要な基礎資料を取得する工程です。


■ 許認可はどこまで確認しているのか

本案件では、行政関係についても複数の項目を確認しています。

現在の資料では、例えば、

都市計画法上の開発許可
景観法上の届出
土壌汚染対策法上の土地形質変更届出
盛土規制法関係
消防法関係

などについて、必要な手続・確認事項として整理しています。

一方、

農地法、

森林法、

文化財、

自然公園法、

環境影響評価関係などについては、これまでの行政確認結果を踏まえて対象性を整理しています。

ここで「許認可はすべてクリアしました」とは書きません。

必要性を確認したことと、必要な許認可を実際に取得したことは別だからです。

今後、設計内容を具体化したうえで必要な申請・届出・協議を進めていきます。


■ 防災面についても確認を進めています

大型蓄電所について地域の皆様が気になるのは、設備そのものだけではないと思います。

大雨は大丈夫なのか。

土砂災害はどうなのか。

地盤は大丈夫なのか。

こうした点も重要です。

本案件では、土砂・水害に関するハザードマップや液状化に関する資料についても確認しています。資料の11~12ページでは、対象地とハザード情報との位置関係を整理しています。

ただし、

ハザードマップを確認した=災害リスクがゼロ

ではありません。

これから行う測量・地盤調査や詳細設計を通じて、

地盤、

造成、

排水、

基礎、

設備配置

などを具体的に確認することが必要です。


■ 現在地を一言で表すと

2026年9月時点の南相馬31MW蓄電所は、

「構想段階」からは大きく前進していますが、「建設準備完了」ではありません。

現在地を整理すると、

項目 現在の状況
系統接続検討 再々接続検討回答あり
系統保証金 支払い済み
土地 権利関係を進行
専用線オンライン化 技術検討結果あり
行政・法令 対象性を調査・整理
測量 2026年9月開始
地盤調査 2026年9月開始
詳細設計 今後さらに具体化
許認可 必要な手続を今後進める
建設 未着工
運転開始 未確定

この表が、現在の状況を最も分かりやすく表していると思います。


■ なぜ開発状況を公開するのか

私たちは、このプロジェクトについて、

「順調です」

という言葉だけで説明することはしたくありません。

順調に進んでいる部分もあれば、これから確認しなければならない部分もあります。

例えば、

系統工事には長い期間が必要です。

許認可はこれから進めるものがあります。

地盤調査の結果によって設計が変わる可能性もあります。

設備仕様も最終確定していない事項があります。

だからこそ、

「できたこと」と「まだできていないこと」を分けて公開する。

これが、地域の皆様にも投資家にも必要な情報開示だと考えています。


■ 地域の皆様へ

31MWという数字を見ると、

「もう建設が決まって、すぐ工事が始まるのではないか」

と思われる方もいるかもしれません。

しかし、現時点ではそうではありません。

現在は測量や地盤調査などを行いながら、具体的な設計と必要な行政手続きを進めていく段階です。

また、

消防、

騒音、

排水、

造成、

工事車両、

設備配置、

緊急時対応

など、地域の生活環境に関係する項目についても、設計の具体化に合わせて確認していく必要があります。

私たちは、

「大型蓄電池だから大丈夫」と先に結論を出すのではなく、調査結果と関係機関との協議に基づいて判断すること

を大切にしたいと考えています。


■ 投資家の皆様へ

投資家から見ると、本案件は単なる「31MWの蓄電池案件」ではありません。

大型蓄電所の事業価値は、

系統
土地
許認可
地盤
造成
EPC
設備
工期
運用
地域共生

という複数のリスクを一つずつ取り除くことで形成されます。

本案件では系統手続が相当程度進み、保証金支払い、土地権利関係、専用線オンライン化の技術検討を経て、測量・地盤調査という次の開発工程へ進んでいます。

一方で、許認可、詳細設計、最終設備仕様、最終的な建設費・工期、収益性等については、今後さらに精査すべき事項があります。

「31.2784MW」という容量より、「どこまでデリスクできているか」。

私たちは、そこが大型蓄電所を評価するうえで重要だと考えています。


■ 次のステップ

今後は、今回開始した測量・地盤調査の結果を設計へ反映し、

詳細設計
造成・排水計画
消防・安全対策
騒音対策
必要な許認可
系統側との技術協議
設備仕様の具体化

などを進めていくことになります。

そして、新しい事実が確定した段階で、このマガジンでもできる範囲で開発状況をお伝えしていきます。

南相馬31.2784MW系統用蓄電所は、

まだ完成していません。

しかし、

2024年の系統接続検討開始から、2026年9月の測量・地盤調査開始まで、一つずつ具体的な工程を積み上げている段階です。

「完成した姿」だけではなく、

そこに至るまで何を調べ、何を確認し、どのように安全性と事業性を確かめていくのか。

そのプロセスについても、今後継続して発信していきたいと考えています。


本記事について

本記事は、2026年9月時点で当社が保有する資料に基づき、福島県南相馬市原町区で進めている31.2784MW級系統用蓄電所の開発状況を一般向けに整理したものです。

本事業は現在も開発段階にあります。設備仕様、充放電条件、工事費、工期、許認可、造成計画、運転開始時期、収益性その他の条件は、今後の調査、設計、電力会社・行政等との協議、市場環境などによって変更される可能性があります。

本記事は将来の完成、安全性、工期、収益性等を保証するものではありません。

― 電気を「つくる」のではなく、「貯めて必要なときに使う」電力インフラ ―

「系統用蓄電池」という言葉を、最近ニュースなどで目にする機会が増えてきました。

一方で、

「大きな蓄電池をつくって何に使うの?」

「発電所とは何が違うの?」

「近くにできても安全なの?」

と疑問を持たれる方もいらっしゃると思います。

私たちは現在、福島県南相馬市原町区上北高平において、最大受電電力31.2784MWの大型系統用蓄電所を計画しています。

今回は、事業者側から一方的に計画を説明するのではなく、

そもそも系統用蓄電池とは何なのか。

そして、

地域の中につくる設備として、どのような点を確認しながら計画を進める必要があるのか。

できるだけ分かりやすくご説明します。

1.そもそも「系統用蓄電池」とは?

系統用蓄電池を簡単に説明すると、

「電力系統につながった、大規模な充電池」

です。

家庭にあるスマートフォンのバッテリーや家庭用蓄電池と基本的な考え方は似ています。

電気が必要以上に供給される時間帯には充電し、電気がより必要になる時間帯には放電する。

こうした充放電を行うことで、電力の需給バランスを支えることが系統用蓄電池の役割の一つです。

2.なぜ今、大型蓄電池が必要なのでしょうか

太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーは、燃料を燃やさずに発電できる一方、天候などによって発電量が変化します。

例えば太陽光発電なら、晴れた昼間には多く発電できますが、夜間には発電できません。

しかし電力は、基本的に需要と供給のバランスを取りながら運用する必要があります。

そこで、

「電気が余る時間帯に貯め、必要となる時間帯に放電する」

という蓄電設備の役割が重要になります。

系統用蓄電池は、再生可能エネルギーの導入拡大を支えるとともに、電力系統の安定運用に活用される設備です。

3.南相馬市で計画している蓄電所

私たちが計画しているのは、

(仮称)福島県南相馬市原町区上北高平特高蓄電所

です。

計画地は南相馬市原町区上北高平字入道廹周辺。

電力会社の特別高圧系統への接続を前提とした、最大受電電力31.2784MWの系統用蓄電所として計画を進めています。

一般家庭向けの小型蓄電池とは異なり、電力系統そのものに接続して充放電を行う大型設備です。

4.「31MW」とはどのくらいなのでしょうか

31MWと聞いても、なかなかイメージしにくいと思います。

重要なのは、

31MWの発電所を新しくつくる、という意味ではない

ということです。

系統用蓄電所は、それ自体が太陽光や火力のようにエネルギー源から電気を生み出す設備ではありません。

電力系統から電気を受けて蓄え、必要なタイミングで再び電力系統へ送り出します。

つまり、

「発電設備」というより「電気を一時的に保管・調整する設備」

と考えると分かりやすいと思います。

5.大型蓄電池で最も重要なのは「安全性」です

地域の皆さまにとって最も気になるのは、

「火災は大丈夫なのか」

「事故が起きたらどうするのか」

という点ではないでしょうか。

これは当然の疑問だと考えています。

大容量の電池を扱う以上、「蓄電池だから絶対に事故は起こらない」と説明することは適切ではありません。

重要なのは、

事故の可能性を前提として、設備・配置・監視・消防対応などをどのように設計するか

ということです。

そのため実施設計においては、採用する蓄電池設備の仕様だけでなく、消防関係法令や電気設備に関する基準などを確認し、関係機関との協議を行いながら具体的な安全対策を確定していく必要があります。

6.火災だけでなく「騒音」についても確認します

蓄電所には蓄電池だけが設置されるわけではありません。

電力を変換するPCSや変圧器、空調・冷却設備など、さまざまな機器が設置されます。

そのため、設備によっては運転音が発生します。

私たちは、

「蓄電所だから騒音はありません」

とは考えていません。

設備仕様、機器配置、敷地境界までの距離などを踏まえ、必要に応じて騒音・振動への対策を検討することが重要だと考えています。

特に大型設備では、完成してから対策を考えるのではなく、設計段階から周辺環境への影響を確認することが重要です。

7.大雨や地震などの自然災害について

南相馬市で長期間設備を運営する以上、自然災害への確認も欠かせません。

計画段階ではハザード情報を確認するとともに、

・大雨時の雨水排水
・造成後の地盤
・斜面や盛土の安全性
・地震への対応
・設備基礎
・電気設備の保護

などを実際の設計条件に応じて検討していく必要があります。

特に土地の造成を伴う事業では、設備そのものだけではなく、土地をどのようにつくるかが重要になります。

8.「空いている土地だから、そのまま建設できる」わけではありません

大型蓄電所は、土地を確保すればすぐに建設できるものではありません。

南相馬市の本計画についても、事前調査では、

・都市計画法
・景観法
・文化財保護法
・土壌汚染対策法
・盛土規制法
・消防法
・騒音・振動関係
・電気事業法

などを含め、関係法令・行政手続の確認を進めています。

該当する法令や必要となる手続は、最終的な造成計画や設備設計などによって変わる場合があります。

そのため、

必要な行政手続や関係機関との協議を行った上で事業を進める

ことを基本としています。

9.工事中の影響についても考える必要があります

地域への影響は、蓄電所が完成した後だけではありません。

建設時には、

・工事車両の通行
・大型車両の搬入
・工事中の騒音や振動
・土砂や雨水への対策
・道路の安全確保

などが課題になる可能性があります。

そのため、実際の工事計画が具体化した段階では、工事時間、搬入ルート、安全管理方法などについても検討する必要があります。

設備だけを安全につくればよいのではなく、

建設期間を含めて地域への影響をできる限り抑える

という考え方が重要だと考えています。

10.蓄電所は24時間ずっと最大出力で動く設備ではありません

大型設備というと、

「24時間、常に31MWで動き続けるのではないか」

と思われるかもしれません。

系統用蓄電池は、電力市場や電力系統の状況などに応じて充電・放電・待機を行う設備です。

したがって、常時最大出力で稼働し続ける設備という理解とは異なります。

どの時間帯に、どの程度充放電するかは、実際の運用方法や市場・系統の状況などによって変わります。

11.地域にとって大切なのは「つくった後」です

私たちは、大型インフラ設備は、

完成したら終わり

ではないと考えています。

むしろ重要なのは、その後の長期間にわたる運営です。

設備の点検、保守、異常時対応、敷地管理などを継続し、万一問題が発生した場合に誰が対応するのかを明確にすることが必要です。

また、将来的に事業を終了する場合には、設備の撤去や土地の取扱いについても適切に対応する必要があります。

12.地域の疑問には、できる限り具体的に説明します

大型設備が近隣に計画されれば、不安を感じる方がいることは当然だと思います。

だからこそ、

「法律上問題ありません」

「安全なので心配ありません」

という一言だけで済ませるのではなく、

何を確認しているのか。

どのような設備になるのか。

事故が起きた場合はどうするのか。

工事中はどうなるのか。

一つずつ具体的に説明することが重要だと考えています。

計画の進展に伴い設備仕様や工事内容などが具体化した段階では、説明できる情報について順次お伝えしていきたいと考えています。

13.南相馬市とエネルギーのこれから

再生可能エネルギーが増えていけば、「電気をつくる設備」だけでなく、

「電気を貯める設備」

の重要性も高まっていきます。

系統用蓄電池は、そのための電力インフラの一つです。

一方で、社会的に必要な設備であることと、地域への配慮は別問題です。

必要性があるから地域の理解は不要、ということにはなりません。

私たちは、

電力インフラとしての役割と、地域の安全・生活環境への配慮を両立させること

が、大型系統用蓄電所を開発する事業者に求められる姿勢だと考えています。

まとめ

南相馬市で計画している31.2784MWの系統用蓄電所は、電気を新たにつくる設備ではなく、電力を蓄え、必要なタイミングで電力系統へ戻すための大型蓄電設備です。

再生可能エネルギーの導入が進むこれからの電力システムにおいて、蓄電設備の役割はさらに重要になると考えられます。

その一方で、大容量の電池設備である以上、安全性、火災、騒音、災害、造成、工事車両、環境、行政手続などについて、十分な確認が必要です。

私たちは、

「大丈夫です」と言葉だけで説明するのではなく、一つずつ確認し、その内容をできる限り分かりやすく説明すること。

それが地域の中で長期間運営するインフラ事業者に必要な姿勢だと考えています。

今後も計画の進捗に応じて、系統用蓄電池の仕組み、安全対策、工事、災害対策、環境対策などについて情報を発信していきます。

※本記事は2026年9月時点の計画および確認状況をもとに、系統用蓄電池と本計画の概要を分かりやすく説明することを目的として作成しています。設備仕様、工事内容、工程その他の計画は、今後の設計、関係機関との協議、許認可手続、電力会社との協議等により変更される場合があります。

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― メーカーの国籍だけで判断せず、「設備・通信・運用」の仕組みを確認します ―

いわき市で計画している50MW級系統用蓄電所について、

「海外メーカーの設備を使用して大丈夫なのか」

「インターネットを通じて外部から操作されることはないのか」

「サイバー攻撃を受けた場合、電力設備に影響しないのか」

といったご心配を持たれる方もいらっしゃると思います。

系統用蓄電所は、蓄電池だけで動いている設備ではありません。

蓄電池を監視するBMS(バッテリーマネジメントシステム)、電力を変換するPCS、設備全体を制御するEMS、監視装置、通信設備など、複数の機器やシステムを組み合わせて運用します。

そのため、設備を選定する際には、価格や性能だけでなく、サイバーセキュリティも重要な確認項目の一つとして考える必要があります。


「海外メーカー=危険」とは考えていません

まず大切なのは、メーカーの本社が日本にあるか海外にあるかという理由だけで、安全性を判断しないことです。

国内メーカーであっても、通信機能や遠隔操作機能が適切に管理されていなければリスクはあります。

一方、海外メーカーであっても、日本国内で求められるセキュリティ要件への適合状況、通信経路、アクセス権限、ソフトウェア更新、脆弱性への対応体制などを確認したうえで採用することが重要です。

本計画でも、単に「有名メーカーだから」「海外で多く使われているから」という理由だけで設備を決定する考えではありません。

メーカーの国籍ではなく、日本国内で使用する設備として必要な条件を満たしているかを確認する。

これを基本的な考え方としています。


日本でもIoT製品のセキュリティを確認する制度があります

日本では、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が「JC-STAR」という制度を運用しています。

JC-STARは、インターネット等につながるIoT製品について、一定のセキュリティ要件への適合状況を確認し、分かりやすく表示する制度です。

2026年9月4日時点でIPAが公開している適合製品一覧には、蓄電池パッケージ、蓄電所用PCS、大規模蓄電池用PCS、系統用蓄電池制御装置、EMSなど、エネルギー関連製品も掲載されています。

これは特定の国やメーカーだけを対象にした制度ではありません。

一定の基準に基づいて、製品のセキュリティ機能を確認・可視化する仕組みです。

ただし、ここには非常に重要な注意点があります。

「JC-STARを取得している=絶対にサイバー攻撃を受けない」という意味ではありません。

IPA自身も、適合ラベルによって完全・完璧なセキュリティが保証されるものではないと説明しています。

したがって、本計画でも「認証があるから安全」と一つの条件だけで判断するのではなく、複数の項目を確認していくことが重要だと考えています。


では、何を確認するのか

本計画では、設備メーカーやシステムを選定する際、サイバーセキュリティについて次のような観点を確認していく考えです。

1.外部との通信方法

設備がどこへ通信するのか。

常時インターネットへ接続する必要があるのか。

メーカーのクラウドサービスを使用するのか。

海外のサーバー等との通信が発生するのか。

こうした通信構成を確認します。

「海外製だから危険」と判断するのではなく、実際にどのような通信が行われる設備なのかを確認することが重要です。


2.遠隔操作できる範囲

系統用蓄電所では、運転監視や保守などのため遠隔通信を利用する場合があります。

その場合には、

・誰がアクセスできるのか
・どこまで操作できるのか
・アクセス権限をどのように管理するのか
・操作履歴を記録できるのか
・不要な遠隔接続を制限できるのか

などを確認します。


3.ネットワークを適切に分離する

すべての設備を同じネットワークへ無制限につなぐのではなく、必要に応じてネットワークを分離し、外部から重要設備へ直接アクセスしにくい構成とすることが重要です。

ファイアウォールなどを含め、設備の重要度に応じたネットワーク構成を検討します。


4.ID・パスワード・アクセス権限を管理する

設備にアクセスできる人を必要最小限とし、

「誰でも操作できる」

「初期パスワードのまま使用する」

といった運用を避けることも基本的な対策です。

メーカーだけでなく、EPC、保守会社、運営会社など、実際に設備へアクセスする関係者を含めた管理が必要になります。


5.ソフトウェア更新や脆弱性への対応

サイバーセキュリティ対策は、設備を設置した時点で終了するものではありません。

新たな脆弱性が発見された場合に、

・メーカーから情報提供されるのか
・セキュリティ更新が提供されるのか
・日本国内に問い合わせ窓口があるのか
・問題発生時にどのような対応を行うのか

など、設備導入後の保守体制についても確認することが重要です。


「海外から自由に操作できる設備」にしないために

住民の皆様にとって特に気になるのは、

「海外メーカーなら、海外から自由に設備を操作できるのではないか」

という点だと思います。

ここについては、メーカー名だけを見るのではなく、実際のシステム構成と通信経路を確認する必要があります。

系統用蓄電所には、蓄電池、PCS、EMS、監視システムなど複数の設備があります。

そのため本計画では、採用する設備が決定する段階で、

「どの設備が、どこへ、何のために通信するのか」

を確認することが重要だと考えています。

必要性のない外部通信については制限することを基本として、設備メーカー、EPC事業者、システム事業者等と具体的な構成を確認していきます。


サイバー攻撃への対策は「製品」だけでは完成しません

ここも重要なポイントです。

どれほどセキュリティ性能の高い設備を採用しても、運用方法が不適切であればリスクを完全にはなくせません。

逆に、設備、ネットワーク、アクセス管理、監視、保守を組み合わせることで、リスクを低減することができます。

そのため、

①製品のセキュリティ
②通信ネットワークのセキュリティ
③運用・保守のセキュリティ

という複数の観点から確認することが重要になります。


「絶対に安全」とは説明しません

サイバーセキュリティについて、事業者が「100%安全です」「絶対にサイバー攻撃を受けません」と説明することは適切ではないと考えています。

サイバー攻撃の手法は変化するためです。

重要なのは、

リスクが存在することを前提として、侵入されにくくする、影響範囲を限定する、異常を把握する、問題が発生した場合に対応できる仕組みを準備すること

だと考えています。


本計画で今後確認していくこと

いわき市50MW級系統用蓄電所では、設備・システムの最終選定にあたり、性能や価格だけではなく、サイバーセキュリティについても確認していきます。

具体的には、

・JC-STAR等の国内セキュリティ制度への適合状況
・BMS、PCS、EMS等の通信構成
・外部通信先
・遠隔操作の必要性と範囲
・アクセス権限管理
・ネットワーク分離
・通信記録、操作記録
・ソフトウェア更新体制
・脆弱性発見時の対応
・日本国内の保守・サポート体制
・事故や異常発生時の連絡・対応体制

などを設備仕様とあわせて確認していく方針です。

なお、採用するメーカーやシステム構成について、現時点で最終決定していない事項については、決定事項であるかのような説明は行いません。

設備仕様が確定した段階で、確認できた事実に基づいて情報を整理していきます。


地域の皆様に安心していただくために

系統用蓄電所は、これから日本の電力インフラを支える設備の一つです。

一方で、大規模な電力設備である以上、火災、騒音、防災だけでなく、サイバーセキュリティについても適切に確認していく必要があります。

私たちは、

「海外製だから問題ない」

とも、

「国内製だから安全」

とも考えていません。

メーカーの国籍だけで判断するのではなく、採用する設備そのものについて、日本国内の制度、セキュリティ要件、通信構成、保守体制などを一つずつ確認する。

そして、確認できていないことについては「確認中」と明確にする。

その積み重ねが、長期間にわたり安心して運用できる蓄電所につながると考えています。

本計画については、今後も設備仕様や行政・関係機関との協議状況などを踏まえながら、地域の皆様に分かりやすい情報提供を続けてまいります。

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