境界型人格障害で、不支給決定を受けた方の審査請求を現在やっている。
不支給決定通知には、障害の程度が等級に該当しないとの記載があったのだが、診断書の内容は非常に充実しており、ここまで事細かく書かれた診断書は見たことがないほどのもの。
しかし、医学的な見地からは、軽度の時にみられるような症状も多く書かれ、これが不支給の要因となったのではないかと推測している。
また、病名も精神病相当であるか否かが争点となってくるのであるが、これについての記述も弱かった。
医師と直接話してみると、病名は前医の診断をそのまま受け継いだもので特に新たに診断名を下したとかではないとのこと。そこで、再度、統合失調症や双極性障害、うつ病などの症状を患者さんからお聞きし、医師にとしてお伝えしてみたところ、統合失調感情障害という病名に訂正をしていただけることとなった。
やはり毎回思うのだが、『統合失調症』等、精神病であることが明らかである場合は、障害年金請求をご自身で行うのも比較的容易であると思うが、「うつ病」「その他の精神疾患」でご自身で請求するのは非常に難しいのではないかと思う。
請求実務の知識と医学的知識の両方が必要となってくるからだ。
勿論、患者さんの中には病気について非常に詳しい方もいるのは事実。
今回の人格障害でご自身で請求を行った方も非常に詳しかった。
しかし現実は不支給の決定が下りている。
審査請求で一度出た決定を覆すのは非常に難しい。
うつ病で受給できるか?との質問を毎日のごとくいただいているのだが、当方としては受給の可能性はあるとしかお伝えする事しかできない。我々社労士は”錬金術師ではない”からだ。
障害年金を受給するのが非常に難しいこれらの『うつ病』や「その他の障害」の場合、ご自身で請求されるとその可能性も潰してしまう事にもなりかねない。
もし、ご自身で請求を考えておられる方は、どうしたら受給できるか?ではなく、ご自身の病状がどの程度のものなのかを図書館や本屋さんで調べてみるのもいいかもしれない。
いや、むしろ絶対的に必要であると私は考えている。
何も今回のブログは、当事務所を進めるものではない。
本当に今困っているにも関わらずそれが中々認められない事が多いという現状を皆さんにお伝えするためにこの記事を書いた。是非、これから請求するにあたって参考となれば幸いです。