Part16
第壱章 第拾参帖
「明石」(あかし) 前編
【あらすじ】
落雷騒ぎの夜、亡き父院(=桐壺帝)が夢枕に立ち、その導きで光源氏は明石の地に移ります。[明石入道]は源氏をあつくもてなし、源氏は娘・[明石の君]と結ばれます。都では怪しい出来事が続き、朱雀帝も父桐壺院の夢を見て後、眼を病って怖れおののきます。翌秋、召還の宣旨が下り、源氏は喜びの帰京。身ごもった明石の君と両親は悲喜こもごもです。 |
こんばんはっ♪
前回、12帖「須磨」の前編と、
お伝えしましたが、後編書かず無視して
第13帖「明石」に移ります( *´艸`)
おしゃべりしたい事あんましなかったので、
先も 最後の56帖まで長いんで
次、急ぎます<(_ _)>
今回の登場人物は、
惟光(これみつ)=久々登場の、源氏の従者
文の取次をしたのは現地須磨の朝臣
「明石の上」=県知事クラスの明石の入道のひとり娘
惟光は、大河ドラマ「光る君へ」で云うと、
道長の若い頃の従者モズヒコみたいな人ですかね
この章では、大活躍です。
「明石の上」のおくゆかしさと根競べしつつも、
都に置いて来た「紫の上」との
コミュニケーションの楽さを思い出す、
不埒な源氏殿のお使いで、大忙し。
「明石の上」のおくゆかしさ、というのは、
前回お話ししたように、
一介の地方の国守の娘が、分不相応なご縁を、
未来永劫と望まないという。。。
おいおい
F4達のアメトーーークを知らないのに、
どうして、知ってるんだ❓
身分と気位が高く「にぶい」姫達より
地方の守領クラスの娘の方が、
こなれていて育ちはよろしく、
かえって父上の懐も潤っていると。。。
多分ね、地方にいると見眼麗しい娘は人気があって、
それなりに場数踏んでらしたので、
「箱入り娘の世間知らず」ではなく、
自分を良く知ってる女性は、対等に付き合える人に
恋愛感情を持ってしまう、、、ってこと。
参議デビュー前からの糟糠のプロ彼女を、
置いてけぼりにして、新しく出会った、
今の自分のステイタスに合った女性を妻にする。。。
的な、よくある話を見聞して来てるのでしょう。
でも、だからこそ根気比べ(根競べ)の
コミュニケーションをしっかり取れてから、
恋仲になるので、確かに深い絆で、
結局、京都の自殿へ呼び寄せられて、
紫の上とも、息の長い友人関係に
落ち着いたのかもしれません。
男と女である事にこだわって、
嫉妬に狂って生霊飛ばし、伊勢へ逃げる事に成った
家柄とプライドだけは高い、六条御息所とは、
そこが人間性が違うと思うのです。
これって、似たようなセリフを
かの赤染衛門さまも仰ってますYO
そやから、妹君が藤原道隆さまの
お越しがない夜の、和歌の代筆
引き受けたのかな
後々、百人一首に選出される、名歌のこと。
【原文抜粋】
正身は、「おしなべての人だに、めやすきは見えぬ世界に、世にはかかる人もおはしけり」と見たてまつりしにつけて、身のほど知られて、いと遥かにぞ思ひきこえける。親たちのかく思ひあつかふを聞くにも、「似げなきことかな」と思ふに、ただなるよりはものあはれなり。
【抜粋部分の現代語意訳】
入道の娘自身は、
「普通の人でも、感じのいい人はいない田舎で、こんな素敵な人が世の中にいるなんて」
と、見るにつけても身の程が自覚させられて、遥か遠くのここと思えるのだった。
親たちが内々思って望んでいるのを聞いて、「似合いではない」と思うと、以前よりつらく思うのだった。
【原文抜粋】
明石の君を初めて訪ねる |
|
忍びて吉しき日見て、母君のとかく思ひわづらふを聞き入れず、弟子どもなどにだに知らせず、心一つに立ちゐ、かかやくばかりしつらひて、十三日の月のはなやかにさし出でたるに、ただ「あたら夜の」と聞こえたり。
君は、「好きのさまや」と思せど、御直衣たてまつりひきつくろひて、夜更かして出でたまふ。御車は二なく作りたれど、所狭しとて、御馬にて出でたまふ。惟光などばかりをさぶらはせたまふ。やや遠く入る所なりけり。道のほども、四方の浦々見わたしたまひて、思ふどち見まほしき入江の月影にも、まづ恋しき人の御ことを思ひ出できこえたまふに、やがて馬引き過ぎて、赴きぬべく思す。
「秋の夜の月毛の駒よ我が恋ふる
雲居を翔れ時の間も見む」
と、うちひとりごたれたまふ。
【抜粋部分の現代語意訳】 |
秘かに吉日を選び、母君が何かと心配するのも聞き入れず、弟子どもにも知らせず、明石の入道は自分ひとりでせっせと準備して、輝くばかりに整えて、十三夜の月が華やかに出ている頃、
ただ「月と花とをご覧ください」とだけ言った。
源氏の君は、
「風流に決めたものよ」
と思ったが、直衣を着て身なりを整え、夜更けに出かけた。
車は立派に手入れしていたが、仰々しいので、馬で出かけた。惟光だけを帯同していた。
かなり遠くに入り込んだ所だった。道の途中、四方の浦を見わたして、風流が分かる人と見たい、と思わせる入江の月影にも、まず恋しき人のことを思い出し、このまま馬を進めて都へ行きたい衝動に駆られた。
(源氏)「秋の夜の月毛の馬よ、飛んで行ってくれ
わたしが恋うる人にしばし逢いたい」
とひとり言が漏れた。
あ、、、また思い出してる。月を見て。
都に置いて来た「紫の上」が恋しいって。
やっとの思いで直接文の和歌を交わして
根競べの末、ようやく御面会できるという夜のこと。
やれやれと思いながら月夜の空を見上げると、
慣れ親しんで、コミュレベルが高くって
楽で大好きな「紫の上」を思いだして
I miss you.
ゆぅるされるものならばぁ~
と、久保田利伸さんでなくっても
口づさんでしまう場面ですが、、、
これ、別のオンナに初めて会いに行くシーンです
この気の重さは、初対面までです
「光る君へ」でも
月を見上げて、道長がまひろを思い出し、
まひろが道長を思っては月夜をみつめる。。。
あの、度々挿入されるONECUT
モズヒコ、、、じゃなかった惟光も
大変です。馬を引き歩きながら、
主の心中お察しして、
あちら立てればこちら立たず、、、
で。ごたいめ~ん♪ のシーンに。
【原文抜粋】
「むつごとを語りあはせむ人もがな
憂き世の夢もなかば覚むやと」
「明けぬ夜にやがて惑へる心には
いづれを夢とわきて語らむ」
ほのかなるけはひ、伊勢の御息所にいとようおぼえたり。何心もなくうちとけてゐたりけるを、かうものおぼえぬに、いとわりなくて、近かりける曹司の内に入りて、いかで固めけるにか、いと強きを、しひてもおし立ちたまはぬさまなり。 されど、さのみもいかでかあらむ。
【抜粋部分の現代語意訳】
(源氏)「夜長に話し相手がほしいのです
憂き世の夢も半ば覚めるかと思いまして」
(娘)「夜の闇に迷っております
どれが夢か現かもわかりません」
几帳越しのほのかな気配に、伊勢の六条御息所によく似ているのを感じた。
娘はくつろいでいた処、思いがけない源氏の来訪に、近くの部屋に入って、どう閉めたのか強く戸締りしたのを、源氏は無理を通そうとしなかったが、とうとう、中へ入った。
んでもって、、、
「明石の上」のLOOKSですが、
見た目の雰囲気は、人柄に実に気品があって、
背はスラリと高く、源氏も気後れするほどだった。。。
ということです。
ようやく御几帳の中に入っての感想。
そうやって強引に契りを結んだ後でも、
宿縁も浅からず、
つまりけっこう満足な一夜だったので、
もっとこれからも逢いたいと思わせる女性だ。
との、感想。
いつもは夜長が厭わしくって手持無沙汰に感じる
LOVE AFAIR なのに
間近で逢ってみて初めて、いっそう情が深まり、
夜もすぐに明けてしまった気がして、
「まずいもう朝だ。他人にこの身知られてはいけない」
と、慌てて事細かに今後を言い残して、
帰って行ったのであった。
、、、と、原文を翻訳できました。
まあ、玉鬘(夕顔の娘)ほどには
美女の誉れ高いLOOKSではないけど、
品格があって、淑女なのに、
色事は、尾を引く女性でした。
ってことですかね
今で云うと、女優の橋本まなみさん
多分、「紫の上」とか「空蝉」とか
「夕顔」とか「花散里」とかは
小柄で可愛らしさや癒しが
先に立つタイプがほとんど。
「明石の上」や「六条御息所」はタッパがあって、
シュッとしてる方なんでしょうけど、
六条(伊勢に移住)の怨念さんと違うのは、
御身分家柄が他の恋仲の女性と同じく
貴族の中でも中流以下なんでしょうね。。。
中産階級ってのは、
手が出し易いんですかね。。。
んでもって手応えもあると( *´艸`)
あの、美人すぎる高嶺の花マドンナも、
えっって思うくらい
LOOKSが醜女さんで趣味がない方も、
やっぱ縁遠くチャンスが少ないそうです。
が、だからこそ「掴んだら離さん」
握力の強さがあるらしい。。。
あ、リソースの出処は申せませぬが、
あの「雨夜の品定め」の
F4さんたちのアメトーーークが、
太古の平安時代から実証されております('◇')ゞ
私には嬉しい情報ですが、
「普通が一番」ってのは、ピンキリで
かまってくれはるからかしら❓
そんな中で、自分に合った居心地の好い幸せ掴むのは、
やっぱり女としてかしこいんだと思われます
ところで。
今現在の「ふつう」って、何
ではまた、こんど