時系列でいうと、2003年のことである。
当時ぼくはケーブルテレビに加入していたので、ゴルフチャンネル のアメリカ男子一部ツアーの予選 (一日目・二日目) を見ることができた。 決勝ラウンドはNHKの衛星放送で放送される。
予選を通らなければ三日目・四日目の決勝ラウンドには出られない。たとえタイガー・ウッズであっても、である。
通常ツアーに参加するには、前年の成績トータルがある程度以上か、前年の予選会で参加資格を得るか、直前トーナメントで勝ち上がるか、スポンサー推薦枠か、いずれかでしか出られない。
スウェーデン出身で、全米の女子ツアーで8度の賞金女王を獲ることになる アニカ・ソレンスタム。
彼女にとってこの年は3年連続・6度目の賞金女王を狙おうという年であった。女子選手では無敵であったといっていい。
そんな彼女が、世界最高峰である男子ツアー・PGA に挑戦しようとしたのは必然であったのか、物好きなスポンサーのお遊びであったのか…。
しかしながら、実現する機会がすぐに来たわけではない。なにせ彼女は女子ツアーの賞金女王であり、スター選手である。立場上主戦場を離れて違うツアーに挑戦するわけにはなかなかいかない。
ぼくの記憶では、三試合くらい出場した気がしていたのだが…ミッシェル・ウィーと混ざっているのか…。
結局、一試合に出場しただけであったようだ。
ほかの競技とは違い、ゴルフであるからできたのであろう。それでも男女の差は歴然であった。距離の長さ・フェアウエイの幅・ラフの深さ…。
それでも、ドライバーの平均距離では、当時アメリカツアーで3勝した丸山茂樹選手と遜色のないアニカである。寄せやパットといったショート・ゲームで十分対抗できるのではといわれていたものであった。
結果だけいうと彼女は予選を通過することはできなかった。記憶では惜しかったと記憶しているが、そうでもなかったようである。
先日、久しぶりに国内の女子ツアーをテレビで観たが、飛ばし屋といわれる選手でさえ220Y位の飛距離・ヘッドスピードで44m/sくらい。これでは厳しかろう。
女性が男子ツアーに挑戦することを 『冷やかし』 と見る方もおられるであろうし、決勝にも残れないのに出場枠を得るのは生活をかけてやっている男子プロの出場枠を削ぐことになるという意見もあることはわかる。
でも、いつか男子ツアーで決勝に残る…飛距離のハンデをショートゲームとコースマネジメントで克服できる女子選手を見てみたいものである。
ゴルフでしか叶えられない、ほかの競技では無理であると思うから。