
サウンドリザーバー徹底解剖!
皆様おはこんばんにちは!
#テクハみやこし こと宮腰です!
昨年はLimp Bizkitが新譜を出していましたが、今月に入りKOЯNも新譜をドロップ!
そして何よりもレッチリの新譜が4月1日に発売ですよ
新曲も公開されており今から4月に向けての期待が高まるばかりです
さて、お店の方では現在『サウンドリザーバー搭載ギター徹底解剖!』と題して店頭企画を実施中です
ESPの代表機種の一つ『THROBBER-STD』
そのTHROBBERに搭載されている特殊ホロウ形状、それこそが今回の特集の主役である
『Sound Reservoir(サウンドリザーバー)』
なのです。
正直、、、
ド派手な変形タイプや、特殊な塗装、バリトラのトップ材などを使用しているわけでは無いので、ESPの中では影は薄目な機種ですが、、、
そのホロウ構造であるサウンドリザーバーには職人によるアイディアと、明確なサウンドへのコンセプトが存在しており、ある意味とってもESPらしいギターと言えます
実際、当店の常連様の中にはこのサウンドリザーバーシステムを気に入って頂き、オーダーのギターに搭載している実例も
そこで今回はこの、サウンドリザーバーに関して特集をしていきたいと思います
『そもそもサウンドリザーバーとは何ぞや?』
そうお思いの方も多い事でしょう。
サウンドリザーバーに関して深堀するべく今回は、スペシャルゲストに協力を仰ぎました
THROBBERの開発者である、ESP製品開発セクションの林宏樹さんです
林宏樹
ESP製品開発セクションの一員であり、ESPギターワークショップ工房チーフリペアマンを兼任する。
豊富な経験や知識によるリペアアプローチは秀逸。
大御所アーティストからの信頼も篤くChar氏とのコラボレーションでも有名。
今回焦点を当てているTHROBBERだけでなくPOTBELLYやBOTTOM BUMP等、数多くの製品開発に取り組み名器を誕生させてきたESPのレジェンドのお一人です!
それでは早速
おしえて林先生
〇サウンドリザーバーについて
テクニカルハウス:まず根本的な所になってしまうのですがサウンドリザーバーとはいったいどのようなシステムですか?
林 宏樹氏 :ボディ中央部付近、フロントPU~リアPU、ブリッジ下部にまでわたるホロウ構造の名称です。ですので、サウンドリザーバーを搭載しいるギターとは、トップ、バック材のラミネートがなされている事が基本です。
尚、サウンドリザーバーの名前の由来はダム、貯水池から来ています。『音の貯水池』そんなイメージで名付けられています。
なるほど!『音の貯水槽』というのが由来だったんですね
そしてブリッジ下までわたるホロウ構造というのがこのシステムの大事なところですね
実際、HPに掲載されているトップ材を貼る前の様子がこんな感じ
言われてみれば確かに貯水槽っぽく見えてきましたw
そして、林さんのインタビューでは触れられていませんでしたがこの形にもとても重要な意味があります。
ザグリの大きさを高音弦側を大きめ、低音弦側を小さめに施すことによって、低音弦のエッジ感や、タイト感を引き出す作りとなっています。
こちらはTHROBBERのフロントピックアップを取り外してみて上から撮った写真
ここからカメラを内部に入れてみるとこんな感じになっています。
ブリッジの下側にまでホロウのザグリが掘られていることが確認できます。こうやって改めて見てみるととっても大胆なザグリ形状ですね
また、写真では少し分かり辛いですが、ブリッジピックアップの下側のザグリは低音弦側が広く、逆にフロントピックアップの下側は高音弦側を広く開けてあります。
これによって高音弦、低音弦どちらも生鳴りを高めてくれる狙いがあります。
さて次はこのサウンドリザーバーがどのようにして開発されていったのか伺ってみましょう。
〇サウンドリザーバー開発コンセプト
テクニカルハウス:サウンドリザーバー及び、THROBBER開発時の目的やコンンセプトはどういったものだったのでしょうか?
林 宏樹氏:エレキギターでありながら、アコーステックな箱鳴り感を求めたのが基本です。
音で目指した所はセミアコ、ですが取り回しはエレキギター。それがTHROBBERです。
現実、チェンバード構造(シンライン等も)では上記のセミアコ的なサウンドに辿り着けない、かと言って大きく掘り過ぎてしまうとエレキギターとしてのサスティーンを失い、トラブルも多くなって来る…。
ここに辿りついたのは、じつはBambooInn ※1が関わっています。そのBambooInn開発時に,それとは別に『大きくボディをくりぬいたアコギにより近いエレキ』の実験をやっていた時、とにかく大きく掘られたボディだとハウリング、材の歪み等の問題が有り、その大きく掘られた穴を小さくしていった結果、サウンドリザーバー程度のホロウで充分にホロウ感、アコ感が得られた所から始まったのです。
※1林氏が開発に携わった日本を代表するギタリストChar氏プロデュースのアコースティックギター。
サウンドリザーバーの開発時に実はBambooInnがかかわっていたとは驚きです
一つの製品の開発実験中に新たなアプローチの道が切り開かれるいい例ですね
プ〇ジェクトXやプロ〇ェッショナルで取り上げられてもおかしくないです
〇どんな方に使って欲しいか
テクニカルハウス:林さんがこのギタリストに使ってほしいなぁ!という方はどなたですか
林 宏樹氏:絶対に使って頂きたいのはスタジオワークのミュージシャンの方。
例えば、今剛さんや、故人ですが松原正樹さんに使って頂きたいですね。
バンドでの使用なら、ギターヴォーカルの人が良いのではないでしょうか?
他にはブルースがベーシックのギターヴォーカルの方、例えば山崎まさよしさんなんかはピッタリだと思います。
他にはFUNKスタイルの方も是非!
最近のSTタイプのカッテイング等のFUNKの方にも使って欲しいのですが、もっとオールドスクールなFUNKの方!(※黒人のカッコ良いギターリストがセミアコでボコボコカッティングしてる感じ!)
※Earthe、Wind&Fireのアルマッケイのプレイスタイルなんかが分かり易いとのこと!
確かにギターボーカルの方にはTEタイプの扱い易さで、コード感がセミアコ的なので理想的ではないかと思います!
オールドスクールなファンクっていうのもまた最高ですね
ちょっと太めのゲージを張って弾き倒すスタイルっていうのもカッコイイです
最後にESPそしてテクニカルハウスらしくオーダーメイドの際のアドバイスなどを頂いてきました。
〇オーダー時のオススメ
テクニカルハウス:オーダーで作るときにおススメの構成や注意点などはありますか?
林 宏樹氏:オススメの材構成でいうと、
パリっとした箱感なら…メイプルTop
ボワンとした箱館なら…アルダーTop
よりGibson的ならホンマホ、できれば少し重めの材をチョイスするのが良いと思います。
あとはブリッジはFIXEDスタイルか、TEブリッジの方がベターです。
ブリッジの下側までザグリ(サウンドリザーバー)を入れる所がポイントなので、それに準じたブリッジを採用することが重要です。
また、注意点としては、サウンドリザーバーのトップ部分は、大体5mm程度の厚みなので経年変化でその部分が多少動くとは思いますが、動いても問題の無い範囲で設計してありますので、それは気にせず使って頂いて大丈夫です!
【TEブリッジ】
現在店頭では、現行品のアルダーボディの物に加え特別に、プロトタイプのキルトメイプルトップのモデルもお試し頂けます
弾き比べてみるとメイプルトップの方は確かにパリッとした質感はありつつ、セミアコの様なエアー感と暖かみを感じられるます!
是非店頭でお試し下さい
林さん貴重なお話をありがとうございました!
林さんのアドバイスを基に僕もサウンドリザーバー搭載のギターをちょっと考えてみました!
せっかくなのでそちらは次回のブログでご紹介していきたいと思います!
それではまた次回のブログでお会いしましょう!
ヤーマン