映画『Mank マンク』を鑑賞してきたので感想を綴ってみる。
男って〝愛〟という心の拠り所を求める生き物なんだろうなぁ…と感じた作品
魂を揺さぶられまくる作風が大好きなデビッド・フィンチャー監督の最新作。
昨年末にNetflixの配信映画として登場してたのは知ってましたが、何気に仙台市の映画館上映スケジュールを眺めていたところタイトルが目に飛び込んできたのでさっそく鑑賞
作品内容については他の方の批評をご覧ください
というのも…
観終えた後の感想は『何を言いたかったんだ』が本音だから
面白かった
もなく
このシーンが良かった
もなかったんです
私はアカデミー賞開催前日に観たんですが、ノミネート数も多く期待値が高かった分肩透かしをくらった感もありました…正直
ただ、印象に残ったセリフがありました。
それは『俺のどこが良いんだ』
マンクこと脚本家である主人公マンキーウイッツが奥さんに何度か問うこのセリフ。
泥酔した後、ヘマをした後に奥さんに問うのです。
傍若無人で家庭を顧みないダメダメな男でありながら献身的に尽くしてくれる奥さん。
『俺のどこが良いんだ』のセリフの奥にある様々な心情・想いが男心をくすぐりまくりです。
この問いを女性にする時の気持ちを考えてみたら『そのままの俺を愛してくれ』だな…と
こんな俺でごめん
のお詫びや謝罪
変わってるな…おまえ
という好奇心
という表層心理ももちろんあります。
ですが、深層心理では
ちゃんと俺を見て
俺を愛してくれ
でしょうか
ヤンチャをしてしまうのってやっぱり他人の気を惹きたいところもあったりする訳でして
自分の理想像を掲げながらも社会や家庭生活において、ことごとく打ち砕かれてしまう事が多々あります。
男は泣き言が言えないし、言いづらいので特にそんな風に感じます。
自己愛の追及は大切ですが、他者からの愛やいたわりなどもやっぱり人生を送る上でモチベーションになっていく訳で…。
だからこそ女性に求めてしまうのだと。
作品の中で何人か女性の登場人物がいますが、いずれも不安や悩みを抱えながらもしっかりと地に足をつけた凛とした人物像として描かれていたのが印象的でした。
きっとデビッド・フィンチャーが理想とする女性像なのではないでしょうか
奥さんはうちひしがれたマンクに対して『俺のどこが良いんだ』の問いに対してこう答えます。
『家庭を顧みないダメな男だけど、もう何十年も妻をやっている。ここまできたら私が最期を看取るしかないでしょ』
他者との関わりの中で友愛・恋愛・敬愛…などを感じる。そして、育んだり、探したり、分け与えたりするのが人生の醍醐味なんだろうな…とそんな風に感じました
周りの環境に不満を持っている方に観てもらいたい作品。気づいたらいつも側にいる…そんな方を大切にしたくなること間違いなし。ぜひ皆さまもご鑑賞あれ