BUMP 福岡 振替公演 初日を終えて。
3月17日、BUMP OF CHICKENの福岡振替公演 初日を見てきた。
会場には今回のツアー名でもある PATHFINDERの文字が書かれたグッズを
持った人で溢れかえっていた。
また、過去のツアーグッズを持った人も
相当数居て、長年愛され続けながらも、新しいファン層を取り組むことにも成功してきた
バンドなんだなと改めて実感させられた。
今回の振替公演は BUMPのほぼ全ての楽曲を作詞作曲し、圧倒的なカリスマ性を誇る
ギターボーカルの藤原基央(以下 藤くん)がインフルエンザになり、もともと1月に予定されていた公演が、延期になったものだった。
ゆえに、本来なら埼玉スーパーアリーナが最終公演だったものが、福岡公演が実質ファイナルという形になった。
おそらく会場には来れる予定だったが
来れなくなった人、逆に来れない予定だったが来れるようになった人。様々な人が居たと思う。
自分もその1人。行けるようになって本当に良かった。
BUMP と RADのライブに行くときは ずっと気持ちがソワソワしてしまう。会場に入ってからもずっとソワソワして、程よい緊張感もあった。
そして、今回の一曲目 GOに繋がる、PATHFINDER というインストの曲がスクリーンの映像とともに始まった。
メンバーが1人、1人出てきて それぞれのパートの音が足されていく。
最後に藤くんが登場し、相棒のギター、ギブソン レスポール ジュニアスペシャルTVyellowを掲げた瞬間に 会場の熱気は最高潮に。
4人で鳴らす音が どんどん重なり合って高まって行った。どこまでも行ってしまいそうだった。
観客に魅せるセッションというより、小さな頃からの仲良しの幼馴染4人が楽しく、思い思いにセッションをやっている。それこそ小さな練習スタジオで。4人で音を出せる喜びを。初めて4人で音を出したときの日を。噛み締めながら、思い出しながら。そんな風に見て取れた。
そこから、一曲目 GOが始まった。
スクリーンにアップの藤くんが映し出され、
Aメロを歌い始めたときに、自分は泣いてしまっていた。顔がクシャクシャになって、自然と涙が溢れてた。
愛しい人との別れのときに泣いたことはあっても、出会えたときに泣いたのは初めての経験だった。最初は どうして自分が泣いているのか分からなかった。多分 ずっと会いたかったんだなって思った。
GO 天体観測 RAY 畳み掛けるように新旧様々なキラーチューンを織り交ぜながら演奏した。
天体観測で爆発的に売れたイメージがあるがそのイメージが嫌でライブでは演やらないって言ってた時期もあった。そんなBUMPがRAYで初音ミクとコラボしたり EDMを取り入れたり。
バンドは変化していく。それはバンドメンバーが成長していくからだ。時代の変化に対応していく。それはそれでいいじゃないか。そのとき良いと思ったものを取り入れていくのも。
俺らの世代は多分 フレイムベイン、リビングデッド、ジュピター、ユグドラシル、オービタルピリオドくらいまでのアルバムを擦り切れるくらい聴いていた。そんな中、途中で離れて言った人たちも たくさんいただろう。それはそれでいいじゃないか。そのとき好きなものを聴いていくのも。
今回のセトリで、メロディーフラッグ、fiersign、リボン、ハルジオン、embraceを聴けた。
ハルジオンのチャマのベースラインがカッコいいんだよなとか。ヒロのギターのフレーズとか。升さんのドラムも。藤くんのギターも声も。BUMP の演奏を体に感じていた。
どれも自分が悩んだとき、辛かったときに聴いて 背中を押してくれた歌。音楽の持つ可能性を感じさせてくれていた。
アンコールのembraceが終わり、
メンバーが1人1人 感謝の気持ちを
述べてステージから はけていった。
これで、ライブは終わったんだ。そう思った。
ステージには藤くんが1人残り、言葉を述べ始めた。
インフルエンザになって、ライブを延期にさせてしまい本当に申し訳なかったってこと。
そっから ずっと この気持ちはなんだろうっていう 自分でも分からない感情にいたってこと。
そして、今日 福岡に来て やっとその感情が分かったってこと。
それは みんなに会いたかったってこと。
今日 来ようと思ってたけど 延期なって 来れなかった人や、延期なっても調整してくれた人とか。
感謝を伝える術が ありがとうしかないから
何度もありがとうを言葉にするしかないって。
ごめん、ありがとうしかないって。
そんな風なことを言って、深々とお辞儀をしていた。
会場からは 鳴り止まない大きな拍手が。
その拍手も相まってか、藤くんも泣きそうになっていた。リスナーからBUMP へ返せることも、藤くんが何度も述べたありがとうの言葉や、拍手しかないよ。そう思いながら、自分も感謝の気持ちでいっぱいになって、拍手を続けていた。
そして また藤くんは言葉を続けた。
ベースのチャマが ステージを降りるときに 藤くんに歌えばいいじゃんって言ってくれたって。
1人が残って ステージで時間をもらうことは ほぼないんだ。メンバーから時間をもらえたから 作りかけの歌を歌いたいって。藤くんは
そう言った。
貴重な藤くんのソロの弾き語り。一言一言を
噛みしめるように歌っていた。
藤くんの声と、メロディーと、歌詞と、ギターがあれば、1つの音楽として成立して、人の心を打つような曲になるんだって。そう思った。
歌い終わってから なんかキーが高いなって思ったらギターの2フレットにカポつけたままだったって言ってて ちょっと笑ってしまった。
自分もフェスのオーディションが控えている。その前に 藤くんの弾き語りを見れて
また新たな力をもらえた。どんな形であれ、
声とメロディーと歌詞とギター、何より
歌う側の気持ちがあれば 何かしら
届くものなんだって。教えてもらえた気がした。
またきっと会いに行くよ。
でも いつか、会いに行きたいって気持ちがなくなってしまうのかもしれない。
そればかりは分からない。
BUMPもリスナーも同じ人間だ。
いつまでも続くと思っていたことが
ふと終わってしまうことがあるから。
それでも、今の自分が言えることは
BUMPの音楽が 自分の人生に
ずっと寄り添って、助けていてくれた。
本当にありがとう。あなたが
育ててくれたこの心を
大事に使います。