環境法分野で注目すべき最高裁判決。
事件番号 平成19(受)1163
事件名 産業廃棄物最終処分場使用差止請求事件
裁判年月日 平成21年07月10日
法廷名 最高裁判所第二小法廷
裁判種別 判決
結果 破棄差戻し
判例集巻・号・頁
原審裁判所名 福岡高等裁判所
原審事件番号 平成18(ネ)547
原審裁判年月日 平成19年03月22日
判示事項
裁判要旨 町と産業廃棄物処分業者が締結した公害防止協定中の当該協定所定の処理施設の使用期限を超えて廃棄物の処分を行ってはならない旨の定めは,その結果,上記業者が受けた知事の許可が有効な間に事業又は施設が廃止されることがあっても,廃棄物処理法の趣旨に反しない
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=37823&hanreiKbn=01
全文(pdf)
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20090710142723.pdf
「(1) 旧協定が締結された当時の廃棄物処理法(平成9年法律第85号による改正前のもの。以下,単に「廃棄物処理法」というときは,同改正前のものをいう。)は,廃棄物の排出の抑制,適正な再生,処分等を行い,生活環境を清潔にすることによって,生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ることを目的とし(1条),その目的を達成するために廃棄物の処理に関する規制等を定めるものである。そして,同法は,産業廃棄物の処分を業として行おうとする者は,当該業を行おうとする区域を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならないと定めるとともに(14条4項),知事は,所定の要件に適合していると認めるときでなければ同許可をしてはならず(14条6項),また,同許可を受けた者(以下「処分業者」という。)が同法に違反する行為をしたときなどには,同許可を取り消し,又は期間を定めてその事業の全部若しくは一部の停止を命ずることができると定めている(14条の3において準用する7条の3)。さらに,同法は,処理施設を設置しようとする者は,当該施設を設置しようとする地を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならないと定めるとともに(15条1項),知事は,所定の要件に適合していると認めるときでなければ同許可をしてはならず(15条2項),また,同許可に係る処理施設の構造又はその維持管理が同法の規定する技術上の基準に適合していないと認めるときは,同許可を取り消し,又はその設置者に対し,期限を定めて当該施設につき必要な改善を命じ,若しくは期間を定めて当該施設の使用の停止を命ずることができると定めている(15条の3)。
これらの規定は,知事が,処分業者としての適格性や処理施設の要件適合性を判断し,産業廃棄物の処分事業が廃棄物処理法の目的に沿うものとなるように適切に規制できるようにするために設けられたものであり,上記の知事の許可が,処分業者に対し,許可が効力を有する限り事業や処理施設の使用を継続すべき義務を課すものではないことは明らかである。そして,同法には,処分業者にそのような義務を課す条文は存せず,かえって,処分業者による事業の全部又は一部の廃止,処理施設の廃止については,知事に対する届出で足りる旨規定されているのであるから(14条の3において準用する7条の2第3項,15条の2第3項において準用する9条3項),処分業者が,公害防止協定において,協定の相手方に対し,その事業や処理施設を将来廃止する旨を約束することは,処分業者自身の自由な判断で行えることであり,その結果,許可が効力を有する期間内に事業や処理施設が廃止されることがあったとしても,同法に何ら抵触するものではない。したがって,旧期限条項が同法の趣旨に反するということはできないし,同法の上記のような趣旨,内容は,その後の改正によっても,変更されていないので,本件期限条項が本件協定が締結された当時の廃棄物処理法の趣旨に反するということもできない。
そして,旧期限条項及び本件期限条項が知事の許可の本質的な部分にかかわるものではないことは,以上の説示により明らかであるから,旧期限条項及び本件期限条項は,本件条例15条が予定する協定の基本的な性格及び目的から逸脱するものでもない」
下線部、アンダーラインはESP。