新刊は少ないですが、改訂される本は多数です。


刊行予定(有斐閣ホームページ)

http://www.yuhikaku.co.jp/newbooks/comesoon.html


新学期前の3月以降に多いです。


法科大学院生の多くが使うであろうと思われるテキストの類が、改訂されます。

法科大学院入学予定の方のblogなどを見ていますと、法科大学院で使うテキストを今のうちから買いそろえようとされている方も見られます。予習のためと思われ、それはそれで大変結構ですが、このように改訂されることもあるので、十分にご注意下さい。


で、理想を言えば、テキストの改訂は新学期の開講前後ではなく、前学期の閉講後あたりが望ましいと思います。


というのは、法科大学院時代は、新学期のはじまる前に、テキストの一読をすることが求められているからです。現に最近は、法科大学院の先生方が、入学ないし進級前に、指定ないし推奨テキストの一読を求めることも多いのです。


しかし、開講前にせっかく読んだのに、開講後に改訂されては、予習した方が(経済的に)損をする、ということになってしまいます。古い版を読むことにも意味がある、と言えばそうかもしれませんが、法科大学院生の経済的能力にも限界はあります(先生方と違って、法科大学院生が著者や出版社から謹呈を受けることは、ほとんど考えられません)し、やはり改訂前の本を買わせるのは、避けるべきだと思います。


かつてのように学部中心の時は、開講前後の改訂でよかったと思います。学部生が、授業のかなり前にテキストを買って、予習することはまれだったように思いますので(自分自身、学部時代は、開講前後に買っており、開講より前に買った例は、-もともと自習用に使っていた場合を除いて-ほとんどなかったと思います)。しかし、法科大学院制度が始まった今は、これまでの慣行は改められるべきだとは思います。


他方で、執筆者からすれば、改訂するのにはまとまった時間が必要なのだろうと思います。で、改訂時期を早めれば、改訂作業も当然早まるわけです。例えば、前学期の閉講前後(長期休暇前)に改訂書を出そうとすると、学期中に改訂作業を行わなければならなくなります。そうなれば授業等の準備と重複し、それはそれで大変なものだと思います。また、急ピッチで刊行されて、誤字・脱字だらけでの本でも困ります。それゆえ、改訂時期を早めることは、厳しいのも現実です。


(潜在的)読者としての現時点の対応としては、やはり出版社に問い合わせたりするなどして、改訂の情報を適宜キャッチすることだろうと思います。