法学教室2011年1月号
http://www.yuhikaku.co.jp/hougaku/detail/018275
Ⅰ 職務質問・所持品検査と捜査…小木曽 綾……6
Ⅱ 写真・ビデオ撮影…池田公博……10
Ⅲ 訴因の特定…加藤克佳……15
Ⅳ 訴因の変更…古江頼隆……21
Ⅴ 証拠の関連性…笹倉宏紀……26
Ⅵ 伝聞法則の趣旨と伝聞証拠の意義…小島 淳……31
Ⅶ 検察官面前調書の証拠能力…廣瀬健二……36
Ⅷ 一事不再理の効力…堀江慎司……40
全般的によかったです。学習者に有益だと思います。
特によかったのは、古江先生の「訴因の変更」と、笹倉先生の「証拠の関連性」。
古江先生のを読みますと、「公訴事実」、「訴因」、「公訴事実の同一性」の三者の関係につき、立法時から現在の学説に至る経緯が書かれており、有益です。
笹倉先生のを読みますと、自然的関連性、法律的関連性、証拠禁止が絶対的なものではなく、相対的なものであること、また、概念の母法であるアメリカ法の考えを、平野先生が変容させて日本法に導入したことが分かり、従来の疑問点が解消できるように思います(私自身は、関連性に関する3つの分類を廃棄すべぎたと思っています)。
小島先生、堀江先生のは、従来の議論を丁寧に整理されている印象を受けますので、新しい発見はないかもしれませんが、一読されると頭の中が整理されるように思います。
ちなみに、古江先生が、「公訴事実の同一性」概念につき、「機能的概念」と説明しているところで、
「『実体概念』ではなく『機能概念』なのだから、『公訴事実の同一性』などという256条2項の『公訴事実』=訴因と紛らわしい表現を用いなくとも、『酒巻教授の同一性』でもなんでもよいというわけである」(本誌22頁)
刑訴をちょっとでも勉強していれば、この説明に笑ってしまった人は少なくないはず。