本山敦「学界回顧2009-民法(家族法)」法律時報81巻13号112頁

「相続法分野の研究が少ない。団塊の世代が死亡する二〇~三〇年後に、わが国の相続数(=死亡総数)は、現在の一・五倍となる。したがって、相続法の重要性は増すばかりである。慌ててできるものではないが、相続法研究(者)の充実が急務であろう。相続法研究の少なさを憂えて、三年間のむすびとしたい」


兄弟姉妹が5人ぐらいいるのが当たり前の時代から、一人っ子や子供がいても1人、2人の時代がやってきます。そうなると、相続人同士の争いというのは、昔ほどではなくなるかもしれません。

しかし、遺言の利用が増えることにより、受贈者と相続人の争いというのは増えるかもしれません(被相続人の意思なのよ!VS遺言は無効よ!or遺留分はもらいます、など)。さらには信託の利用により、相続法は新たな展開を迎えるかな、と個人的に感じたりしています。


しかし、相続法は、家族法と財産法が交錯している場面であり、勉強するのも一苦労なところではあります(相続法の難しさについては、窪田充見「家族法-民法を学ぶ第18回 相続人をめぐる問題」法学教室348号7頁以下参照)。