「有斐閣の」刑事訴訟法のケースブックが改訂。
井上正仁=酒巻匡=大澤裕=川出敏裕=堀江慎司
『ケースブック刑事訴訟法 第3版』(有斐閣)
http://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641042667
ケースブック刑事訴訟法というタイトルがついた本は、ほかにもありますが(これ とか、あれ とか)、有斐閣のが最もよいものだと考えます。情報量も過不足ないですし、何と言っても著者に新司法試験委員が含まれています。刑訴分野のオールスターが揃ったケースブックと言っても過言ではないです。ただ、この本を学生だけで使いこなすのは至難の業だと思います。独学では判例集としての利用が限界かも知れません(しかし、判例集として利用するだけでも、価値のある本だと思います)。
ちなみに、私は他の本と区別するために、有斐閣の刑事訴訟法ケースブックを、「かっこいいケースブック刑訴」と名付けています。
なお、参考記事。
新司法試験・論文before&after(その2)。(Absolute BLue)
http://blog.livedoor.jp/eiji_inose/archives/51695611.html
以下、引用。
「判例集の勉強が一番効くのは刑訴だと思います。
刑訴は基本書を捨てても判例集を読むべきだと思います。
刑事事件は被告人は命がけで戦いますし、
どのような些末に見える箇所でも徹底して戦います。
ですから山のように判例が積み上がるわけです。
そして、最高裁判例は条文に等しい重要性を持ちます。
最高裁判例と異なる解釈を展開するには、相当な理由付けが必要です。
また刑事訴訟法は高裁の裁判例も先例に等しい効力があります。
刑訴法405条3項で高裁判例違反が絶対的上告理由になっているのは、
民訴と著しく違うところです。
(民訴では上告理由を書くには本当に苦労します。)
刑訴の判例集としては、『ケースブック刑事訴訟法(第2版)』がおすすめです。
見てください。まず分厚い。これだけ入れれば不足はないでしょう。安心です。
そして編集者を見てください。試験委員ばかりではありませんか?
そんな卑近なことからスタートしても、とにかく、日本の名だたる学者が
重要だ、読んで欲しいと思う判例、裁判例を集めているわけです。
それだけでマストに近いと思います。
このケースブックへの批判は、問題が多い、問題が高度、解答がないというものです。
これは別にいいと思います。
基本問題もあるし、高度な問題もなければ大学院の授業じゃありません。
解答があったら、みんな解答を見ちゃいますからね。
頭を使わないと訓練になりませんから。
で、それと受験勉強を切り離して、これを判例集としてみればいいわけです。
すなわち、問題を読まないで判例だけベタ読みする。
そうすれば厚さも事実上半減しますしね。
判例、裁判例の相場観をきちんと押さえつつ、事実をきちんと分析する。
それが得点アップの第一歩かと思います」