長谷部恭男「続・Interactive憲法 第5回 立法者の基本権内容形成義務とベースライン論」法学教室347号22頁以下。

「D:(前略)長谷部先生の議論って、何だか宙ぶらりんのまま放り投げられたみたいで、憲法自体から、確かで明るい展望が見えてこないというフラストレーションのようなものを感じますね。

B:あの先生の議論って、みんなに夢を与えてくれる『健康な』ものじゃないから。健康な学説が好きなら、他を当たった方がいいわよ。

D:ハハァ

B:それに、憲法が確かで明るい展望を与えてくれるはずだっていうのはただのwishful thinkingでしょ? 憲法から何か頼りになる立法基準が出てこないんだったら、どんな制度が望ましいのか立法府で知恵を出し合って十分議論すればいいわけだから。何でもかんでも最高裁に決めてもらおうとしない方が、かえっていいと思うけど」