本来、冷麺は冬の食べ物でしたが、日本の蒸し暑い気候に爽やかな冷麺はぴったりなので、よく食べます。
冷麺のルーツは、平壌と咸鏡南道咸興
冷麺のルーツは現在の北朝鮮にあり平壌(ピョンヤン)と咸鏡南道咸(ハムギョンナムド ハムン)です。本来は寒い冬に暖かいオンドル部屋(床暖房の一種で、温度調節がこまめに出来ないので暑くなる)の中で食べる料理でした。
大きく分けて平壌発祥のムルレンミョンと咸興発祥のビビン(ピビム)ネンミョンの二種類があります。ムルは「水」のことで、ビビン(ピビム)は「混ぜ」の意で、ビビンバのビビンと同じです。
日本では1954年、盛岡が最初?
日本では1954年、朝鮮半島北部(現・北朝鮮)の咸興生まれの在日朝鮮人1世の青木輝人氏が、盛岡で「食道園」を開業しお店で出したのが最初といわれています。子供のころに食べた冷麺を再現しようとしたのだそうです。当時はコシの強い独特な麺や、キムチに馴染みがなく、なかなか受け入れてもらえませんでした。
最近盛岡冷麺をよくみるようになったのは「焼肉・冷麺ぴょんぴょん舎」が東京で提供したことがきっかけだとか。
「別府冷麺」
ご存じの方もいるかもしれませんが「別府冷麺」という冷麺もあります。1950年頃、朝鮮系住民も多かった満州(中国東北部)から引き揚げた料理人が大分県別府市で開いた店が発祥とされています。麺は小麦粉、そば粉、でん粉を基本とし、スープは魚介をベースとした和風にアレンジされているのが特徴です。
冷麺の原料は?
冷麺といえば独特なコシの強い麺ですよね。原料は何なのでしょうか?「平壌冷麺」「咸興冷麺」日本の「盛岡冷麺」、それぞれの特徴も交えてご紹介します。
平壌冷麺の主原料はそば粉
そば粉が主原料。麺が黒いのが特徴です。粘りも比較的少なく、噛み切りやすいです。スープは肉類でとったダシに大根の水キムチの汁を加えて作ります。1人前のカロリーは約450kcalです。
咸興冷麺の主原料はそば粉やでん粉
そば粉を主原料にトウモロコシやジャガイモ、サツマイモなどのでん粉が原料。細くて白っぽくコシが強く、噛み切りにくい麺です。唐辛子やコチュジャンベースの辛口ダレと混ぜ合わせて食べます。1人前のカロリーは約500kcalです。
盛岡冷麺の主原料は小麦粉とでん粉
小麦粉とじゃがいものでん粉が主原料。半透明のやや太めの麺で、つるつるとした舌触りと、強いコシが特徴です。スープは、牛骨や牛肉、鶏ガラなどがベースで、すっきりしながらも深いコクがあります。1人前のカロリーは約400kcalです。
【番外編】トトリ麺、チョンス冷麺
【トトリ麺】「トトリ」とは韓国語で「どんぐり」という意味です。どんぐり粉を練りこんだ麺で、色は黒っぽく、喉越しの良い麺です。主に冷麺やスパゲッティの麺を作るときに用いられる方法で押出製法という、麺をところてんのように押し出す方法で作られています。
【チョンス冷麺】小麦粉、そば粉、サツマイモでん粉を使用した冷麺です。黒っぽい色で韓国乾麺、細麺です。
冷やし中華との違いは発祥の地と、麺!
冷麺と冷やし中華は具体的には何が違うのでしょうか?
ひとつめは発祥の地です。冷やし中華の発祥地とされる店はふたつあります。ひとつは東京都千代田区神田神保町の揚子江菜館、もうひとつは宮城県仙台市青葉区錦町の龍亭です。どちらにしても発祥の地は日本とされています。
ふたつめは、麺です。冷麺はそば粉やでん粉を使った麺ですが、冷やし中華は小麦粉が主原料の中華麺です。使用している麺が異なります。
また混同してしまう人がいる原因として、西日本では冷やし中華を「冷麺」と呼ぶからだと考えられます。
様々な種類の冷麺がありますね!(^o^)/
お勧めの食べ方は水キムチを冷麺と一緒に食べることです。(^^)d
三越伊勢丹に出店されている韓国金浦市郊外にある韓国料理屋<古家>の料理長の方が水キムチの作り方を教えて下さっていますので、皆様にもシェアします。
https://mi-journey.jp/foodie/39883/
水キムチと一緒に食べることで、大切な酵素やミネラルやビタミンも摂ることが出来ますし、清涼感のあるスープと季節の野菜とフルーツが暑さで疲れた心と身体を癒してくれます。
最後に冷麺をご自宅で作る際のポイントを2つお教えします。
- 器とスープは事前にしっかり冷やすこと
- 茹でた麺は洗って氷水で冷やして、パンをこねるように上から押し絞ってしっかり水分を切ること
この2つを実践するだけでもいつもより美味しく仕上がります。ぜひお試しください。