居酒屋対談@Game-Style_No1 | 孤独が好きな寂しがりやBlog

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第1回:『発売延期ってどうよ?』
 「では、発売延期をすることによりどのくらいのダメージが出てくるのか教えてくれますか?」
 「う~んと、つまりあれなんですよ。実際のところ延期するとお店とか雑誌とか媒体関係には迷惑かけてイメージのマイナスにはなるんですが……。業界全体が発売延期に馴れすぎちゃって、ダメージよりもそこでもうちょっと本数が伸ばせるとか、そっちの方が大きかったりするんです。なので社会的制裁とかはあるんですけど、そういうところで吸収できちゃってたりします」

(中略)
延期という情報自体が露出になる
 「営業期間が2週間延びると、どんなことが出来るんですか?」
「2週間てスゴイ半端なんですよね。販促グッズとかを配ってからお店が発注を出すまでに時間があるので、それで本数が伸びたりもします。また、延期という情報自体が露出になりますので……」



 「えっとですね、難しい話になりますが、『まじれす!!』もそうなんですけどウチの『うさみみデリバリーズ!!』で発売日に合わせてテックジャイアンさんで6P広告を出したところ、発売日がひと月丸々ずれたっていうのが……。そうですね、あれは一部では1000本くらい変わったんじゃないかってのは言われましたね」
 「それはでかいですね……」
 「そう言った意味では、ずれるっていうのはかなりマイナススコアになると思います」



ソフトウェア産業における開発の遅れはゲーム・非ゲームを問わず半ば日常化している。業界にいる人間なら体で理解されているが、「残業の無いソフトウェア開発は存在しない」のである。概ねバグなど想定外の事態に時間を多く取られる事が理由としてあげられる。
ゲーム業界、特にエロゲー業界では「発売延期がなければ優秀とされる世界なのだ。」と鏡裕之氏もそのコラムで嘆いておられるが、この発売延期の多さは何を意味しているのか。
おそらくは、開発スケジュール、進捗管理が上手くいかない(いっていない)からだと推察される。プログラム・CG(原画)・シナリオという多重の要素を積み込むゲームだからこそ、往々にして起きる事象といえるかもしれない。そこを上手くまとめ急かすのがプロデューサーの役割ではあるのだが。

開発の遅れは資金の浪費につながる、というのは言うを待たない。軽い開発の遅れで、2週間の遅れがあったとしてもプログラマー・デバッガー・シナリオライターの3人を使えば、1.5人/月の人件費がかかる。重度の遅れで数ヶ月必要ともなれば、100万・200万ではなく、下手すれば1000万の資金が流れる。売り上げで補填するにしても、100万円≒200本×5000円(10000円×0.5掛けと計算)。200本の受注を増やすのにどれだけのショップ巡りが必要になるだろうか。
下手すれば経費倒れで赤字開発となってしまう(だから倒産するメーカが多いのかもしれない)。
単なる開発の遅れなのか、見通しの甘さが原因なのかは開発それぞれによるのだろうが…。


発売延期は無いに越したことはない!
 「さて、そろそろ時間もよろしいので締めに入りましょうか。今回のお題の発売延期についてお願いします」
 「発売延期は無いに越したことはない!(笑)」
 「ウチは今まで発売守るためにバグを出してきてしまったんですけど、延期をしてバグが無い状態で出そうと思っています。それをお客さんがどう評価するのか、それは僕らが先に知ることは出来ないんですけど……。もちろんどちらもないっていうのがベストなんですが、どっちかしかないならどっちの方がマシなのか。これは業界全体ではなくてウチのユーザーさんがどう思っているかが聞きたいです」
 「それでは、今日は長時間ありがとうございました」


個人的に言わせてもらうなら発売日を守る事、バグが無い状態にして売る事、ぶっちゃけどっちでもいい。
しかし買い手といおうか、予約した状態であれば、発売日を守って欲しい、と素直に思う。延期しました、というメーカからの通知は、時として怒り、嘆き、萎えを覚えるからだ。下手すれば発作的に当日発売された別のゲームを買うかもしれないし。




第2回:『イベントってどうよ?』
イベントに関して言うなら、自分は良く分からない。コミケには過去に一度(同人フロア(?))逝った事あるけど、待ち時間3時間・滞在希望時間3秒(要は一瞬で帰りたくなった)という誇りある記録を達成したぐらい。2度と逝かねぇ、と誓ったグラスワンダーが勝った有馬記念のあった日(つまりスペシャルウィーク一本で勝負して負けた)。


 「『場所を用意しました。あとは好きにやってください』じゃメーカーは何もしようがないんですよ。そしたらイベントもつまらなくなるに決まってます」
 「大義名分が×ャ××ェ×にも××パにも掲げられてますけど、メーカーさんに対してどうして欲しいのか、ってのがないんです」
 「政治家が、こうしますああしますと言って、それをどう実行するかの手段が提示されていないのと一緒なんですよ。立派なお題目は馬鹿でも思いつく。それの実践方法を考えるのが政治家であり、主催者なハズ。『こんなイベントにしたいです』というポリシーもなく『業界の発展のために』とか言ってるのはねえ……」
 「(政治家が)『いい世の中にします』って言ってるのと同じですね」
 「それは当たり前のことですからね」


イベントが企業認知に効果が出る、というのは肯ける。単にネットを彷徨って得られる情報とは違い、足で稼ぐナマの情報だからだ。
特に、直接人と人が会う事が大きい。ゲームに限らずイベント参加者(お客さん)が「いいな」と肌で感じてもらうには、どうしても「接触感染」が必要になってくるからだ。ネットで感じる無機質のものとは段違いに。


費用対効果の単独イベント
 「単独のイベントって秋葉原を中心に行われてるじゃないですか。メッセサンオーの2階ですとか、アソビットさんの上ですとか。あのタイプのイベントをほかでも、という声は大きいですよね」
 「そこは平たく言うと、費用対効果なんですよ。単独イベントはすごい労力かかるんで、企業イベントに参加するのと比にならない労力とお金がかかって、特に箱代とか足代とか、いろいろ削らなきゃならないんです。それを突き詰めていくと、土地に理解があって、メーカーが集まりやすく、集客もできて、となると秋葉原になっちゃうんですよ。選択肢がもうそれしかない状態になってます」


これには異論がある。
秋葉原、正確には都心部でやるには、店舗などを使ったイベントとは別のものが存在しうる。その筋のプロが広告代理店だ。プロだけに様々なノウハウがあるが、体力の無いソフトハウスでは雇う余力はないだろう。そうなると、営業・プロデューサの発想の転換でいくらでもイベントを企画・立案するしかない。
例えば、かつて繁栄極まりなかった勢いを持っていた「ゲーム批評」という雑誌や、最近では探偵ファイル、あるいはビール党大会@切込隊長様も行った、新宿ロフトプラスワンでのイベントがそれにあたる。

無論、単独で行うには無理があるので、その筋の関係各位を集める必要があるが、比較的安価で集客効果も見込めると思われる。(当然、企画・立案内容によるが)



第3回:『Webプロモーションってどうよ?』
 「昔は雑誌が1番だったんですけど、今はWebの方が早いじゃないですか」
 「僕はですね、それが問題だと思っているんですよ。へむへむさんが日記でよく書いてるじゃないですか、某所がオフィシャルより細かい情報を出しているって。それってその某所に対してはほめ言葉なんですけど、オフィシャルとか周りの雑誌に対しては非常にマイナスなんですよ。アレは要するにフライングなんです。それを容認しちゃうメーカーも悪いし、雑誌も悪いと思うんですけどね。Game-Styleさんでは出すタイミングとか非常に気をつかってるじゃないですか。それは雑誌とかとの兼ね合いも考えられてると思うんです。本当はメーカー側にそういうことを考えてもらいたいんですよ」
 「残念ながら、聞くとだいたい戦略を考えてなくて『いつでも良いっすよ』なんていう返事が1番多いんですけど(笑)」

(中略)
 「ウチは雑誌へ先に掲載した後、サイト内にゲームのページを立ち上げるようにしています。最初は絶対に雑誌媒体に出させてからプロモーションを始めるようにしていますね」
 「最近あるのが、タイトルだけ見せておいて、サイトの方は何日から公開ってやっているパターンですね。それでその間に雑誌で情報が出て、ああこのタイトルなんだなってわかるという。これが今1番上手い方法だなって思っています」

(中略)
 「Webの長所っていうのは、その速報性とインタラプト性で、何かあったときに瞬時に対応できるところ。対応は遅い代わりに情報の1番最初の露出っていうのは雑誌じゃなきゃまずいと思うんです」


事実、Webの最大のメリットは即時対応が可能な点だ。しかし、情報の露出と言う意味では、Webよりも雑誌にウェイトを置く必要がある。
雑誌には記者という情報伝達のプロがいるからだ。そのプロの目を通じて開発状況や露出を考えなければ、効果的にユーザに情報が届かない。ソフトハウスの露出するのはセールスポイント・ウリといった情報ではあるが、それはあくまで商売という視点(要は売れるか売れないか)から見たものでしかない。
それは必ずしもユーザが欲しがっている情報とは限らない。また、雑誌だとキャラクターの比較や画像を2枚まとめて見れる効果的なレイアウト技術を盛り込めるメリットがあるだろう。


Webに情報が出ていないゲームってたいてい延期する
 「告知する段階で素材がギリギリに出来て、自転車操業的にWebが更新されていくっていうこと自体が間違ってるんですよ」
 「それは、すいません……(笑)」
 「ホントは素材ができた所でポンと更新して、その後は定期的に少しずつ出していくっていうのが正解だと思いますよ」
 「その定期的っていうのが、リアルタイムでの定期的になっちゃってるのが問題なんです」
「ユーザーとしては、たとえば毎週金曜日に決めて更新されると、『ああ、ちゃんと開発してるんだな』っていう感じですごく安心するんですよ。実際、Webに情報が出ていないゲームってまず延期するじゃないですか」

(中略)
 「さっきの定期的に更新するっていう話に戻るんですけど、次はいつ更新しますって書かれてて、そのとおりに更新するとやっぱりそのメーカーへの信頼度って上がりますよ」


正直なところ、各メーカのサイトには頻繁に行ってないので分からない。
しかし、定期的に更新している≒ユーザの信頼度というのは正しいだろう。
もっとも、更新しようにも更新内容が無い、という事態も出てくるかもしれないので、それは考慮すべき点と言える。

(続く~:続きの記事はコチラから)