エロゲー業界は不況らしい【後編】 | 孤独が好きな寂しがりやBlog

エロゲー業界は不況らしい【後編】

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数年前まではパソコンは「一部の趣味人」の所有する物であり、制作サイドも同じ「趣味人」だった事も手伝って、内輪で細々とやるような狭い業界だった。
その流れで―――狭い業界の常識のまま―――現在に至っているがため、パソコンユーザの増大ほど、エロゲーユーザが増大していないのではないだろうか。購買客が固定されている、というのは、その傍証と言える。


また、エロゲーユーザと同様、それを生業とする業界人が増えないのも一端であろう。ただでさえオタク的要素が強いうえ、実質的にポルノ産業でもあるが故に、それを「職業」とするには余りにも敷居が高すぎる。
他にもエロゲーよりも市場規模が大きく、一般的な認知度も高い家庭用コンシューマ機―――一般的な意味でのゲーム業界―――の存在もある。同じゲーム業界ならば、(市場規模の違い≒収入の違いもあって)エロゲー業界よりもそちらに人が流れるのは当然である。


他にも一つ原因が想像できる。
最近、手に取って見るゲームはテキスト系アドベンチャーゲームが極端に多い。時折10%に満たない割合で(ゲームと言うより作業に近い)数値系シミュレーションゲームを見かけるくらいだ。
エロゲーはポルノであるのと同時にゲームでもある。ゲームを楽しむ、と言う意味では、テキスト系アドベンチャーゲームはプレイヤーの満足感を満たす事は出来ないだろう(読んでしまえば終わりなのもある)。マンネリ化が進んでいる、と言えるかもしれない。
(ファンディスクなどにミニゲーム的なゲームは存在するようだが)


それはテキスト系アドベンチャーゲームが悪い、と言う事を指していない。テキスト系アドベンチャーゲームは絵本のようなもので、ポルノ的な表現を最大限に生かせるシステムだ。その意味ではテキスト系アドベンチャーゲームが多くなるのは当然である。

問題なのはテキスト系アドベンチャーゲームに「物語性を演出しようとしている・要求されている」風潮だ。
良質の物語性を演出するには作家性が要求される。しかし作家性とは多くの人間が持っているものではない。
希少性に富むからこそ「良質と評価される」のであって、誰もが良質の物語を書けるなら、最近言われている「出版不況」は存在しないはずだ。


あと、恐らく最大の原因が価格の高さだろう。基本的に8800円という価格は家庭用コンシューマ機と比較しても高いし、他のポルノ的なエロ本やAVと比較しても高いと言える。

中古のエロゲーを見てみると、概ね4000円から5000円の間で価格設定されていることが多い。無論、ワゴンセールによる在庫放出品といった例外があるにせよ、その価格がおそらく「ユーザがエロゲーを買うギリギリの価格帯」と判断できる。
だが、その価格で売るには、販売本数を単純計算で2倍に増やさないと採算(開発費や人件費)が取れない。企業経営で最も大きなジレンマと言える。


購買客層の固定化、人材の不足(流入阻害)、ゲームのマンネリ化、そして価格の高さ。
「エロゲー業界は不況なんだよ」とこれらの現状を揃えられれば、なるほどと納得せざるを得ない。


不況だからとはいえ、全く売れていないのか、というと必ずしもそうではない。
開発力の高さを持つアリスソフトや、物語性を重要視したKeyブランドなど、高い売り上げを誇っているソフトハウスもある。
また、全国的に地道な営業で売り上げを上げているminori様(ソフトハウスか個人名かどうかは知らない)の存在を無視してはならないだろう。

だが、他の中堅以下のソフトハウスにそれを望むのも酷な話だ。
酷な話ではあるが、だからと言って売り上げを上げる方法が無い、というわけではない。


まず、購買客層の固定化だが、いかに「潜在的な顧客」の認知度を上げるか、という点に尽きる。
元々エロゲーユーザはオタクでもあり、エロゲーにのみ興味を持っている、というわけではない。他にも「こだわっている」分野があるはずだ。
それは何か。正直に書けば、現在の自分には分からないが、想像はできる。
家庭用コンシューマ機でいうギャルゲーマーや漫画・アニメ層がそれに当たるのではないか、と考えている。
週刊ASC○○といったライトユーザは少し考えにくい。
(好奇心旺盛な)大学生も潜在的な顧客、と言えるかもしれない。

ポルノ産業であるが故に、認知度を上げるための告知営業は少しやりにくいかもしれない。しかし決して不可能ではないだろう。読者層が20代の雑誌やユーザの趣味が重なっていると想定できるジャンルへの雑誌告知を行えば「エロゲーという存在は知っていても…」というライトユーザへの認知度は上がる。


人材の不足で言えば、少し深刻なのかもしれない。
ヴィジュアル的なCGやシステムを担当するプログラムに関しては問題ないだろう。
しかし、一つ見逃せない点がある。発売延期が当然、という事態だ。

これが意味するのは、制作サイドの内部管理が上手く行ってないのだろう。
進捗管理を含めて、遅れがちなチームには人やフォローの手配、雑誌やWebでの告知、業界に関するコネなど。
これらを統括する人間、所謂プロデューサーや開発管理ができる人材に不足している、という現実があると想定できる。

エロゲー業界では通常、ゲームの根幹を担うシナリオライターがその任にあたるという。しかし、シナリオライターにはシナリオのプロットやテキストを打つ、という個別の作業がある。おそらく、個別の作業に専念してしまうが故に(スケジュール調整などを含めた)内部管理が上手くいっていないのかもしれない。
本来ならば、そういった内部管理は専属の人間が必要になるのだが…。

とはいえ、内部管理だけ、という業務は余りにも仕事が少なすぎる。プログラム・CG・テキスト打ちなどの汎用性に長けた人がいれば、フォローにもまわせるし、専属の業務にも携われる。また、この業界に付き物のバグチェック・バグフィックスにもまわせる点が大きい。
「発売延期の無いソフトハウス・ブランドは無い」とまで言わしめる現状を見れば、そういった手法を取っているソフトハウスはどれくらいあるのか、少し疑問を感じざるを得ない。

あと、先ほども書いたが、全国に営業展開したminori様の行動が「特別視」されているのがそもそもおかしい。東京・大坂といった大都心はともかく、地方都市への営業を行っていない様子が窺えるからだ。モノを売る、という観点から見たら営業努力は必須(というか基本)なのに、それを行わないで「業界は不況なんだ」と言われても筋違いといえるだろう。


ゲームのマンネリ化は意外に深刻なのかもしれない。スクリプトプレイヤーという手法に慣れすぎた弊害と言えるだろう。
だが、対応は可能と考える。

家庭用コンシューマ機に「SIMPLEシリーズ」がある。低価格ながら「一点主義」なゲームでロングセラーを誇っているブランドと言えよう。
ディースリー・パブリッシャーというメーカーがそれだが、こちらでは「開発会社に委託」する事で低価格ソフトの販売を可能にした。
その手法が取れるのでなかろうか。というか、普通に取れるはずだ。
敢えて単純化させて書くが、「1ステージ目をクリアしました、次はえっちシーンです。2ステージ目をクリアしました。別のえっちシーンになります」という事で、開発コストの削減を実現するのも可能だろう。


価格の高さは、いかんともしがたい。
しかし、こちらも対応できると自分は考えている。

まず、中古市場の規模、そして「昔のゲームは中古を買うしかない」という事実を見れば、どのようにすればいいか、というのは自ずから明白だ。

すでにモノはある。バグフィックスされたパッチも存在している。
ならば、廉価版を売り出せばいい。

製造コストはそれほど高くない。
また、小売店にコネというか、普通に営業努力していれば、
小売店から見ても「前回は少し数を控えたけど…」といった理由付けも可能だし、
また、中古買取という商品品目・絶対数の不安定さを補える事から、決してデメリットばかりではない。

(業界外、という自分から見た視点になるが、)
エロゲー業界が不況と言われているものの、上記のごとく「やるべき事をやっていない」からこそ不況―――正確にはユーザの絶対数が増えていない―――と感じるのではなかろうか。

ポルノ産業である事、そしてオタク産業でもあるエロゲー業界だが、そういう業界だからこそ、スタンダードな開発や営業、必要に応じたコスト削減案、「他業種ではこうだが、それをエロゲー業界で生かせないだろうか」という好奇心の強さ、情報収集などを心がけるべきなのだ。


目や耳に入ってきた情報―――infomation―――を自らの頭で整理して情報を構築―――intelligence―――し、知性―――wisdom―――に昇華させる。
人は必ずしも成長するわけではないが、長期的に見れば必ず成長していく。その成長した人が集まって構成される社会や組織・業界も成長していくのは自然の流れだ。
日進月歩、とまではいかないにせよ、少なくとも、自らを成長させる機会を喪失するのは、当人にとっても不幸だし、周りの人や組織・業界にとっても不幸な事だ。

エロゲー業界は、その制作スケジュールの逼迫さから来ているのであろう、成長させる機会を失っているのかもしれない。また、オタク的な資質―――自分の興味の無い事にはあまり目を向けたがらない―――という遠因もあるかもしれない。

開発では当然考えるべき、PDCA(Plan・Do・Check&Action)はやっているのだろう。しかし、それとは別な事(経営的な事など)の努力を怠っているように見える。

そういった成長志向―――一般的な職種であれば持っているはずの欲求―――こそが、エロゲー業界が衰退しているように見えるのではなかろうか。

ヲマケ。
エロゲー業界に飛び込もうとしている自分ですが、当然のことながら、これは提出予定でっす。
あと、ここには全てを書いているわけではありません。営業に関する事や運用論(?)に関しては、自分の頭の中に存在しています。まぁバレバレかと思いますけど。
で、履歴書持って面接の時にこの話題が出たら補足事項・運用論を述べる事になりますね。下手したら1時間以上かかるかもしれませんが(^^;
まぁ100のアイデアがあったら実行可能なのが10、実行に移して成果を上げるのが1、という具合なのは常識なんですが。

兎にも角にも、これを読んで「是非ウチに来てくれ」とか「会ってみたい」と仰られるソフトハウス・ブランド様がおりましたら、スグにでも駆けつけますので、是非是非よろしくお願いいたします。
あ、連絡先は
esload@white.livedoor.com
(@は小文字変換願います)
でっす。


ヲマケのヲマケ。
同人ソフトについても書いたけど、こちらはボツ。
長くなりすぎて削除せざるを得なかった ○| ̄|_
っつーか、削除せぇへんと(同人ソフトねたも含めた)100行くらいの文章はさすがに記事に入れられん…