本日のタイトルは「奇跡のエンディング」



シニカレの雅喜は、無事ルリ子の元へ戻り、再び共に暮らす日々が始まった。
もちろん、ルリ子は鍼を打つ。

百瀬のものだったノートは、ルリ子が再度まとめ上げ、スキルを自分のものへと昇華した。

ルリ子「起きて……」
雅喜の指先はピクリと反応を示したが、ただそれだけ。
ルリ子「動いて、雅喜。雅喜…………」
$think of you-DSC_0268.jpg
一喜一憂の日々が続く・・・


雨の日には部屋にたくさんのてるてる坊主を作った。
$think of you-DSC_0269.jpg
でも、シニカレと暮らす日々に、なかなか晴れ間はやってこない。
気落ちするルリ子。浮上するきっかけが……見つからない。



ルリ子は、自らの体調が悪くても、雅喜の身の回りの世話は怠らなかった。
$think of you-DSC_0270.jpg
雅喜の足を清める。
丁寧に、思いを込め、苦しくても笑顔で……

そうしてシニカレとの暮らしは続いていた……




人目を忍んでできるビルメンテナンスの仕事は継続。
もちろん雅喜を伴って。

この日は屋内プールの清掃。一人奮闘するルリ子には疲れが垣間見えた。

夜食は見晴らしの良い飛び込み台の上で。
雅喜専用の流動食を食べさせるルリ子。
$think of you-DSC_0271.jpg
ルリ子「どぉ?おいし?じゃあ、お茶いれてあげるね……」
ポットを手にする瞬間、手元においてあったプラスチックの容器に誤ってぶつかり、転がってしまった。ルリ子はそれを飛び込み台ギリギリのラインで捕まえた。

ルリ子「……セーフ!」

雅喜に微笑みかけても、応答はない。
微笑みから、ため息へと変わってしまうルリ子の表情。

とその時、飛び込み台の淵にいたルリ子は体勢を崩し、真下に落ちてしまう。
泳げないルリ子は深いプールでひたすらもがいた。

ルリ子「誰か……!」
$think of you-DSC_0272.jpg
誰も助けには来ない。
やがて力尽きたルリ子は動くことができずにプールの底へ沈んでゆく。
意識を失う瞬間、水面に見える飛び込み台に人影が………



目を覚ましたルリ子はベッドルームに横たわっていた。
$think of you-DSC_0273.jpg
完全に覚醒していない状態で、ふと横をみると、そこには優しい瞳で見つめる雅喜が……
ルリ子に向かって微笑みかけている。
$think of you-DSC_0274.jpg
嬉しさのあまり飛び起きるルリ子。
改めて見てみれば、ルリ子の隣には誰もいない……

落胆するルリ子は、ベッドルームを出た。
そこにはいつもと同じ、見慣れた光景が。
ルリ子「……夢か…………」
$think of you-DSC_0275.jpg

カウンターに座り、ため息をこぼすルリ子。
その刹那、愛しくて愛しくてたまらない人の声が、耳を掠めた。

雅喜「じゃねえよ」
ルリ子「……ぇ……」
雅喜「夢…………じゃねえよ」
$think of you-DSC_0276.jpg
雅喜「………つか、わからない………こっちはこっちで、まだアタマがぼーっとしてるんだ・・・」

ルリ子は首をふって、幻想をうち払おうとする。冷静になろうと………

雅喜「カレンダー見てびっくり………丸2年も経ってんじゃねえか…………ふっ、オムツしてて、
ハンパなく恥ずかしいんですけど。」
ルリ子「……………」
$think of you-DSC_0277.jpg
雅喜「ルリ子」
ルリ子「…………まさき……?」
雅喜「……………他に誰がいるよ?」
ルリ子「……そうだけど……」
雅喜「…………………こっち向けよ。」
ルリ子「やだ」
雅喜「……どうして」
$think of you-DSC_0278.jpg
ルリ子「………振り返ったらいないんでしょ?」
雅喜「……いないって?」
ルリ子「………………………いつものように、、、そこにはシニカレがいるだけ…」
雅喜「奇跡は信じないのか?」
ルリ子「…………信じたいとは、思うわ……」
雅喜「信じてるのと、信じたいは違う……」
ルリ子「…ん………わかってる……」
雅喜「……つか、どっかで会話してんな……今のカンジ」
$think of you-DSC_0279.jpg
ルリ子「………そうよ………だからなおさら、ただのデジャヴってゆうか……」
雅喜「………疑り深いヤツだな……………………俺が知ってるルリ子は、なんでもかんでも信じるヤツだった……………システム異常があるから………」
$think of you-DSC_0280.jpg
ルリ子「……何度も夢に見た光景だから………………」
雅喜「……そうか………」
ルリ子「…そして何度も………やっぱり夢だったから………」
雅喜「なるほど…………それじゃ、仕方ないな………」
ルリ子「……でしょ?……だから…………怖くて振り返れない………」
$think of you-DSC_0281.jpg
雅喜「……なら………こっちから行こうか……」
ルリ子「………ぇ……」

ゆっくりと歩き出す雅喜・・・
$think of you-DSC_0282.jpg
ずっとこちらを見ようとしないルリ子の後ろから、
愛のこもったハグを。

嗚咽をもらし、泣き続けるルリ子。
雅喜「俺がいつまでも、お前を1人にしておくもんか………」

たちあがり、ルリ子は遂に雅喜に相対する。

互いに見つめあい、言葉もないまま、想いを伝える………

ルリ子「おかえりなさい………」

雅喜「…ただいま…」


長い、長い、くちづけ。
それはまるで2年もの長い時間を取り戻すための、神聖な儀式のような……



ルリ子「あぁ神さま!!………信じらんない……………ありがとう………」

雅喜「……ありがとうは……………7ポイント。」



喜びを隠しきれない2人。
雅喜はルリ子を横抱きにし、すぐさまベッドルームに向かった。
そこで雅喜の目に飛び込んできたものに、一瞬躊躇を見せた。

雅喜「………………」
ルリ子「………フリマで買ったの。」

ベッドサイドの人形。
それは正しく、マリカの姿。

雅喜「………いぇい!!」

雅喜は抱きかかえたルリ子をそっとベッドへ運び、ベッドルームの扉を閉めた………




さて、明日はもうひとつのエンディング……
どーなるんでしょね?

今日はストーリーが終わりを迎えたすばらしい日。
なのでとみー☆的感想はまた後日にでも。

それではーアデュー☆(*´▽`*)ノ))