結婚の話を本気でつめだしてから、
さすがに一人で抱えるには荷が重すぎて、周りに相談した。

返ってきた言葉がまあキツい。
「仕事とあんたを天秤にかける時点でアウト」
「結婚しても土日?ほぼ仕事やろ」
「家族サービス?都市伝説やな」
「育児家事?戦力外通告やん」

正論のフルコンボ。
もう殴られすぎてHPゼロ。
反論しようにも、事実しか言われてへん。

「せやな……」と思う自分と、
「でも別れたらまたイチから男探しやで?」と囁く自分が脳内でレスバ。

履歴書不要の恋愛やと思ってたのに、
実際は転職活動レベル。
しかも年齢制限つき。

ボロクソに思う日は山ほどある。
ほんま腹立つ。
けど気づいたら生活の一部。
冷蔵庫と同じポジション。
ないと困るけど、開けても大して感動はない。

頭では「別れ一択」。
心は「いや無理無理」。
こうして今日も私は、
“やめたほうがええ男”を大事に抱えて生きている。

別れ?
そらつらいに決まってるやろ。
なんせ、情は最強の呪いやからな。

1年8ヶ月つきあった元彼。
わたしは34になる年。
子どものこと考えたら、
「まだやし〜」とか言うてる場合ちゃう。

せやから、腹くくって聞いた。
再度、結婚する気あんのかって。

返ってきた答えがこれや。
「別れるのはつらい」
「一緒にはいたい」
そのくせ、
「でも君のこと思うと、まだ34やし
新しい人と結婚して子ども産んだ方が
君のためちゃうかな〜って思ったりもする」

……は???
なにそれ。
優しさ気取った、ただの逃げやん。

責任は取りたない、
せやけど悪者にはなりたない。
そのために
「君のため」って便利な言葉、
わたしに押し付けんな。

最後の恋になるかもしれん覚悟で、
時間も気持ちも未来も
全部差し出してきたわたしの想いを、
自分の迷いの言い訳に使うなや。

揺れてんのはお前の都合やろ。
それを、わたしの人生に転嫁すな。

感情なめんなよ。
わたしは
都合ええ“理解ある女”ちゃうからな。


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1年8ヶ月つきあった元彼、
正直いうて顔はイケメン枠にはおらん。
目だけはやたらデカい。主張強め。
体型も「細身です!」とは誰も言わへんタイプ。

当時どハマりしてた千原ジュニアとは、
ジャンルからして別世界。
もはや比較したら怒られるレベル。

しかもやで、
家に来る → 合体 → ほなな、の流れが秒。
デート?なにそれ新しいスイーツ?状態。

せやのに不思議なことに、
そのノーデートおうちスタイルが妙に居心地よくて、
「愛されてる…これは愛や…」って本気で思ってた私。

身体の相性も、回を重ねるごとに右肩上がり。
そして気づく。
――私は結局、マメな男に弱い女なのである