詩人の季村敏夫さんの個人誌「河口から」第9号に、シーレ布施の作品が掲載されていますので、ぜひご購読ください。


 まず読んだのは、昨年12月にお亡くなりになった詩人・岩成達也さんのエッセイとそれにまつわる季村さんの文章、そして鈴木創士さんの「慙服は我にありや 四方田犬彦『大泉黒石 わが故郷は世界文学』書評」、瀧克則さんの「仮面とその周辺」。
 こんなに上質な文章を読める機会はなかなかないです。文章には情熱をこめ得るのだということを思い知らされます。
 詩では、ぱくきょんみの長い人生の物語。これは、読み応えある。とてもわかりやすい言葉で平易に書かれているのに。シーレ布施の詩は日曜日に彼女の朗読で聴いていたものですが、文字で見るとまた仕草や居住いが眼底に残るように思う。淡々と劇的なのが、とてもいい。そのスタイルを受け継ぐような並びで藤本哲明の見開きは作品の時間の中で急速に速度感を増すのがいい。始まりと終わりがほぼ同じ詩行なのに、速度が全然違うように思う。季村さんの作品は、岩成さんの文章に現れている虫を移植している。そういうことがあったのだなと思う。言葉同士の響き合いが遠くて、美しい。時里二郎、言葉や概念を創れる人。それによって読む者を陶酔させる人。憧れます。


 8号まではAmazonで手に入るから、9号も並ぶんじゃないかしらん。1000円とは、お買い得ですよ。

↑ 出ていました。一時的に品切れのこともあるようですが。

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