伊岡瞬さんの「乙霧村の七人」(双葉文庫)

   

   かつて、山村、乙霧村で起こった一家五人惨殺事件。犯人は戸川稔という男。豪雨の中の犯行で、生き残ったのは、英一という小学生のみ。

   それから22年。この事件を扱った「乙霧村の惨劇」の著者、泉蓮が顧問をつとめる大学の文学サークルの大学生6人が、乙霧村を訪れます。

   惨劇のあった場所は廃墟になっていました。

   雨が降り始め、突如、あらわれた斧を持った男。男は、学生たちを追い詰めていきます。

   はたして、男の正体は? 学生たちは助かるのか。

 

 

   閉ざされた空間を舞台にした、追う者と追われる者のスプラッタホラーだと思っていると実は・・・・・・

 

   アマゾンのレビューなどを読むと、スプラッタホラーとして終わらせた方がよかったのにという意見が大勢を占めるようですが、私は後半の謎解き部分も十分、楽しめました。

 

   ただ、学生たちのキャラがいかにも類型的で、どのキャラにも感情移入できませんでした。

 

   そして、謎がひとつ。

   大学生のひとり、ヒロインの友里が、なぜ男の正体が○○だと知っていたのか。謎です。私の読み落としかもしれませんが・・・・・・