矢崎存美さんの「居酒屋ぶたぶた」(光文社文庫)

 

    2018年の初ぶたぶたです。「ぶたぶた」シリーズの何作目になるのでしょうか。たくさんありすぎて、まだ全貌がつかめません。

    育児疲れの妻を気遣う夫の勝人。ある夜、夕食を食べそこね、妻に作ってもらうのも悪いからということで、一軒の居酒屋に入ります。

    そこの料理のおいしいこと。次に訪れたときには持ち帰りを頼みます。

    そこで知った驚愕の事実。店主はピンクのぶたのぬいぐるみだったのでした。「居酒屋やまざき」。

    など全5編。

 

 

   外見はピンクのぶたのぬいぐるみで、心は優しいおじさんの山崎ぶたぶたさんが、タイプの異なる5つの酒場でお客をもてなします。居酒屋、バー、おでん屋、ワインバー、読書バー。

 

   酒場が舞台なので、つまみとして簡単な料理も出てきますが、飯テロというほどではありません。むしろ、お客となるキャラたちの、それぞれのエピソードに重点がおかれています。

 

   酒場のマスターとしても有能なぶたぶたさん。どの話を読んでも、心がほっこりとあたたかくなること、うけあいです。

 

   それにしても、この「ぶたぶたさん」シリーズ、よくネタ切れになりませんね。

   マンネリ感がないのがすごいです。