15世紀末・ルネッサンス期のイタリアの町並みや
建築物が再現され、その形を利用した移動や暗殺が
とにかく面白い。アクションも、武器も、道具も数多く用意されていて、
それを臨機応変に、または好みに応じて利用して殺せる。
例えば、離れたところから投げナイフで仕留めたり。
高いところから狙いを定めて、飛び掛りながら刺し殺したり。
屋根から窓のへりをつたって敵の後ろを取り、背中からグサッ!と行ったり。
もちろん、ミッションは"単純な暗殺"だけでなく、豊富に用意されており、
それぞれの状況に応じて、娼婦を雇っておびき出しに使ったり、
道ばたに金をばら撒いて注意を引くなどの作戦を自由に取れる。
想定したプランどおりに行かず、目的達成前に気づかれたりしても、
通常の戦闘に移行するだけで、(ごく一部のミッションを除いて)失敗とはならないし、
逃げるにも「煙幕」など多くの手段が用意されているため、
「クリアするだけなら難易度はかなり低い」と言える。
が、このゲームに関しては「いかに美しく殺すか」に
こだわることこそが本質だから、難易度云々を語ることは野暮だろう。


"美しい暗殺"を行うには、相応の慣れとスキルが必要となり、
序盤はなかなかきれいな暗殺はできない。
だからこそ、"美しい暗殺"に拘る人のために、任意で
チェックポイントからリスタートできる機能が欲しかったと強く思う
(一度ミッションを放棄する形でリスタートができるところもあるが)。


それ以外の難点を挙げると、通常戦闘時(※)の操作感覚がやや重く、
モーションパターンが少ないせいで、爽快感が薄いのは気になった。
同じUBIの「プリンスオブペルシャ」の戦闘に近い、もどかしさを感じた。
もう少しモーションが洗練されれば、通常の戦闘も面白くなるのになぁと思った。


海外では「モダンウォーフェア2」や「アンチャーテッド2」などと
並んで期待されていたし、ゲームオブザイヤー候補にも名を連ねた作品だが、
全体的な印象としては、これらの「洋ゲー超大作」の中では
グラフィック、モーション、演出などはワンランク落ちる。
どこか垢抜けない、洗練されていない部分が残っているのだ。
"アサシン"という題材は面白いし、その設定を生かしたゲーム性も
前作より格段に向上しており、現段階でも十分に良作の部類に入るが、
"良質"の更に上に行くには、もう一段階全面的なクオリティアップが必要かもしれない。


(※)暗殺時ではなく、敵もこちらに気づいている状態での戦闘
8.0 グラフィック
1,2年前なら綺麗と褒めるレベルなのだろうけど、今となっては特筆すべきレベルではない。町並みはオブジェクト数も多くて雰囲気がよく出ていて○。頻繁に出るティアリングは気になる。
8.0 サウンド
効果音、ボイスとも十分及第点。
7.5
操作性・快適さ
操作性に若干クセがあるが、数時間すれば慣れるレベルで、問題は無い。ミッション失敗後のリスタートに長いロードがあるのは気になった。マップを開いたとき、自分が向いている方角がアイコンで分からないのも少々不便。
8.0 ボリューム
メインシナリオだけ進めれば12時間程度でクリア可能だが、アクションゲームとしては標準的な長さだろう。サブミッションや収集要素もある。
8.0 総合
豊富に用意されたアクションと、それを手助けする多数の新要素により、「自由で懐の深い暗殺者生活」が楽しめる。前作をすぐ投げた私も、最後まで一気にプレイしてしまうくらいあらゆる面で進化を遂げているが、超一流の作品と比較すると、全体的にあと一歩ずつ物足りなさを感じる。

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