運動好きで頭を使うことが嫌いなごく普通の小学校6年生である進藤ヒカルは、祖父の家で古い碁盤を見つける。
碁盤の血痕に気づいたヒカルは、その碁盤に宿っていた平安時代の天才棋士・藤原佐為(ふじわらのさい)の霊に取り憑かれる。
非業の死を遂げたという佐為はかつて棋聖・本因坊秀策にも取り憑いていたという。
囲碁のルールも歴史も知らないヒカルであったが、「神の一手を極める」という佐為にせがまれて碁を打ち始める。
以降、佐為はヒカル以外には姿も見えず会話もできず、物を動かすことすら出来ない存在であることを前提に物語は進む。
佐為編(第1巻 - 第17巻)
アキラとの出会い(第1巻)
対人で囲碁が打ちたいという佐為のために、ヒカルはとある碁会所を訪れ、同年齢の少年・塔矢アキラと出会う。アキラはトッププロ棋士である塔矢行洋の一人息子であり、彼自身すでにプロ級の腕前を持ち、将来の名人と目されていた。
そんな相手とは露知らず、佐為の指示通りに石を打って対局した結果、ヒカルはアキラに力量差を見せつけて勝利する。
自分と同世代に自分以上の打ち手がいると知って愕然とするアキラはヒカルを追うようになるが、プロの苦難を知らず軽口を叩くヒカルに激昂する。
本気で挑んだ再戦は圧倒的な敗北であったが、アキラはヒカルを自分の倒すべき高い目標に掲げる。
一方のヒカルもアキラの囲碁にかける熱い想いを見て、自分自身がもっと囲碁に対しての理解を深めたいと思うようになる。
他方、塔矢行洋は息子のアキラを倒し、彼に闘志を芽生えさせたヒカルに密かに注目するようになり、また佐為は現在の囲碁界の最強者であり自分と対等以上に戦えるであろう相手である行洋と対局してみたいと願う。
中学校囲碁部編(第2巻 - 第4巻)
ヒカルは、ひょんなことから小学生なのに中学の囲碁大会に葉瀬中の三将として出場し、佐為の力で強豪・海王中を降して活躍する。
そして4月になり葉瀬中に入学すると囲碁部に入り、今度こそ自分の実力での団体戦勝利を目標とする。一方、海王中に入るも、その力量差により中学囲碁に興味のなかったアキラは、自分より強いはずのヒカルが囲碁部に入ったと知って驚く。
さらに、アキラはヒカルとの再対局を望むものの、佐為ではなく自分の力で勝負したい彼によって対局を拒絶されたため、彼と戦いたいという一心で力量的に不相応な中学囲碁の大会へ出ることを決め、周りと軋轢を起こす。
紆余曲折の後、大会でヒカルとアキラの対局が実現する。
当初、アキラの熱意に負けて佐為に打たせていたヒカルであったが、やはり自分の実力で戦いたいと途中から自らの考えで打ち始める。
しかし、素人同然のヒカルの力量ではアキラに勝てるはずもなく、また、念願の勝負が叶ったアキラは声を荒げて失望し場を去る。
だが、その石運びはヒカルの才能の片鱗を見せていると佐為は捉える。
ヒカルに失望したアキラは早くプロとなることを誓い、改めて父の背中を目標に定めるが、かつてのヒカルとの勝負は疑問に残ったままであった。
ネット碁(第4巻 - 第5巻)
ヒカルはアキラに失望されたことを屈辱に思い、改めていつか自らの力でアキラと対等な勝負がしたいと思うようになる。
一方で、囲碁が打ちたいという佐為のために、夏休みを利用してネットカフェで、ネット碁を始める。
ハンドルネーム「sai」として佐為に自由に打たせていたヒカルであったが、その高い実力から短期間で世界中のアマチュアや院生から注目を浴びるほどとなっていた。
日本で開かれたアマチュア世界選手権の場も、参加者らは密かにsaiの正体を探す有様であった。
大会での騒動で「sai」の存在を知ったアキラは、直接、その場で「sai」と対局することとなり、その打ち筋からヒカルとの2回目の勝負を思い出す。
アキラはプロ試験初戦を不戦敗にしても「sai」との仕切り直しの再戦を行い、ヒカル側の偽装で確信はできないものの、やはりその打ち筋にヒカルの影を見出す。
ヒカルがネットカフェにいることを知って真相を確かめようとしたアキラより、ヒカルは「sai」騒動を初めて知る。
アキラの追及に対し、ヒカルは何とか誤魔化すことに成功し、アキラはわだかまりを抱えたまま引き下がる。
その後、夏休みの間中、佐為の碁を見続けたことで力が付いたと確信したヒカルは、休みの終わりと共にネット碁を止め、自ら佐為と対局することで実力を磨くようになる。
院生(第6巻 - 第11巻)
佐為との対局で急速に力をつけたヒカルは、アキラがプロになったと知り、彼を追いかけるために院生となることを決める。
だが、今度こそヒカルを追うことを止めたアキラは露骨にヒカルを無視するように振る舞う。
一方、アキラのライバル宣言をするヒカルを最初は軽んじていた院生らであったが、ヒカルの囲碁に対するひたむきな態度に、互いにプロを目指す敵同士ながらも、友情が芽生えていく。
ヒカルは、佐為との対局がかえってスランプとなり2組下位から脱せない状態が続く。
そんな折、1組上位になれば若獅子戦に選出されアキラと戦えるかもしれないと知る。新たな目標を得たヒカルは数ヶ月で再び急速に力をつけて1組上位に入り、若獅子戦への出場を果たす。
初戦で敗北しアキラとは戦えなかったヒカルであったが、才能の片鱗を見せ、少なくともプロを本気にさせる力量を見せる。
また、無視を決めていたアキラも、ふと終盤のヒカルの局面を見て彼の急速な成長を知る。
プロ試験が始まり、大人相手の対局に馴れず敗局するヒカルは、和谷や伊角の紹介で碁会所に通う。
そんな折、訪れた碁会所で、ヒカルは韓国からきた秀英(スヨン)と戦い、周囲が驚く大局観で勝利する。
試験予選を通過し、本戦が始まるとヒカルは連勝を重ね、有力候補の越智や伊角、和谷と伍する活躍を見せる。
一方、秀英との対局内容を教えられたアキラは、現在のヒカルを知りたいと切望するようになり、最終局で当たる越智の専任指導にあたる。
23勝3敗で迎えた最終局、勝てばプロとなる一戦でヒカルは、越智の背後にアキラがいることを知る。
接戦の末、越智を降したヒカルはプロになり、アキラは現在の彼の実力を知るために自分自身で対局したいと願うようになる。
プロ棋士(第12巻 - 第15巻)
新人プロとトッププロが戦う恒例の「新初段シリーズ」に、普段は断る行洋が自らヒカルを指名して参加することとなる。
この機会に行洋と戦いたい佐為であったが、バレることを恐れるヒカルは土壇場で佐為に大きなハンデを負わせることで勝負を認める。
その無謀なハンデによりヒカルは敗北するも、佐為の力量を見抜いた行洋は「次は互先で」と述べる。佐為もまた行洋と対等に戦える日を待ち望む。
ヒカルの公式戦第一局は奇しくもアキラ相手であったが、その対局直前に行洋が過労から心臓発作で倒れ、対局はヒカルの不戦勝となる。
行洋の見舞いに訪れたヒカルは、行洋が入院中ネット碁をすることを知り、ネットを通してなら佐為と戦わせられると気づく。
そしてヒカルの必死の交渉で行洋と「sai(佐為)」の対局が決まる。
持ち時間3時間の本格的な勝負は、一進一退の攻防であり、また行洋と復活した「sai」の対局は瞬く間に世界中から注目を浴び、アキラも目撃する。
そして頂上決戦は中盤の妙手で佐為の勝利と決まり、念願の強敵相手の勝利に満足する佐為であったが、直後の検討でヒカルは行洋の微妙なミスを発見し、佐為が負けていた可能性を指摘する。
佐為は、ヒカルの指摘が自らの構想を上回っていることを認識し、「亡霊として1000年存在してきたのは『この一局をヒカルに見せるためだった』」こと、そして自らの成仏の時が近いことを悟る。
そのような佐為の事情は知らないヒカルは、佐為と行洋の一局を観戦したことで実力が上ったと自覚し好成績を収め続ける。
そして5月5日、こどもの日。
佐為は自らの役目が終わったことを悟って、陽光の中に消えていく。
佐為との別れ(第15巻 - 第17巻)
佐為が消えたことを受け入れられないヒカルは、佐為を探して彼のかつての憑依先であった本因坊秀策の故郷因島まで赴くも無駄足に終わる。
東京に戻り、秀策の棋譜を見て改めて佐為の才能を理解したヒカルは、神にもすがるが佐為は帰ってこない。
そしてヒカルはプロ活動を休止し、誰とも囲碁を打たない日々を過ごして周りから心配される。
そんなヒカルの元に、かつてのプロ試験で因縁のある伊角が現れ対局を挑んでくる。
当初は気の進まないヒカルであったが、対局が進むうちに囲碁の楽しさを思い出して没頭する。
そして対局中に打った一手が佐為の一手と同じと気付き、もはや佐為は現世に存在しないが、しかし、自分の打つ囲碁の中にこそ彼がいると悟る。
ヒカルは再びアキラをライバルとして立ち上がり、プロ棋戦に復帰する。
そしてヒカルとアキラの公式初対局を迎え、互いに譲らぬ大熱戦の最中に、アキラはヒカルの中に「sai(佐為)」がいると察する。
それまで自分しか知ることがなかった佐為の存在をアキラに知覚されたことにヒカルは強い喜びを感じる。
アキラとの対局が終わった夜、ヒカルは夢の中で佐為と出会う。
佐為は最後にヒカルに扇子を託し、光の中に消えていく。
北斗杯編(第19巻 - 第23巻)
18歳以下の国際戦であり、日本・中国・韓国対抗で3対3での団体戦である北斗杯が開かれることになり、アキラはシードとして一足先に選手に選出される。
そして代表選出のための予選にヒカルは出場する。
ヒカルと関西棋院出身の社清春が日本代表となる。
日中韓の棋士が普段から入り混じって棋戦を争う実在の囲碁界と違い、各国が独自の大型タイトルを設定していて、北斗杯のような国際試合は貴重という設定である。
中国、韓国の新進気鋭の棋士たちが新たなライバルとなり、ヒカル、アキラ、清春の前に立ちはだかる。
中国との対戦では、ヒカルは王世振と対局し、中盤までリードを奪われ、怒涛の追い上げを見せるもののわずかに届かず1目半差で敗れる。
韓国との対戦では、ヒカルは高永夏と対局する。
その日は奇しくも佐為が消えた5月5日であった。
対局前の記者会見で永夏が本因坊秀策(=佐為)を侮辱したため、ヒカルは敵愾心を燃やし自ら永夏との対局を望んだのである。
しかし力及ばず、ヒカルは半目差で敗れる。チームとしても、アキラが2勝したものの、ヒカルと清春が2敗したため日本は最下位となった。
永夏は対局後にヒカルになぜ碁を打つのかと問いかける。
ヒカルは遠い過去と遠い未来を繋げるためだと答える。
中国の楊海はヒカルの言葉を聞いて、なぜ碁を打つのかもなぜ生きているかも一緒であり、遠い過去と遠い未来を繋げるために誰もがいるのだと説く。
北斗杯は大盤解説会やネット中継も注目されて好評を得たため、来年以降も継続して開催されることになる。
北斗杯終了後に、若獅子戦の2回戦でヒカルとアキラが対局するところで物語は幕を閉じる。