アニメの撮影よもやま話

アニメの撮影よもやま話

フィルム時代のアニメの撮影からデジタル変換期をへて現在に至るまでの撮影回顧録

関係作品:天空の城ラピュタ、幽遊白書、学校の怪談、東京ミュウミュウ、BLEACH...

(2019) Re:ゼロから始める異世界生活 氷結の絆

 長月達平先生の同名ライトノベルを原作とするテレビアニメ。「Re:ゼロから始める異世界生活」の新作エピソードとなるOVA第2弾。テレビシリーズ第1期の前日譚となる物語で、ヒロインのエミリアと精霊パックが出会い、エミリアがルグニカ王国の王選に臨むまでを描いています。

 かつて世界を滅亡の危機に追い込み、400年を過ぎた現在も人々から忌み嫌われ続けている“嫉妬の魔女”。伝説によると、彼女は紫紺の瞳を持つ銀髪のハーフエルフであったという。雪と氷に覆われたエリオール大森林に1人きりで暮らすエミリアは、嫉妬の魔女に瓜二つという理由で、人々から魔女と恐れられていた。誤解され、傷つきながらも小さな希望を持って孤独な日々を送る彼女の前に、小さな猫の姿をした精霊が現れる…。

 リゼロの2期のメインの撮影スタッフとして希望を出していた所だったので、その流れで、この作品からガッツリ撮影に参加しています。時期的にコロナ禍が始まる前で、この作品の打ち上げパーティーから以降、そういう催しは自粛される事になってしまったのが残念でした。(-_-;)

 

 


(2019) 盾の勇者の成り上がり-Season1

 『盾の勇者の成り上がり』(たてのゆうしゃのなりあがり)は、アネコユサギ先生によるライトノベル『盾の勇者の成り上がり』を原作とするアニメ作品。第1期は2019年1月から6月まで2クールで放送されました。私は、1話、2話に参加していました。

 のちにこの作品の-Season2にも参加することになったのですが、こちらは何か監督さんが変わったらしく、キャラの性格設定についてズレが感じられ、視聴者の方に不評だったようです。

 やはりアニメ作品は【監督】次第で、良くも悪くも変化してしまうものだということですね。

 

 

【アニメ撮影よもやま話】

 

・アニメボールド今昔物語②

↑ボールドイメージ

 

 デジタル創世記(2000年)の頃の『ボールド』ですが、ベース画面にテキストで入力して、各カットの冒頭につけていました。(ボールドのコマ数は、8コマでこれがプルダウン後に10コマに変換されるように調整していました。)

 

 まだこの頃は、編集さんが映像データ(動画や連番素材)の編集を行える環境でなく、撮影スタジオの方でデジタルベータカムに収録してのビデオ納品となっていました。

 アスペクト比も 当時は4:3 が主流でしたが、撮影の方でビデオ収録までやらなくてはいけないので、その知識も必要でした。(1秒24コマで作成した映像をビデオ速度の1秒30コマに変換したり、映像画面720×480をNTSC画面720×486に変換したり…。(-_-;))

 

↑デジタルベータカム(DVW-A500)イメージ

 

 もともとフィルムでは、1秒=24コマが基準だったのが、ビデオ納品になって1秒=30コマが基準になり、この変換の為に2-3プルダウンなどの知識も必要になりました。

 さらに、映像画面720×480をNTSC画面720×486に変換したりする時に、ちゃんと変換されているかの確認などのためにボールドに円い正円を表示していました。これが歪んで見えるかどうかで成否の判断していたのです。(ボールドのグレーの丸は、そういう理由からです。)

 他にもドロップフレームやノンドロップフレームなどの問題もあって(29.97fpsとか…)とにかく大変でしたね。

 アニメ撮影も本格的にデジタル化の波が来ていて、色々な事がまだまだ試行錯誤の状態だったのです。