(3)法人免許(Real Estate Corporation License)

この免許は、法人として不動産業を営む場合に必要とされる免許で、最低1名以上のブローカーを置かなければならない。所属するブローカーやセールスパーソンの活動や実績は、すべて法人の行為とみなされる。なお、この免許の有効期間はない。

以上がアメリカにおける不動産免許制度の概要であるが、ここで注目すべき点は、ブローカーを補佐する従業員(セールスパーソン)に対しても免許が存在し、それもブローカーとほぼ同様の免許要件が課されていることである。その分、セールスパーソンはブローカーの監督下であればブローカーとほぼ同内容の職務の遂行が認められているわけだが、このことによって、不動産取引のほとんどの部分を主任者1人のみが任され他の従業員が関与できない日本とは違い、不動産業者全体の資質の向上が図られている。

また、ブローカーおよびセールスパーソンの免許要件に専門学校での不動産関連講座の単位取得を課してその専門性を高めていることも、1回の試験のみで主任者の資格をほぼ取得できる日本とは対照的である。

つづく