本来の所得税が低いと控除額も低くなる

ただし上の表の最大控除額は、10年目までのローン残高が3000万円以上あり、なおかつ控除前の所得税額が1~7年目は30万円以上、8~10年目は15万円以上あるケースでの最大の減税額です。住宅ローン控除は「住宅ローンを借りていなければ本来払うはずだった所得税から控除額を差し引く」制度なので、本来の所得税額が低ければそれ以上は控除されません。

仮に本来の所得税が20万円だったとすると、たとえ住宅ローンを3000万円以上借りていたとしても、1~7年目の減税額は20万円止まりです。家族の多いファミリー世帯では扶養控除などで元々の所得税がけっこう低くなっているケースもあります。一度、自分がいくらの所得税を払っているのか確かめてみるといいでしょう。



50㎡以上なのに控除が受けられないケースも

住宅ローン控除の適用を受けるには、いくつかの要件を満たさなければなりません。マンションの場合の主な要件は以下のとおりです。

  • ・住宅を取得してから6カ月以内に入居し、控除を受ける年の年末まで居住すること
  • 控除を受ける年の所得が3000万円以下であること
  • 入居した年とその前後2年間(通算5年間)に「3000万円特別控除」「買い換え特例」などの適用を受けていないこと
  • 専有面積(登記簿面積)が50㎡以上あること
  • 中古の場合は築年数が25年以内であること。ただし、耐震基準に適合し、2005年4月1日以降に取得した住宅については築年数は問われない
  • 住宅ローンの返済期間が10年以上であること

ここで注意すべきなのは、「専有面積が50㎡以上」という要件です。この面積は登記簿上に記載された面積のことで、具体的には壁の室内側の表面で囲まれた面積で判断されます。この面積のことを「内法(うちのり)面積」ともいいます。これに対し、マンションのパンフレットや広告に記載されている専有面積は壁の厚みの中心を基準に計算した面積が一般的です。この面積を「壁心(かべしん)面積」などといい、内法面積よりもやや広い数字になります。



2007/02/08 日経新聞引用