郵政2社の新規業務、早期参入を容認・民営化委方針



 郵政民営化の作業を監視する政府の郵政民営化委員会(田中直毅委員長)は20日、民営化後のゆうちょ銀行とかんぽ生命保険による事業参入の可否を判断する基本方針である「新規業務の調査審議に関する所見」をまとめた。株式上場に向けて企業価値を高めるため、住宅ローンなどの新規業務を早期に認める方向を示した。民間金融機関にとって事業肥大と民業圧迫の懸念が強まりそうだ。

 日本郵政公社は来年10月に民営化し、ゆうちょ銀とかんぽ生命、郵便事業会社、郵便局会社に分社する。金融2社は住宅ローンや医療保険などへの参入を要望。新規業務は金融庁が認可する前に民営化委が審査することが郵政民営化法で定められている。

 「所見」では個人ローンなど個別事業ごとの可否に触れていないが、(1)利用者利便の向上(2)経営の健全性確保(3)新規業務の優先度(4)適正な競争の確保――の四つの視点で参入の可否を判断するとした。優先的に容認する業務は「市場価格の存在する業務」や「コアコンピタンス(得意分野)との関係が強い業務」と明記。


2006.12.24 日経新聞引用