マンション建替えをデベロッパー抜きで実現

2006年12月7日 日経新聞引用

東京都中野区野方の分譲マンション「野方団地」をマンション建替え円滑化法に基づいて建て替えた「グリーンコート中野」が、11月30日に竣工した。敷地条件の関係で建替えによる戸数増が少なく、保留床の売却益は必ずしも多くない。そのためデベロッパーの参加は望めないと判断した建替組合が、住宅金融公庫の融資を受けて自力で建替えを果たした珍しいケースだ。今後増えると見られる都市部密集住宅地のマンション建替えのモデルケースの一つになるかもしれない。

グリーンコート中野の設計者は吉澤設計室、施工者は内野建設。管理業務を受託してきたケア・ジャパンの社長でマンション管理士の長尾英俊氏が、建替えのコンサルタントを務めた。

建て替え前の野方団地は、首都圏不燃建築公社が1966年に完成させたもの。4階建ての建物2棟からなり、住戸数は計44戸、各住戸の専有面積は約50m2だった。耐震性能に不安があることや、エレベーターのないことに対する高齢者世帯の不評などを理由に、2004年6月、権利者全員の賛成で建替えを決議。14世帯が転出し、30世帯で建替えに取り組むことになった。12月には円滑化法に基づく建替組合を設立した。

敷地はJR中央線高円寺駅、中野駅と西武新宿線野方駅から徒歩圏の密集住宅地にある。第一種中高層住居専用地域・近隣商業地域で、建ぺい率と容積率の各上限は60%、200%。幅4m未満のいわゆる2項道路に接しているため、容積率は上乗せするどころか使いきれず、事実上160%。地上階は1フロア増やしただけの5階建てとなった。地下1階を新設したが、それでも住戸数は計56戸で、うち37戸は建替え参加者が所有するか優先的に買い取るかすることになり、保留床の戸数は19戸にとどまった。建替組合はデベロッパーの力を借りずに建て替えることにした。