住宅ローン、減税目減り分救済へ

2006.11.30 朝日新聞引用


国から地方への税源移譲の影響で、中低所得者の中に「住宅ローン減税」の減税額が小さくなってしまう人がでてくるため、政府・与党は07~08年の住宅取得者を対象に減税総額が減らないような制度に改める方針を固めた。現在は「取得後10年間」の減税期間を毎年の減税額を減らす代わりに「15年」程度に延長する方向だ。政府は国際競争力強化のために企業減税を進める方針だが、一方で家計への負担増が進んでいることに世論の不満が出ており、税制改正に伴って実質的な負担増にならないようにする。

 住宅ローン減税は、ローンを組んで住宅を取得した場合、ローン残高の一定比率を毎年の所得税額から減額する制度。99年度の税制改正で導入され、04年度税制改正で制度を衣替えして08年で終えることになっている。

 07年取得分のローン残高の限度額は2500万円で、1~6年目は残高の1%、7~10年目は同0.5%を所得税額から差し引ける。08年取得分は残高限度額が2000万円で、07年と同様の仕組みで減税を受けられる。

 ただ、国から地方自治体に税源移譲をしたことで、個人ごとに国への所得税額が減り、自治体に払う住民税額が増える。その結果、所得税額に応じて決まる住宅ローン減税額が減ってしまう。

 例えば、住宅ローンの残高が2500万円以上ある人の税額控除の可能額は25万円。その人が年収500万円で所得税を14万円払っている場合、すべて減額できるので所得税はゼロになる。07年に住宅取得する人なら10年間で最大134万円の減税になる計算だ。

 ところが、地方への税源移譲の影響で所得税額が7万円に減れば、住宅ローン減税も7万円に半減する。現行制度のままだと期間10年の減税総額は70万円にとどまるが、減税期間を長くすれば、その分減税総額が増える。

 財務省は、07年から住宅を購入する人についてはこうした制度変更に伴う不利益を事前に分かっていた、として制度を維持する構えだった。これに対し、自民党税制調査会は「本来受けられる減税額は維持すべきだ」との意向で、財務省も受け入れる見通し。減税期間を15年程度まで延長し、制度利用者の減税総額が減らないように工夫することを検討している。

 住宅取得に伴う優遇税制では他にも、住宅買い替えの際に損失を所得と相殺できる制度の延長も検討している。98年に導入されたこの特例は、住宅買い替えで譲渡損が発生した場合、最大4年にわたり損失を繰り越せる仕組みで、年末に期限切れを迎える予定だった。