火災保険料ムダ払い多発


2006・10・30 朝日新聞引用


「保険料全額と遅延利息をお返しします」

今年6月、東京都内で飲食店を経営する男性の前で、大手損保会社の営業課長が頭をさげた。翌月、追加で10年間払い続けた保険料計約57万円が戻ってきた。

男性は92年12月、東京都大田区に分譲マンションを3300万円で購入した。損保会社で期間30年の火災保険をかけた。契約金額は建物の評価額と同じ1000万円だった。

3年後、大手損保会社の代理店に保険加入を勧められた。すでに1000万円かけていると話したが、担当者から「購入額程度までなら大丈夫」といわれ、2500万円分を追加で入った。

ところが昨年暮れになって、別の代理店から「建物の評価額を超える契約は無効」と指摘された。代理店はすでに廃業していたため、大手損保会社に問い合わせると、契約時から超過保険だったことが判明した。

男性は「詐欺にあったようなものだ。」と憤る。


各社の対策


超過保険については、契約者に重大な過失がなければ保険料の全部または一部の返還を請求できると法律で定められている。

ただ、実際に火災に遭うまで超過状態に気付かない例も多く、「契約すべての評価額を常に調べておくのは困難。件数は把握できない。」(損保各社)

金融庁は今年2月、保険業界に対する監督指針を改正。商品の仕組みや注意事項を契約者に分かりやすく説明するよう義務づけた。超過保険についても防止措置をとるよう明記した。

これを受けて、損保会社は、契約者と損保会社があらかじめ評価額を協定する特約をつけた商品への切り替えを進めたり、代理店の指導強化に取り組んだりするなど対策に乗り出した。

あいおい損保は重要事項説明書に「土地代の費用は除いてください」、三井住友海上は更改申込書に「契約金額が適正でないと保険料の無駄払いになります」という文言を加えたほか、ニッセイ同和損保は前回と同じ金額で更改されている契約を調査することを検討している。