住宅金融公庫、最後の追い込み
住宅金融公庫は来年4月に独立行政法人の住宅金融支援機構に生まれ変わる。
総裁の島田精一氏は三井物産から来て、民間の手法で公庫の活性化に全力を上げている。独立行政法人になったら金庫の利用者への直接融資は出来なくなり、民間の金融機関が引き受けることになる。支援機構は民間の金融機関が引き受けた融資を債券化して、販売していく。長期固定の融資を民間の金融機関が「フラット35」という商品を販売し、それを引き受けて証券化する。これで民間金融機関が住宅ローン金利の原資が上がったときの危険(リスク)を回避できる。
日銀がゼロ金利の解除をしたのをきっかけに、長期金利は上り始めた。このため、将来の金利上昇を見越して長期固定の住宅ローンが増えてきた。フラット35についても利用者は増え、03年10月に販売を始めてから06年8月に10万戸を突破した。現在、取り扱い金融機関は06年10月で315機関に増えた。長崎銀行、湘南信用金庫、豊橋商工信用組合のほか、楽天モーゲージ、住生活グループファイナンスなどのモーゲージバンクが新たに取扱を始めた。
10万戸を越えた取扱で多いのはモーゲジバンクである。一昔前まではノンバンクと呼ばれていた。この取扱をはじめてから06年9月までの累積ではトップは日本住宅ローンの2万2000件である。次いでみずほ銀行、SBIモーゲジとなっている。モーゲジバンクの17社が全体の取扱の50%を占めている。住宅販売会社が大株主になっているモーゲジバンクの活躍は目覚しい。
メガバンクはベスト10にみずほ銀行、りそな銀行、東京三菱UFJ銀行、三井住友銀行が入っている。各行とも自行で取扱っている住宅ローンとの金利などで競合する場合もある。そうした中でフラット35が増えているのは長期的に見て金利が上っていくという見通しがあるからである。
公庫は06年度のフラット35の目標を11万戸と掲げている。ところが9月末で3万戸と苦戦している。来年の住宅金融支援機構の発足をスムーズにする為には「この目標を是が非でも達成したい」(三井・住宅金融公庫副総裁)という意気込みで最後の努力を傾けている。