マンション内に発生するムカデの処置と責任
会員様からの質問です。
Q.マンション内にムカデが発生します。周辺の土地に雑草が生い茂っているのが原因ではないかと思い、その土地所有者に
草刈りするよう、市役所を通じて依頼したのですが、草が刈られる様子は一向にありません。土地の所有者に対して、別の
手段をとることはできませんか? また大家さんに、いかなる請求ができるのでしょうか?
原因がどこにあるかによって、解決方法も異なります。
周辺の土地の雑草がムカデ発生の原因であり、ムカデのためにマンションの居住に耐えられないほどなら、土地所有者にも責任があります。
また大家さんの責任によりムカデが発生し、居住に耐えられないのなら、大家さんにムカデの駆除等を請求できます
ムカデ発生の原因がどこにあるか
その原因を明らかにすることが、まず第一に必要です。ご質問の周辺の土地の雑草が、ムカデ発生の原因といえるかどうかが問題です。因果関係があり、雑草が原因であることがはっきりするなら、草を生い茂らせた土地所有者に責任があります。
次にムカデの発生によって、具体的にどのような損害が発生したのかを考えます。ムカデがたまたま一匹だけ、マンションにいたというのか。そうではなく、大量に発生して気持ちが悪くなるほどの状態だったのか。さらにはムカデの種類によっては、人に害を与える場合もありますから、刺されたりして人身被害があったのかを検討すべきです。
すなわち、損害といえるものがあれば、損害賠償請求ができます。また、仮に大量のムカデの発生で居住者の気持を悪くしたのなら、慰謝料が発生することもありえます。さらに人身被害に至って診察を受けたなら、その治療費請求等も可能です。
つまり、土地所有者に責任があれば、ムカデを発生させる原因となった雑草の除去や、ムカデ自体の駆除も請求できるでしょう。ただし、ムカデが一匹だけの発生にとどまるなら損害は軽微であり、駆除さえできれば解決といってもいいでしょう。当然ながら、そもそも雑草の生い茂りがムカデの発生に関係なければ、土地所有者へのこれらの請求は無理です。
マンションの大家さんには
ムカデの発生の原因が、土地所有者の雑草の生い茂りではなくて、マンション自体に問題があってムカデが発生したらどうでしょうか。大家さんにはマンションの賃貸借契約に基づく貸主の義務として、居住者が本来の居住目的に従って快適にマンションを利用できるようにする基本的な義務があります。仮にマンションの台所の流し台の収納部分にムカデが住みついて、大量発生したとすれば、大家さんに駆除の請求ができる理屈です。その他損害が発生すれば、損害賠償請求ができることは、土地所有者に責任があった場合の責任と同じです。