建築確認日が耐震性の目安に




平成7年に発生した阪神・淡路大震災は深さ16キロメートルを震源とするマグニチュード7・3の大地震でした。

マグニチュードとは地震の規模を表すエネルギー量です。

一方、地震発生直後にテレビの臨時ニュースなどで速報される「各地の震度」の震度とは、その地点における地震による揺れの度合いを数値で表現したもの。

震度は、震源が浅く、震源地に近いほど大きくなります。

 建物の耐震は、建築基準法、建築基準法施行令、国土交通省告示などにより定められ、包括的に耐震基準と呼ばれています。

特に、1981年(昭和56年)の建築基準法施行令改正後のものを新耐震基準と言います。

 新耐震基準による建物は、震度4から5程度の中規模の地震でもほとんど変形せず、震度6から7の大きな揺れに対しては、外壁の損傷などが発生するものの、倒壊などの被害が生じないことを目標にしています。

81年6月1日以降の建築確認については新耐震基準が適用されているため、中古マンションの購入に当たっては、建築確認の年月日などが耐震性を判断するひとつの目安になりますが、それ以前のマンションのすべてが耐震性に劣るというわけではありません。

 今年の4月24日より宅地建物取引業法施行規則の一部改正が施行され、アスベスト調査と耐震診断が重要事項説明に追加されました。

81年6月1日以前に新築された建物について、指定確認検査機関や建築士などが行った耐震診断がある場合は、重要事項として、建物の購入者にその内容を説明しなければなりません。

ただし、売り主などに耐震診断の有無についての照会を行った結果、調査記録が存在しない場合や調査記録の有無が不明であるときはその旨を説明すれば足り、建物の耐震診断の実施までも宅地建物取引業者に義務づけているのではありません。

 建物の維持管理の良否も耐震性と関係します。マンションは多くが鉄筋コンクリート造りです。コンクリート内部の鉄筋は、コンクリートのアルカリ性により、酸化から守られています。

しかし、コンクリートのアルカリ性は空気中の炭酸ガスと反応し、65年程度経過すると約3センチの深さにまで中性化が進み、構造体の耐力が弱体化します。

鉄筋を覆うコンクリートの厚みは建築基準法施行令で3センチ以上とされ、建物に対して、適切な時期に十分な修理修繕が行われるのであれば、築後65年間は躯体(くたい)の物理的な使用が可能となります。

コンクリートは雨や風に直接当たると急速に劣化が進み、コンクリート内に雨水が入り込めば鉄筋が錆(さ)び、鉄筋コンクリート造りマンションの耐震性が著しく損なわれるのです。

 分譲マンションは区分所有による集合住宅であるため、重大な案件については集会の決議が必要になります。単独所有の建物であれば、所有者の意思ですぐにでも取り壊すことができますが、マンションの建て替えには区分所有者及び議決権の各5分の4以上の賛成を要します。

年齢、ローン返済や資産状況など、区分所有者それぞれの個別的な事情が複雑に絡み合い、マンション再建築の合意は容易ではありません。(東郷不動産鑑定株式会社 不動産鑑定士・木俣美晴)