日銀が7月14日にゼロ金利政策を解除したにもかかわらず、長期金利の低下傾向が続いている。短期金利に比べて米国市場の影響を強く受けているためで、指標となる新発10年債利回りは、ゼロ金利解除直前(7月13日)の年1・910%に対して、23日は1・795%。長期金利を反映する固定金利型の住宅ローンなどが予想に反して引き下げられるケースも出てきた。

 ゼロ金利解除以降、金融機関が資金を貸し借りする短期金利は、ゼロ近辺から0・25%前後に上昇。通常、短期金利の上昇は、長期金利にとっても押し上げ要因となる。

 しかし、米国で7月以降に景気減速懸念が高まり、安全性の高い債券市場に資金が流入したことで長期金利は低下。影響は日本にも波及しており、「当面は日米ともに長期金利の低下傾向が続く可能性が高い」(矢嶋康次(やすひで)・ニッセイ基礎研究所シニアエコノミスト)との見方が広がっている。

 このため、8月に入って固定金利型の住宅ローンの一部引き下げが始まり、三菱東京UFJ銀行は借り入れから10年間固定型の金利を3・9%から3・85%とした。3000万円を25年間借りた場合、最初の10年間の月々の返済額が800円程度減少するという。

 固定型の適用金利は、長期金利の市場動向などを参考に毎月改定される。同行広報部は「市場金利以外の部分にも左右されるため、9月の改定については答えられない」としているが、この傾向が続けば、住宅購入希望者にとっては「追い風」となりそうだ。