不動産の現場では、こんなことが起こってきている。
参考にしていただきたい。
マンション着工は販売の好調さを裏付けるように勢いづいているが、その一方で、地価の反転や金利上昇でユーザーマインドやデベロッパーの事業戦略に変化が見え始めている。
ユーザーは金利・地価の先高観を見込んで住宅の購入を加速させるとともに、デベロッパーも地価上昇で都心部の仕入が困難になっているため、一挙に郊外部へシフトし始めている。
東京都心のマンション用地は今や路線価の3倍が常識と言われている。
この土地取引の代表的な指標である06年の路線価は全国平均でバブル崩壊後初めて上昇に転じ、地価の下げ止まりが鮮明になった。
首都圏を中心に投資ファンドが活発に動いていることやマンション開発ラッシュなどを背景に、不動産へのマナー流入が続いていることが大きな要因である。
こうした地価の反転に対してユーザーはすばやく反応した。
長谷工アーベストの「顧客マインド調査」(6月下旬に首都圏のモニターを対象にWEB形式で実施)によると、最近1年以内に住宅を購入したモニター(192件)のうち、金利・地価の上昇で「住宅の購入を急いだ」と回答した人が81%に上ることが分かった。
また、日銀のゼロ金利政策の解除を機に、住宅金融公庫が今月3日から住宅ローン金利を年3.71%から3.75%に引き上げたのを始め、大手銀行も1日から固定型金利を0.03-0.1%の幅で一斉に引き上げた。
住宅ローン金利については緩やかな上昇で、今のところ販売面には大きな影響は出ていないものの、低金利のうちに借入金利を少しでも抑えようと長期固定型に借り換える動きが強まっていることは確かだ。
一方、地価高に対するデベロッパーの対応としては、販売価格が上昇することを見込んで当面の発売を抑制させるとともに、新たな仕入では都心回帰のリスク分散を図るため、郊外部にシフトし始めたことだ。
首都圏の上半期の発売戸数が前年同期比で11%減と抑制されたのはこのためである。
また、1-6月期のマンション着工では東京都6.2%、神奈川県8.0%とそれぞれ前年同期比でマイナスとなったが、千葉県は62.1%、埼玉県は46.0%とそれぞれ大幅に増加しており、郊外シフトが加速している実態が見て取れる。
今後は地価・金利上昇を見越した「駆け込み需要」の反動でマンション販売が落ち込むという見方もあるが、販売価格が一挙に上がらなければ、マンションの購入意欲は堅調に推移すると見ている。
むしろ供給の主戦場が郊外部にシフトすることで、都心部の多層多様な需要層を相手にした高企画・高品質の競争から低レベルの価格競争に行き着くことの方が、長い目で見ての懸念材料だ。
これからはディベロッパーの商品開発能力が試される。