マンション戦争過熱、「湾岸」高額落札…路線価上昇
仙台も予定価格の2.6倍
3大都市圏でバブル崩壊後初めて上昇した路線価。背景には、景気回復を反映し、旺盛なマンション需要などがある。
不動産業界で「湾岸戦争」と呼ばれた東京都心のマンション販売競争が郊外に飛び火。
マンション用地の入札では、「路線価の2~3倍は当たり前」(あるデベロッパー)の高額落札が相次ぐ。
今秋販売のマンション価格は、さらに1~2割アップするとの見方もあり、マンションを巡る争いは過熱している。
千葉県が所有していた浦安市高洲4の約4万4000平方メートルに上るマンション用地。
今年1月の入札で示された価格に、県企業庁の担当者は驚いた。
12社が応札したが、野村不動産(東京都新宿区)の落札価格は、路線価などを基に算定された予定価格の2・5倍近い約210億2000万円だった。
入札は2004年1月にも行われたが、手続きの不備でやり直された。
この時の応札価格は最高で約101億円。
わずか2年で倍増した計算だが、同社広報部は「顧客層などを考えれば、採算は取れる」と強気だ。
不動産経済研究所(新宿区)によると、マンション販売競争は、都心から神奈川、千葉県などの一部地域に波及しているという。用地取得に費用がかかっても、「景気の回復で、販売価格を1~2割アップしても完売できる」(中堅デベロッパー)との見方もある。
用地取得を巡る競争は地方でも見られる。
最高路線価が上昇に転じた仙台市。
昨年10月、宮城県が同市青葉区川内澱橋通(かわうちよどみばしどおり)に所有していた職員宿舎跡地(約4000平方メートル)の入札には、県内外から10社が参加した。15年度に市営地下鉄が開通予定の人気地域だ。
地元業者の落札価格は、予定価格の2・6倍を超す7億5600万円。
県財産利用推進室は「好条件の土地は、落札価格の上昇が目立つ」と話す。
マンション用地の候補としては、来春以降、売りに出される東京23区内の国家公務員宿舎の土地も有力だ。
都心部の一等地のものもあり、あるデベロッパーは「最後の宝の山で、取得を巡る争いは激しくなる」と予想している。
名古屋駅前“トヨタ効果”上昇率日本一
都道府県庁所在都市の最高路線価の上昇率が全国一になった名古屋駅前。
昨年2月開港の中部国際空港からの交通の便の良さに加え、トヨタ自動車などが同駅前に建設中の高層ビル「ミッドランドスクエア」に今秋、同社の海外営業部門などが移転する。
周辺のオフィス需要も高まり、路線価を押し上げた。
ビジネスチャンスを狙って、首都圏からも関連企業や飲食店が続々と進出している。
「やはりトヨタ効果でしょう」。路線価急上昇の要因に、専門家は同スクエアの開業を挙げる。
スクエアは、47階建てのオフィス棟が10月、6階建ての商業棟が来年3月にオープンする予定で、オフィス棟だけでトヨタの約3000人をはじめ計約6000人の“人口増”となる見通しだ。
