本日もまた耐震偽装問題にまつわる話になります。
この問題を取り上げるたびに「なぜ?」という疑問とともに怒りを感じます。
耐震診断や石綿検査、不動産売買時に開示義務付け!!
ようやく国土交通省も
不動産の取引の際に、
耐震診断や石綿(アスベスト)検査を受けているかどうかを
消費者保護の観点から購入前に十分な情報を知らせる必要があると判断し、
来年1月にも省令を改正、宅地建物取引業法で定める重要事項説明の項目に加える 方針を固めました。
ここで疑問に思うことは、何故、来年からかと言うことです。
こんな大事なことは、即刻スタートすべきことだと考えるのは私一人ではないと思います。
何か怖い問題が隠されているように思えてなりません。
阪神大震災では、ローンで買った住宅が倒壊し、ローン残債が残ったまま住む家もなくなり、住む家を借りるお金もなく、避難所生活を余儀なくされた人達がたくさんいました。
以前にも書きましたが、
地震や火事などでマンションが倒壊しても、住宅ローンを組んでいれば返済義務は残ります。
購入したマンションが倒壊すれば、新しい住まいを手に入れる為にまた借金をしなければなりません。
いわゆる 「二重ローン」です。
現在マンションを購入される方の中には物件価格そのものの「100%ローン」を組んだり、「諸費用ローン」まで組んで夢のマイホームを手にされている方もたくさんいます。
次の資金を銀行などで借りられる人はまだましかも分かりません。
実際に、借りようと思っても、
「返済負担率(年間の返済額÷年収)オーバー」 となり新たに銀行で借りることができない人も多数いると思います。
購入したマンションはまだ建っているのに、その中で生活することも許されず、ローンだけは払い続ける義務が残る。
姉歯氏の問題でマンションからの「退去命令」が出た住民の人達も本当に悔しい思いをしていることでしょう。
また、まじめにやっている業者も同じ気持ちでしょう。
建築士の業務は、主として「意匠(デザイン)」、「設備」、「構造」に分かれます。
デベロッパーからの設計料は意匠を担当する建築士の取り分が大半を占め、
縁の下の力持ち(いわば、下請け的存在)である「構造屋」といわれる構造計算を担当する建築士は小額だといわれます。
ただ、仕事欲しさを理由に事業主等の言いなりとなり、
人命に関わる偽装をしたということは人間としても絶対に許されません。
姉歯問題についての保証などの問題で国が支援するのかしないのか、色々と意見が分かれると思いますが、
購入者は基本構造に欠陥があるなんて誰も想像もしていなかったでしょう。
(私達同じ業界の人間ですら想定外だったのですから)
現在『第二の姉歯探し』をしてますが、マンションの住民の中には消極的な人たちもいます。
すぐにはそんな大きな地震はこないだろうと考えているからです。
(日本人独特の自分はだいじょうぶだという考え方:リスクに対する考えの甘さ)
地震が起これば保険があるから大丈夫と思っていませんか?
地震保険というのは「火災保険の特約」として加入できるもので、
保険の支払い額も建物を建て直せるだけの金額は保証されていません。
現在の加入限度額は火災保険で加入している保険金額の30%~50%の範囲内で
かつ、建物5000万円、家財1000万円までとされています。
マスコミまも、『第二の姉歯探し』にはおよび腰 となっているような気もします。
例えば、新聞社の収入の内、約50%が広告収入ですが、その内訳は、自動車・書籍・不動産の3本柱となっています。
不動産業界は大切なクライアントなんですネ。
第2、第3の姉歯を探して、不動産購入者へのブレーキをかけると販売状況が悪くなり、
結果として広告宣伝費が削られる可能性があるからです。
事業主も売れ残りを多数抱えると資金の回収ができなくなり、金融機関から融資を渋られることになります。
また、完成しても売れ残っている場合は管理費や固定資産税等も負担しなければなりません。
もし、第2、第3の姉歯が存在するのであれば、徹底した調査を行い見つけ出すべきです。
地震が起こってからでは遅いのです。
地震は天災です。
しかし、構造上の欠陥問題があるようなマンションは、いくら地震で建物が倒壊しても人災に他ならないのです。
マンション・エスクロー・コンシェルジュのブレインスタッフ 谷口でした。 info@brain-staff.co.jp