なずなは矢井野に仕事の後に食事にと誘われた。
「この様に素敵な女性と食事が出来るなんて嬉しいです。」
矢井野にその様に言われて、なずなは満更でもなかった。
京平は浮かれているなずなを見て、呼び出した。
「もしも、あの矢井野というコックが例えばバツイチとか子持ちとかだったらどの様にするつもりだ。
結婚したいのは分かるけど、もっと冷静になっても良いだろう。」
「最近冷たい京平に言われても。」
なずなは反論した。
「女性が一人で生活していくのは社会的にも大変なのは分かる。
でも年齢的にも傷付いたら立ち直れないだろう。
なずなには言わないでおこうと思っていたけど、僕、お見合いしたんだ。」
なずなは動揺を隠せなかった。
「お見合いして、何?結婚とかまで話が進んだとか。おめでとうって言うべき。
京平も幸せを掴んだか。友達としては喜ぶべきだよね。」
「それはから元気なのか、本当に元気なのか。
こんな時位、素直になれ。僕の気持ちを知らない訳ではないだろう。」
こくんとなずなは頷いた。
「この様な気持ちでは相手と付き合うことなんて出来ない。僕を振ってくれたらって思う。」
「待って。勿体無いとか惜しいとかではなくて、自分に眠っていた京平への気持ちに何て反応すれば良いのか自分では分からなくて。
おめでとう、で良いのだろうか?って戸惑う私もいて。」
「あー、これで終わるかと思っていたけど、未だ大丈夫らしい。待つ。少し待つ。だから僕のことを見てほしい。」
「うん。」
決着が着いた訳ではないけど、なずなは京平との未来も悪くないと思い始めていた。
知津には何て報告しよう、悔しがるだろうか?
その様なことを考えていると、楽しくなってきている自分もいた。
「私が京平を愛して愛し抜くまで待ってね。
私、きっとうじうじした自分を卒業して、素敵な女性になるから。」
なずなは自分の気持ちに素直でいたいと思った。
終わり